まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ( ^ω^)轢かれた猫を見たようです


109名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:41:27 ID:qJ34Y0pE0

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 (i,)
  |_|




110名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:42:17 ID:qJ34Y0pE0


きっとその瞬間、僕はひかれたのだ。







( ^ω^)轢かれた猫を見たようです


112名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:44:16 ID:qJ34Y0pE0


( ^ω^)「おっ」


僕、内藤ホライゾンはこの春社会人になったぴっちぴちのゆとりである。
貯金を叩いて買った自動車を運転し、会社に向かおうとしている。


( ´ω`)「猫がいるお」


僕は動物が好きだ。とりわけて犬が好きで、次いで好きなのが猫だ。
なら何故こんな萎れた金玉みたいな顔をしているかというと、その猫が死んでいたからだ。

ぶおんぶおんとくそうるせえ音を鳴らしながら車が行き来する片側二車線道路、その真ん中に猫はいた。
まるで熟睡しているような、手足を投げ出した体勢。


リラックスしてるのかといえばそうではない。
だって猫の腹からはピンク色の内臓(恐らくは腸)がはみ出しているのだから。


113名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:46:40 ID:qJ34Y0pE0


「死んだ猫に同情したら、憑いてくるぞ」と言ったのは誰だったか。

どんな理由があったにせよ、僕はそれを最初に言った奴を好きになれないだろう。
だって、誰にも同情されず忘れ去られていくなんて可哀想すぎじゃないか。

いや、俗信を真に受けて、憑かれるのが嫌だからと同情しない奴の方が嫌いだな。
猫に憑かれるなんて結構な話じゃないか。一部の猫好きならきっと泣いて喜ぶぜ。

おっと、閑話休題。

とにかく僕は動物好きとして、そんな俗信に踊らされるのは嫌だと思う。
ルームミラーをちらりと見やる。そこには内臓をまき散らした猫が変わらずに寝そべっていた。


( ^ω^)「可哀想に」


114名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:48:12 ID:qJ34Y0pE0
ドラえもんのタイムワープリールでも使ったかのように時間はあっという間に過ぎて、今は昼休み。

僕の前にはカーチャン特製のお弁当。保温式だからレンジでチンしなくてもホカホカだ。
そういえば愛妻弁当とはよく聞くけど、愛母弁当って言葉をあまり聞かないのは何故だろう。


弁当の蓋を開けながら、僕はふと今朝見た猫のことを思い出した。


何も、さあ食事をしようという時に腸が飛び出た猫の死体のことを思い出さなくてもと思うが、思い出しちゃったものはしょうがない。
それに僕はスプラッタ映画を見ながらステーキが食べられるタイプの人間なのでノープロブレムだ。
ところで、四日前くらいに「鮭は身より皮の方が美味い」と言ったせいなのか、弁当には鮭の皮「だけ」が入っていた。嗚呼、カーチャン。


115名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:49:44 ID:qJ34Y0pE0


( -ω-)


ほんの数秒だけ僕は黙祷する。
ニュースで見る他人の死は基本的にどうでもいいが、身近で見る動物の死は心が痛むものだ。

どっかおかしいな、とは思うけれど。まあ、人間そんなものだろう。



ああ、今朝見た君の死体は、誰か片付けてくれるのかな。


( ^ω^)「中二乙」



黙祷をやめ、僕は再度箸を手に取る。
ああ、それにしてもやっぱり鮭の皮は美味い。


116名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:51:35 ID:qJ34Y0pE0


足音がする。声がする。振り返る。

誰もいない。

何もない。


117名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:52:54 ID:qJ34Y0pE0


( ^ω^)「おうふ」



一体どんな因果があって、二日連続猫の死体を見る羽目になるのだろう。

しかも今度は道路の真ん中、しかも僕が現在進行形で車を走らせている車線に猫が寝そべっている。
横の車線を見るも、朝の通勤ラッシュとあってとても入り込めそうにない。あらあらなんとまあ。


( ^ω^)「ごめんお」


罪悪感を載せて車を走らせる。タイヤですり潰さないように慎重にまたごした。
なんとかやりすごし、ほっと一息ついてルームミラーを見る。

こちらを向いていた猫と、目が合った。


118名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:54:29 ID:qJ34Y0pE0


('A`)「二日連続で死体見るとか、お前、憑かれてんじゃね」


同僚の毒島に雑談がてら件のことを話すと、彼は関口一番にそう言った。
正直僕よりも、青白くて不健康な顔色をした毒島の方がとり憑かれてるように見えるのだが。


( ^ω^)「え?」

('A`)「ほら、言うじゃん。猫の死体見て同情したら、そいつに憑いてくるとか」

( ^ω^)「それマジで信じてんの?」

('A`)「俺意外と迷信深いから」


偶然でしょ。だぁな、あ、そういえば今日さぁ。会話が流転していく。

人間にとって動物の死体なんて、その程度の価値にしかなりえないのだ。


にゃあ、とどこかから声が聞こえた。


119名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:56:23 ID:qJ34Y0pE0


( ^ω^)「今日も猫の死体見ちゃったお」

J( 'ー`)し「ああ、あの辺り、よくあるわよね」

( ^ω^)「え、そうなのかお?」

J( 'ー`)し「カーチャンも何度か見たわよ」


カーチャン曰く、前からあの道ではよく猫が死んでいるらしい。なんて道だ。
しかし、ほっとした。僕は怖がりなものだから、正直に言うと毒島のあの発言にびびっていたのだ。

夕飯を箸でつつきながら、昨日と今日のアレは偶然だったと思うことにした。


120名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:57:33 ID:qJ34Y0pE0




( ^ω^)「でもまぁ、偶然にしたって」


気味が悪い、と思ってしまうのは致し方がないことだろう。

今朝見たあの猫の死体が忘れられなかった。
硝子玉みたいな瞳が、僕の脳裏にこびりついていた。

まるで人形みたいだったなぁ、と僕はぼんやり天井を見つめる。


存在感が命と一緒に抜け落ちてしまっていた。精巧に作られた人形のようだった。
だから、なのだろうか。



一瞬だけ、僕はあの猫の死体を、愛らしいと思ってしまった。


121名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:59:11 ID:qJ34Y0pE0


昼休み。昼食をとった後、存外に時間が余ったので外に出た。


車で寝ようかなぁと鍵を取り出して、ふと空を見る。
雲一つない、小説の一文にでも出てきそうな綺麗な空だ。


たまには散歩するのもいいかもしれないと鍵をポケットにしまう。
代わりに反対のポケットからiPodを取り出し、イヤホンを耳に当てた。


( ^ω^)「おっおっ」


とりあえず会社の周りを一周するかと門に向けて歩いた、その時だった。


122名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:00:37 ID:qJ34Y0pE0


門の真っ正面に位置した道路を、車が横断していくのが見えた。
僕の視線はその下、車が通り過ぎた後の冷たいアスファルトの上。


黒猫がいた。

腹から腸だのなんだの、てらてらとぬめった臓物をはみ出させて、僕をじっと見ていた。


イヤホンを通じて軽快なポップスと共にアーティストの美しい歌声が流れ出す。
一番気に入っていたはずのその曲が、雑音として素通りしていく。

僕は動くこともできず、ただもう生きてない猫と目を合わせていた。
風で体毛が揺れるのがいやに生々しかった。

何十秒そうしていただろう。猫の口が唐突に、カパァ、と開いた。


にゃあ。

鳴き声が聞こえた気がした。


123名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:02:02 ID:qJ34Y0pE0


偶然だ、偶然。偶然に決まってるさ。

だって常識的に考えてありえないだろうJKJKJK、死んだ猫は動かないシュレディンガーの猫は死んでいる死んだものは生き返らない。
あ、シュレディンガーは見てみるまでわからないみたいなそんなアレだっけ?もうどうでもいいや。


( ω )「はは」


笑い声にも力が出ない。あんなものを見た後だ、当然だろう。

今までの死体はフロントガラス越しだったけれど、今回は間近で見てしまった。
憑かれる憑かれない同情云々以前に、気分が悪い。まいったねこりゃ。


( ω )「つかれてるんだお、きっと」


そうだ。死んだ猫が鳴くなんて、あるわけないじゃないか。なあ、そうだろ。「にゃあ」 え?


124名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:03:24 ID:qJ34Y0pE0


( ^ω^)「死体を愛らしいと感じるなんてどこの異常者だお」


たとえば戦争映画が大好きな奴でも、実際の戦場に行ったら吐くだろ。きっとそんなもん。
人間には誰しも異常な部分があるものなのだ。

僕にとってたまたまそれが、先日感じたあの感情だったってだけだ。



( ^ω^)「だから僕はまとも!」


いや、宣言してどうする、って話なんですがね。

昼休みが終わった後の僕はひどかった。
あの毒島を凌ぐ顔色の悪さを見せ上司や同僚に心配をかけ、仕事の能率も若干落ちた。


125名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:04:56 ID:qJ34Y0pE0


( ^ω^)「社会人としてこれはいかん」


明日からは気持ちを切り替えて頑張らないと。

憑かれるなんて迷信。幽霊なんて嘘。死んだ猫は鳴かないし動かない。つまりあれは幻覚。
きっと僕は疲れているんだ。週末になったら休めるから、頑張らないと。


頑張らないと、頑張らないと?


頑張った先に、一体何があるんだろう。

そういえば僕は、何のために頑張っているんだっけ。


126名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:06:18 ID:qJ34Y0pE0


よく偉い人が「仕事はお金を手に入れるためだけのものじゃない」と言ってるのを聞く。


やりがいとか、世の為人の為になるためとか、そんな考えの基に働くことの方が尊いらしい。

でもそれは本当なんだろうか。


そういうことは、常人にはない何かを持つ才能ある人に任せておけばいいんじゃないかと思う。

僕は凡才以下だから、明日の仕事や家に入れるお金の計算のことで精一杯なのだ。


僕は何のために生きているんだろう。何のために頑張っているんだろう。


「生きるために働くのだ」と誰かが言った。それは、ほとんどの人間にとっては、逆だ。


127名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:07:19 ID:qJ34Y0pE0


( -ω-)「眠いお」



あんな死体を見たからだろうか。アンニュ~イなことばかり頭に浮かんで眠れなかった。

今更後悔してももう遅い。僕は背広を着て、車に乗り込んだ。
アクセルを踏んでいつもの道へ。


制服を着た女子高生二人が楽しそうに歩いている横を徐行する。
いいなあ、あんな可愛い子と青春送りたかったなぁ。


振り返ってみれば学生という身分のなんと楽なことか。
当時はあんなにも規則がきついだの文句垂れてたのに。


128名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:08:30 ID:qJ34Y0pE0


車が多くなってきた。

いつも猫が死んでいる道路だ。


( ^ω^)「ん」


いつもならこの辺に横たわっている、というポイントを通り過ぎた。
道はきれいなままだ。猫どころかごみ一つ落ちてなかった。


( ^ω^)「よかった、轢かれた猫はいなかったんだね」


気分が晴れると同時に、なんだか昨日の思考が恥ずかしくなってきた。
なんだあの中二思考は。アンニュイってレベルじゃねーぞ。


やっぱり疲れていたんだと結論付けて、僕はアクセルを踏み込んだ。


129名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:09:52 ID:qJ34Y0pE0


その後は昨日に比べれば快調だが一昨日に比べたら大したことはなかった。つまり普通だった。


淡々と仕事をし、たまに雑談、昼食を食べて、休憩を挟みまた仕事。



昼休みには、昨日できなかった散歩をした。

昨日に負けないくらい清々しい天気の中、猫の死体はどこにもなかった。



ほっとすると同時に、死体なんか見かける方が珍しいのだと思い直す。


130名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:11:03 ID:qJ34Y0pE0


( ^ω^)「立て続けだったせいだお、きっと」


独り言の後に自分でうんうんと頷きながら車を飛ばす。

時刻は夜九時半、残業したせいでこんな時間になった。ちなみにサビ残だ。いとわろし。

この頃僕は疲れていた。それに重なって何度も死体なんか見たせいで、更に疲れてしまった。
だから要らん幻覚を見たり、毒島の無責任な発言に怯えたりなんかしてしまった。


( ^ω^)「だからろんりろんり~せつなくて~」


論理論理~的に考えた結論がそれだ。
ちなみに僕は二十数年ロンリロンリ~だ。いとわろえない。彼女欲しい。


131名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:12:28 ID:qJ34Y0pE0


車から降りて、鼻歌を歌いながら鍵をちゃらちゃらと鳴らした。

我が家はマンションの二階にある。
短い階段を上り、我が家のドアの前に辿り着いた。


そこに、雑巾が落ちていた。




あ、違う、これ猫だ。



僕の足元で、猫が死んでいた。


その猫は確かに、あの時目が合った猫だった。


132名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:14:09 ID:qJ34Y0pE0



黒い体毛に覆われた肉を横たえていた。お腹から内臓と血をはみ出させていた。


ぱっちりと目を開いていた。


その全てを映しているようで何も映していないうつろでからっぽできれいな目玉を見た瞬間、僕は無性に泣きたくなった。


133名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:15:57 ID:qJ34Y0pE0



( ω )「――――あ」



気付いたら僕は階段を駆け下りていた。


けたたましく響く自分の足音の合間に「にゃあ」と甘えたような声が響く。
いやだそっちには行きたくないこっちにくるなついてくるな憑いてくるな!



階段を駆け下りて飛び出した先は真っ暗な闇、を切り裂く白い光。

その眩しさを救いの光だと思った。神様とか仏様とか、そういうものが僕を助けてくれるんだと思った。


なのに僕の眼球は、憎々しいほど鮮烈に、鉄の塊が僕に向かってくるのを捉えていた。


( ゚ω )「あ、あ、まだ、僕は」


死にたくn


134名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:18:10 ID:qJ34Y0pE0



某月某日、帰宅途中の男性が死亡しているのが近隣の住民により発見された。

男性は全身を強く打ち即死、現場に残されたブレーキ痕などから轢き逃げと見られている。

辺りには男性の血と、何故か犬や猫と思われる動物の足型が大量に残されており――――。


135名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 20:19:08 ID:qJ34Y0pE0

  (
   )
  i  フッ
  |_|



('A`)百物語のようです2013( )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1376666266/

[ 2013/08/18 00:30 ] 百物語のようです2013 | CM(0)
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