まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )


511 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:13:53 ID:d3t9MV8U0

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 (i,)
  |_|




512( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )1/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:15:35 ID:d3t9MV8U0
自室の布団の上で目を覚ました。
暑そうな夏の日差しが部屋に入り込んでいたが、特に何も感じなかった。

私は身体を起こして部屋を見回した。
物が散乱しているのが見受けられる。長いこと放置していたのだろうか。
久しぶりに来たのだっけなと思い、記憶を辿ろうとしても何も思いだせなかった。

身体の動きは頗る鈍い。自分の身体が老体なので仕方ない面もあるが、それにしても辛い。
まるで外から糸か何かで操っているようだ。

ふと思い立って、自分の左腕を右手でつねってみた。やはり痛みは感じない。
暑さも痛みも感じない。なんということだ、これでは生きている心地がしない。

ひょっとしたら私の身体は既に死んでいるのではないか。
何かの拍子で霊魂だけが残り、腐った身体を操っているだけなのではないか。
だとしたら、さしずめ私はゾンビのようだ。

しかしいったいどうしてこのような状態で、私の霊魂はここに残ってしまったのだろう。



突然、手に何か触れた。
しかし見てみても何も無かった。


513( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )2/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:17:06 ID:d3t9MV8U0
幸い部屋の中で杖を見つけたので、それを支えにドアまで向い、階下へと向かった。
家の間取りはなんとなく憶えていた。ずっと昔に来たかのような遠い記憶として残っている。
そして私には妻と双子の息子がいたことも、徐々に思いだしてきていた。

階下には双子がいた。二人ともいる。

(;´_ゝ`)「……!」

兄者の方が私をみて目を見開いていた。なんだ、何をそんなに驚いているのだ。
私が死んでいることに気付いているのか。
もし何か知っているなら詳しく話を聞こうと思い、私は兄者の反応を待った。

(;´_ゝ`)「あ、あんた歩けたのか」

私は眉を顰めた。何を言っているのだろう。歩けなくなった覚えなどない。
だいたい歩けないならなんで二階で寝ていたんだ。降りれないだろう。
それに目の前でそんなことを言うなんて失礼じゃないか。

私は兄者がこれから何を言うのかを待った。

しかし結局兄者はそれっきり、台所の方へと帰って行ってしまった。

拍子抜けした私は次に弟者の方に顔を向けた。
彼はこちらを見ずに雑誌を読んでいる。

私は声を掛けてみようと思った。


514( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )3/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:18:28 ID:d3t9MV8U0
しかし、うまくいかない。

言葉にもならない音を出したところで、私は話すことの難しさに気付いた。
いったいどうしたというのだろう。身体の構造的に問題があるのか。
そういえば死体は内部から腐っていくと聞いたことがある。声帯がもう使い物にならないのかもしれない。

(´<_` )「……兄者、どうやらだめだったみたいだな」

弟者は雑誌を読みながらそう言っていた。台所の方から大きなため息が聞こえてくる。
私には意味のわからない会話であった。

食事の席へは弟者が案内してくれた。介護慣れした人の手つきだ。どこかで実践しているのかも知れない。
私もこう動きが悪いと要介護者と変わらないのだろう。とにかく援助があるのは助かる。

(´<_` )スンスン

弟者がしきりに鼻をひくつかせているのに気付いた。
私は顔をしかめた。匂いでも気になるのだろうか。嗅がれる側は決していい気持ではない。

しかし身体が腐っていれば当然か。
今は夏場だし、私がゾンビであることに双子が気付くのもそう遠い話ではないだろう。

椅子に座っていたら兄者の作った食事が運ばれてきた。
弟者と自分には質素な朝食が、そして私の前にはおかゆが運ばれてきた。


515( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )4/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:20:05 ID:d3t9MV8U0
私には食欲が無くなっていた。それにもし身体の内部が機能していないならば消化もできないだろう。
だからスプーンにさえも手をつけずにいた。

(´<_` )「さすがに食べないみたいだな」

( ´_ゝ`)チッ

舌打ち?
なんで舌打ちなどされなきゃならんのだ。

( ´_ゝ`)「……なあ弟者、母さんの命日って明日だよな」

(´<_` )「ああそうだ。ちゃんとお供えしないとな」

母さん、つまり私の妻のことだろう。
しかしいつの間に死んだというのか、私は全く知らなかった。
あれほど私のために尽くしてくれた良妻にはなかなか出会えないと思っていたのに、なんと惜しい。

それにしても、そんな妻の死のことも忘れているなんて。
私はよほどひどい記憶障害に陥っているのかもしれない。

(´<_` )「しかし兄者、父さんの前であんまり母さんの話はしてくれるな」

(;´_ゝ`)「ああ……悪い」

それは私に気を使ってということだろうか。
それにしては妙に違和感が残った。


516( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )5/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:21:17 ID:d3t9MV8U0
ややあって、兄者が新聞を広げてくれた。
私は目を細めて日付を確認した。
私の憶えている時とどれほどのずれがあるのか検証したかったのである。

そして驚愕した。

そこにある年号は、私の記憶にあるものより五年は先のものであった。

どうやら私にはここ五年の記憶がすっぽりと抜け落ちているみたいだ。

( ´_ゝ`)「それじゃあ弟者、じいさんの世話は頼んだ」

それから兄者は仕事へ向かった。
弟者は家に残っている。はて、二人とも職についていたはずだが。
妻が死んでから私の介護のため、会社を休んでいるのか。

弟者は私を自室へと案内した。
私は既に弟者の心の内が冷え切っていることを感じていた。
介護の腕はあってもこの態度ではあまり好ましく思えない。

いつからこんな子になってしまったのだろう。
昔は弟者も兄者ももっと快活で騒がしいほどの兄弟だったのに。

自室で私は横になった。
どうにも疲れる。本来動くべきでない身体を動かしているのだから当然か。


517( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )6/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:23:08 ID:d3t9MV8U0
双子のことが気にかかった。
あの二人は私が死体だと気付いていはいない。
しかし私の家族であるのだから、何かしら私について知っているはずだ。

五年間という長期の記憶が無い私だが、あの双子はその期間についても知っているだろう。
口でそれを聞きだすことができないのがもどかしい。紙に書こうともしたが、思うように手が動かなかった。


そのうち、視界がぶれ、全てが真っ暗になった。


気がつけば寝ていたらしい。すでに日が暮れていた。
私はゆっくりと起きた。身体の鈍さは変わらない。
昼食も省いてしまったが、特に問題はないだろう。

どうも視野が不安定だ。右目が開いていない気がする。
身体が不自由なのはしかたない。このままで耐えよう。

それにしても、弟者は昼食のために私を呼ばなかったのだろうか。
それに他の、排泄とか着替えとかもなされた様子はない。記憶もない。
これではあまりにも淡白じゃないか。老人に対してこの仕打ちはいかがなものか。

私の憤りは募っていった。


そのときまた腕に何か触れた。
できる限り急いで振り返ってもやはり何も見受けられなかった。


518( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )7/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:24:27 ID:d3t9MV8U0
私は再び階下に降りた。
すると、なんと弟者と兄者がそろって夕食を食べていた。

二人とも私を見て呆然としている。

(;´_ゝ`)「う、うわああああああ!!!!」

兄者が弾けるように叫んで立ちあがる。
そのまま台所まで行ってしまう。
壁の隅からこっそりとこちらの様子を伺っていた。

弟者も冷や汗を流しながら身構えている。
座りながら、その右手には強く箸が握られていた。

(´<_`;)「どうしてだ……」

弟者が恐ろしく低い声で呟いた。

どうしてだと?
食事のために決まっているだろう。自分たちだけで食べておいて私に出し忘れたなどとは言えまい。


520( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )8/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:26:04 ID:d3t9MV8U0
(;´_ゝ`)「……ど、どうやら危害はないみたいだな」

兄者がほっとした様子で言った。

(´<_`;)「ああ、やっぱり普通じゃないみたいだけど」

弟者は私を見つめながら苦々しそうな顔をしていた。

私がゾンビであることにようやく気付いたということだろうか。
それならそれで好都合だ。私の身に何があったのかわかるかもしれない。

それにしても、先程の態度はなんだ。
およそ親に向けていいものではないだろう。
人を珍獣か何かのように扱いおって。

(´<_`;)「まああの身体じゃどうせ動いたところで大したことないさ」

弟者の冷たい言葉。なんでこんなこと言われなくちゃならないんだ。
二人ともどうしてこんなになってしまったのだろう。育て方に不備でもあったのか。
私は沸々とした怒りのままに、弟者の頭部を睨みつけた。


521( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )9/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:27:44 ID:d3t9MV8U0
(;´_ゝ`)「弟者、父さん怒ってるみたいだぞ」

兄者がおずおずと言った。
弟者が鼻で笑う。

(´<_`;)「そんなはずあるか。もう何年も前からボケてるんだぜ?」

(;´_ゝ`)「確かに五年前からそうだけど……怒ったりは普通にするんじゃないのか」

(´<_`;)「そんな怒ったりする動機なんて、その場限りしか持ち合わせていられないさ」

ボケてる? 痴呆症ということか。
五年前からということは、私の記憶が無い時期と一致している。
なるほど、私は病気のために記憶を保持できない身体になっていたのだな。

だからゾンビとなった今思い返しても、思いだすことができずにいたのか。

合点がいくと同時に、兄弟への不信感が募っていった。
冷めた口調に対する苛立ちばかりではない。


522( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )10/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:29:07 ID:d3t9MV8U0
きっと私は生前痴呆症で、足腰も悪くなっていたのだろう。
それにもかかわらず部屋は二階である。私は閉じ込められていたんじゃないか。
階下にも降りれず、一緒に食事をとることもせず、いやひょっとしたら何日も放置されていたのかもしれない。

朝弟者が言っていたことを思い出す。
何かに失敗した。ひょっとして私を餓死にでもさせようとしたのか。
そして私の魂が双子を憎み、恨むためのこの世に留まったと。

あいにくその恨みを私がすっかり忘れていたから何をする気にもなれなかった。
しかし今なら気持が形成されてきている。

自然と杖を持つ手が震えてくる。


腕が何かに握られる感触があった。
先程から私に触れてくるやつか。
私は苛立って手を振り拒んだ。

なんださっきから、うっとおしい。
何かは知らないが私の邪魔はしてくれるな。
そう念じると感触は消えた。それっきり。


523( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )11/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:30:34 ID:d3t9MV8U0
(;´_ゝ`)「弟者、俺仏壇の方へ行ってくるよ」

(´<_`;)「命日は明日だぞ?」

(;´_ゝ`)「なんかいやな予感がするからさ」

それから兄者は席を立ち、食器を片付け始めた。終わってから仏壇へ行くということなのだろう。
私はふっと怒りが抜けた。そうだ、妻の仏壇をまだ見ていない。
この双子をどうにかしてやる前に挨拶くらいしておきたいものだ。そう思うと怒りは一応おさまった。

兄者が片づけを終え、奥座敷へと歩んでいく。
私もそれについていこうとした。

(´<_`#)「おい!」

弟者が突然叫ぶ。
驚いて弟者を見ると、これまで見たことないほど鋭い目で私を睨みつけていた。


524( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )12/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:32:07 ID:d3t9MV8U0
私は訝しんだ。弟者は私を止めようとしているのか。
なんでそんなことをする必要がある。私はただ妻の位牌を見たいだけだ。
それが夫と言うものだろう。どうして邪魔をする。

抑えていた怒りが瞬時に湧いてきた。
杖を握る手に力が込められる。

(´<_`;)「……っ、うう」

私の顔に恐れをなしたのか、弟者が呻いた。
心の隅に優越感が現れた。所詮わが子だ、父親には逆らえまい。
遠い昔に置いてきた純粋な支配欲。

時代錯誤と言われようとも私はその気持ちを根源に抱えて育ってきていた。
世の中を渡る上でひた隠しにしてきたが、もう限界が近い。

このように虐げられる現状があれば、その気持ちが湧いてくるのも無理はない。
私は杖をゆっくりと持ち上げようとした。


525( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )13/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:33:29 ID:d3t9MV8U0
( ´_ゝ`)「やめろ、弟者」

兄者が静かに言う。
私は腕を動かすのをやめた。杖の先だけが宙に浮く。

(´<_`;)「け、けど兄者!」

弟者は必死の形相で兄者に訴えかけていた。
兄者は首を横に振る。

( ´_ゝ`)「いいじゃないか。母さんくらいみせてやろう。
 何かあったら弟者、お前が止めてくれ。俺も手伝うから」

弟者は何事か言いたそうに口を震わせていたが、反論はしなかった。
結局そのままテーブルに向き直った。食器を片づけるためだ。

私の杖を持つ手と背中を支える。介護の姿勢だ。

そのまま三人は奥座敷へと向かっていった。


526( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )14/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:35:13 ID:d3t9MV8U0
仏間に黒檀の仏壇があった。私も憶えている。先祖の位牌はそこに置かれていた。
そして記憶にない新しい位牌があった。それが妻のものなのだろう。

兄者が先頭に立ち、鈴を鳴らして、手を合わせる。

( ´_ゝ`)「……母さんが死んでから、もう一年になるよ。
 母さんが服毒自殺したって連絡を受けて、急いでこの家に来た。
 介護をまかせっきりにしていたのが悪かったんだと反省して、弟者と協力してじいさんを支えようと思った」

( ´_ゝ`)「でもすぐに、母さんが自殺した理由は別のところにあるとわかった。
 父さんはすっかり変わってた。ボケが始まってて、いつも何かに憤ってて、ものすごくわがままな人になってた。
 俺らは大人になってからの父さんしか知らなかったからさ、父さんがそうなっちゃうのを見ててショックだった。
 そしてそんな父さんと結婚した母さんの受けたショックはもっとひどかったと思う」

( ´_ゝ`)「一年間耐えてみて、やっぱり俺らも限界が来た。
 何を言っても父さんはすぐに忘れてしまうんだ、どんなに恨み事を言ってもけろっとしちまう。
 それが一番つらかった。母さんが死んでいることさえ覚えてられないなんて」


527( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )15/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:36:16 ID:d3t9MV8U0
( ´_ゝ`)「だからかつて母さんが使った毒を食事に混ぜたんだ。それが昨日の話。
 そしたらさ……なんでかわかんないけど、父さん元気になってやんの。もう意味分かんなくてさ。
 急に歩けるようにもなってるし、毒なんて全然意味無かったし。嫌になるよ」

( ´_ゝ`)「でさ、昼間弟者が油断しているところを鈍器で殴って殺そうとしたらしい。
 でもまだ生きてる。いや、たぶんあれはもう普通じゃない。だって、頭の右側が抉れてるんだもの。
 きっと呪いとかそういう、人知の及ばないものだよ。俺たちじゃどうしようもない」

間をおいてから、兄者は嗚咽を漏らしだした。
苦しみに満ちた声が少しずつ発せられていく。
悲しみも怒りも、全てが混ぜ合わさった、ひどく聴き取りづらい声だった。

(#´_ゝ`)「どうして……どうして俺らはこんな目にあわなくちゃならないんだ!
 俺らや母さんが何をしたっていうんだ! どうしてあいつを殺せない!!
 どうして……どうして……ああ、せめてあいつにわかってほしい。忘れないように、その魂に、俺ら家族の恨みを刻みつけたい」


528( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )16/16 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:38:05 ID:d3t9MV8U0
兄者は仏壇の前に崩れ落ちた。
大人げない嘆きが仏間に響き渡っている。
その声が嗄れ、喉が腐り落ちようとも、彼は泣き続けるだろう。



私は腕が掴まれるのを感じた。
今までにないほどはっきりとした感触だった。



私はようやく理解した。
この光景を見ることこそが私の今いる理由なのだと。


そしてこの触れてくる者が誰なのかも、わかった。


私はもう、触れてくる手に刃向おうとはしなかった。



~~おわり~~


529 ◆MgfCBKfMmo :2013/08/11(日) 23:40:46 ID:d3t9MV8U0

  (
   )
  i  フッ
  |_|




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