まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ( ФωФ)君へ、のようですlw´‐ _‐ノv


534名も無きAAのようです :2013/08/12(月) 00:11:56 ID:AdtwW4/A0

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 (i,)
  |_|




535名も無きAAのようです :2013/08/12(月) 00:12:53 ID:AdtwW4/A0

lw´‐ _‐ノv「やぁ、ひさしぶりだね」

( ФωФ)「全くであるな」

白いワンピース、大きい麦わら帽子。
風になびく豊かな黒髪と、赤いリボン。
彼女に足は、ない。向日葵畑が彼女を透けて見えて、彼女は輪郭を取り戻す。
自分が目を細めると、彼女も目を細め唇で弧を描いた。

lw´‐ _‐ノv「こうしてまともに君と話せるようになって嬉しいよ」

( ФωФ)「それは吾輩の台詞である」

自分が言うと彼女は鈴を転がすような声で笑った。
そうだね、そうだねとひとしきり笑って空を仰ぐ。

lw´‐ _‐ノv「私は結局自分の足で立つことなく逝ってしまったね」

( ФωФ)「……致し方なかろう」

lw´‐ _‐ノv「今更身体について文句をいうつもりはないさ、こうして立つという視界を手に入れたことだし」

( ФωФ)「立っていると言っていいものかわからないが」

lw´‐ _‐ノv「浮いている、と言う方が正しいかな?
       どちらでもいいだろう、私は今こうしているのだから」

彼女が生前こうして清々しい笑みを浮かべたことはあったのだろうか。
自身の記憶に問いかけるが思い当たらない。
記憶にある彼女は白い顔で俯いて、諦めの表情を浮かべているばかりだった。
唯一、双子の姉といる時は薄く笑っていたけれど。


536名も無きAAのようです :2013/08/12(月) 00:13:58 ID:AdtwW4/A0

lw´‐ _‐ノv「……謝っておいてくれたかい?」

脳内に赤髪の、健康的な女性の姿が映る。
目の前の彼女が同じ顔を思い浮かべたのだと悟って、何をだと聞いた。

lw´‐ _‐ノv「これ、借りっぱなしだから。もう返せないけど」

帽子のつばを右手で握って、眉を下げる。
赤いリボンはお前の姉によく似合っていた。
そう言うとわかってるよ、と少し頬を膨らませた。

lw´‐ _‐ノv「すこし、憧れてただけ」

( ФωФ)「健康な姉に?」

lw´‐ _‐ノv「なんで私だけ、って思ったよ。
       私が寝てても彼女は立って、走って、私が見れない景色を見てた。君もね」

( ФωФ)「……」

lw´‐ _‐ノv「ああ、恨み言を言いたいわけじゃないんだ。
       私の身体がどうしようもないことなんてわかってたし。
       君達は動けない私に世界を見せようとしてくれた。だから嫌いになんてなれなかった」

( ФωФ)「嫌いになっていた方がよかった、とでも言いたげだな」

lw´‐ _‐ノv「……その方が、楽だったのかもしれないと思わないでもないよ。
       でも君達を羨ましいと思いこそすれ、憎めはしなかった。やっぱり、好きだったんだよ」

( +ω+)「……そうか」

お前の姉は、お前を亡くして以来泣いているのだと。
自分がお前の分の健康をうばってしまったのだと。
恨んでいるに違いないと、自責の念に駆られていることをお前は知らない。
知らせてどうなる。自分だから彼女に会えるのであって、彼女は姉には会えないというのに。


537名も無きAAのようです :2013/08/12(月) 00:15:17 ID:AdtwW4/A0

lw´‐ _‐ノv「ねぇ、ここは綺麗なままだね」

彼女は振り返って言う。
向日葵が風に揺れて、黄色い花びらが舞った。
帽子のつばを抑えたまま、彼女は笑う。

lw´‐ _‐ノv「ここが好きだったんだ、ずっと来てみたかった」

( ФωФ)「綺麗だろう、吾輩が埋めたのだ」

lw´‐ _‐ノv「彼女と、でしょう。妙に見栄っ張りだね君は」

( ФωФ)「実質吾輩は手伝っただけなのだがな」

lw´‐ _‐ノv「だろうね。でも、綺麗だよここは」

彼女の人生の大半を過ごした部屋が見えた。
たった数メートル、彼女が移動しただけでとても珍しく見えるのはなぜなのだろう。
今そこでは姉が泣いているのだろう。白いシーツを握りしめて、肩を震わせているのだろう。

lw´‐ _‐ノv「向日葵が好きなんだ、彼女が初めてくれた花だから」

( ФωФ)「吾輩も渡したはずだが?」

lw´‐ _‐ノv「彼女の方がはやかった。初めて咲いたんだって、笑顔で持ってきてくれた。
       私の髪に挿して似合うと言ってくれたよ」

( ФωФ)「結局二人で髪に飾ったまま寝たのだったか」

lw´‐ _‐ノv「そうそう、起きたら花びらが落ちちゃってて泣いたんだ」

彼女の手は向日葵を通り過ぎた。触れることが叶わなくなった身体に、溜息を吐いた。
これが見れるから夏は好きだったんだけどな。呟いた言葉は地に落ちた。
自分の方を向いて、彼女は笑う。


538名も無きAAのようです :2013/08/12(月) 00:16:27 ID:AdtwW4/A0

lw´‐ _‐ノv「彼女は元気かい?」

本題に入ったと、思った。
彼女の癖は知っていた。言いにくい話題に入るとき、妙に話を変える。
そして自分は本題から逃げてはいけないともわかっていた。

( ФωФ)「……沈んでいる。お前が逝ってから、ずっと」

lw´‐ _‐ノv「笑っては、いないのかい?」

( ФωФ)「笑えるはずなかろう。彼女はお前に逝ってほしくなかった」

lw´‐ _‐ノv「無理だとも知っていたろうに」

( ФωФ)「……わかっていても、心が追いつかないのだろう。
      吾輩は寄り添うことしかできん」

lw´‐ _‐ノv「笑顔が好きなんだけどね。沈んでいる顔なんて似合わないよ」

( ФωФ)「……そこには、同意しよう」

lw´‐ _‐ノv「……ああそうだ、この手があるじゃないか」

ひらめいた、という顔をして彼女は麦わら帽子からリボンを外す。
姉の髪に似た赤布を吾輩の首にかけて、よし、と笑った。

lw´‐ _‐ノv「伝えておいてよ、私は恨んでなんかないって。
       これ持って行っちゃってごめんって。返すね、」

( ФωФ)「……名を、呼ばないのか?」

lw´‐ _‐ノv「嫌だなぁ、呼んだらこっちに来ちゃうかもしれないよ?
       それに、そろそろ時間切れだ」

彼女が吾輩の頭を撫でて、感触が消えた。
目を開けると既に彼女の姿はなかった。首にかかる布だけが彼女のいた印だった。
向日葵畑に背を向けて、室内にはいる。
目指すは彼女のいた部屋、姉のいる部屋。


539名も無きAAのようです :2013/08/12(月) 00:17:12 ID:AdtwW4/A0

:ノハ ⊿ ):

やはり泣いているのだな。
でも泣いてほしくなどないのだ。お前には笑顔が似合うと、妹の願いなのだ。
吾輩も、そうなのだ。寄り添うしかできない吾輩でもお前に笑ってほしいのだ。

呼びかける。少しの間を置いて彼女が振り返る。
泣きはらした目が吾輩を見る。見つめる。目を見開く。
少し痩せた手が伸びる。赤いリボンに触れる。握りしめる。

声にならない声が、喉から漏れる。嗚咽。また新たな涙が浮かんで落ちる。
不器用な刺繍を指でたどる。白糸のそれは、彼女の置き土産なんだろう。
それを読んで、また泣くのだ。それが後悔ではなく懺悔でなく、救われた涙であればいいと思う。
そしていつか、またお前と向日葵を笑って見ることができたのなら。
流れるはずのない涙が、流れた気がした。

( ФωФ)君へ、のようですlw´‐ _‐ノv


540名も無きAAのようです :2013/08/12(月) 00:17:54 ID:AdtwW4/A0

  (
   )
  i  フッ
  |_|



( ^ω^)百物語のようです2013( ω  )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1372396645/



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