まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 桜の樹の下には、のようです


467名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:35:46 ID:h.GZwhnY0

  .,、
 (i,)
  |_|




468名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:37:37 ID:h.GZwhnY0



ーーー桜の樹の下には屍体が埋まっている!

梶井基次郎「桜の樹の下には」より






469名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:38:50 ID:h.GZwhnY0



ζ(-、-*ζ「……」スゥ、スゥ




( A )「……」


470名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:39:56 ID:h.GZwhnY0




ζ(-、°*ζ「……ん」パチ



( A )「……」


471名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:41:04 ID:h.GZwhnY0


ζ(゚ー゚*ζ 「あぁ、もうこんな時間……」


ζ(゚ー゚*ζ「私ったら、日差しがあんまり気持ち良いから寝過ごしちゃった」


ζ(゚ー゚*ζ「おはようございます。小鳥さん、毛虫さん、蝶々さん」


( A )「……」


472名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:42:05 ID:h.GZwhnY0



ζ(^ー^*ζ「……そして、おはようございます。ドクオさん」



( A )「……」




473名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:43:03 ID:h.GZwhnY0


ζ(゚ー゚*ζ「すっかり春めいてきましたねぇ」

ζ(゚ー゚*ζ「暖かくて、過ごしやすい時期になってきました」

ζ(゚ー゚*ζ「あなたにとっては、どうですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「そちらは寒く、ありませんか?」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「暖かいのなら、いいんですけどね」



474名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:44:05 ID:h.GZwhnY0


ζ(゚ー゚*ζ「春眠暁を覚えずって言いますけど」

ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんは、いつ見ても眠ってばかりですね」

ζ(゚ー゚*ζ「そんなに眠り続けていたら、いつか眠ることに飽きちゃいそう」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「いつかはあなたが目を覚ます日が、来るんですかね?」




475名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:44:55 ID:h.GZwhnY0


ζ(゚ー゚*ζ「春風が、吹きましたね」

ζ(゚ー゚*ζ「あの風はどこへ行って、誰と出会うんでしょうか」

ζ(゚ー゚*ζ「そちらは、いかがですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「風を感じることは、出来ていますか?」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「寂しくは、ありませんか?」




476名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:46:07 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさん、見てください。蝶々が飛んでますよ」

ζ(゚ー゚*ζ「私、蝶々って大好きです」

ζ(゚ー゚*ζ「あんな風にひらひらって、どこまでも飛んで行けたら、素敵ですよね」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「あなたにもあの蝶々が、見えてますか?」




477名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:47:25 ID:h.GZwhnY0


ζ(゚ー゚*ζ「あの蝶々は、なんていう名前だったんでしょうか」

ζ(゚ー゚*ζ「見た覚えはあっても、名前さえ知らない物者が、私たちの周りには溢れかえってる」

ζ(゚ー゚*ζ「でも、他の何を知らなくても、あなたの名前だけは知っています」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……あなたの名前は、ドクオさん。そうでしょう?」




478名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:49:03 ID:h.GZwhnY0


ζ(゚ー゚*ζ「風も蝶々も、私なんかとは大違い」

ζ(゚ー゚*ζ「大地に根を張らずに動けるのが、羨ましく思える日が来るなんて考えもしなかった」

ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんも、そう思いませんか?」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……応えてくれないのも、分かってはいるんですけどね」




479名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:49:56 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「あなたと私は、きっと似た者同士なんですよね」

ζ(゚ー゚*ζ「お互いに独りぼっちで、ここから動くことすらままならない」

ζ(゚ー゚*ζ「私はあなたに、少なからずシンパシーを抱いてます」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「あなたもそうだったら、私は嬉しいです」




480名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:51:03 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「……どうも私は、小難しい話ばかりしてしまいがちですね」

ζ(゚ー゚*ζ「寡黙なあなたと、話すことしかできない私では、そうなってしまうのも仕方ないことではありますけど」

ζ(゚ー゚*ζ「私とあなたは、もしかしたら意外にいいコンビなのかもしれません」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……あなたが笑ったように思えるのは、私の気のせいでしょうか」




481名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:51:49 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「ここからは、木の梢が邪魔して、空があんまり見えませんね」

ζ(゚ー゚*ζ「それだけが、ここにいて少し不満なことかもしれないです」

ζ(゚ー゚*ζ「でも、その分たまに覗く空が余計に高く見えるのは、不思議な感じですね」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「あなたは空を見て、何を思いますか?」




482名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:53:18 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「ここは夜になると、本当に静かですよね」

ζ(゚ー゚*ζ「不満ばかり言ってはいけないけれど、夜の静寂はちょっと苦手です」

ζ(゚ー゚*ζ「宵闇の向こうに何かいる気がして、怖くって……」

ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんも、そんな気持ちになることはありませんか?」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……本当に、ここは静かです」




483名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:54:44 ID:h.GZwhnY0




ζ(゚ー゚*ζ「……」



( A )「……」






484名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:55:46 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「……どれだけ話しかけても、あなたが返すのは沈黙だけ」

ζ(゚ー゚*ζ「私、なんだか虚しくなっちゃいます」

ζ(゚ー゚*ζ「せっかく、孤独じゃなくなったと思ったのに」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「それでも結局は、話しかけてしまうんですけどね」




485名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:56:43 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「……悲しいです」

ζ(゚ー゚*ζ「独り言のようにあなたに話しかけるのは、とても悲しい」

ζ(゚ー゚*ζ「……ねぇ、何か言ってくださいよ、ドクオさん」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……」




486名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:57:54 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「私、語りかけていたらあなたが話してくれるような気がして、こうして喋っていたんです」

ζ(゚ー゚*ζ「でも、それが無理だっていうのも分かってます。だって、あなたは……」

ζ(゚ー゚*ζ「……私のしていることって、無意味なことだったんでしょうか」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……今だけは、あなたの沈黙に感謝します」




487名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:58:58 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「……花をね、咲かせたかったんです」

ζ(゚ー゚*ζ「それはきっと、あなた色の花びら」

ζ(゚ー゚*ζ「怖いくらい綺麗な花が、人目もはばからずに咲き誇る。そんなところを毎日夢想していました」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「それは結局、夢に終わってしまいましたけれどね」




488名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 21:59:46 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「あなたの幸せって、なんですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「私の幸せは、いずれ時が訪れるまで、あなたと共に過ごすことだった」

ζ(゚ー゚*ζ「けれど、その時がもうそこまで迫ってるみたいです」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……今まで話を聞いてくれて、ありがとうございました」




489名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 22:01:11 ID:h.GZwhnY0



『おぉい、あったぞ!!こっちだぁ!!』



ζ(゚ー゚*ζ「!!」

ζ(゚、゚*ζ「……あーあ、もう来ちゃったのか。もう少し時間がかかると思ったんだけどなぁ」

ζ(゚ー゚*ζ「私、あの人たちが来るの、本当はさっきから分かってたんです」

ζ(゚ー゚*ζ「虫さんも小鳥さんも静かで、気配を殺すようにしてたから」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……」




490名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 22:02:18 ID:h.GZwhnY0



ζ(゚ー゚*ζ「……神様との、約束だったんです」

ζ(゚ー゚*ζ「他人に死体を暴かれたら、それでおしまいだよ、って」

ζ(゚ー゚*ζ「それまでは好きにしていい、でもそうなったら、ちゃんと成仏しなさいって」

ζ(゚ー゚*ζ「可笑しいですよね。そうまでして、ここに残る意味なんてないかもしれなかったのに」

ζ(゚ー゚*ζ「……さよならは言いませんよ?もしかしたらまた、戻って来れるかもしれないし」

( A )「……」

ζ(゚ー゚*ζ「だから、約束して下さい」




491名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 22:03:35 ID:h.GZwhnY0







ーーーー『次に会う時は、きっと大輪の花をつけて……』









492名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 22:05:21 ID:h.GZwhnY0

ーーーー
ーーー
ーー

○月×日、午前10時21分。容疑者、宝満義子(ほうまん・よしこ)の供述通り、被害者、井出怜衣(いで・れい)の遺体が、日案市日津府山(にちあんし・びつふやま)山中の桜の木の根元より発見された。

(中略)

該当の桜は、その樹齢の長さと独居して佇むような出で立ちから、近隣住民により独桜樹(どくおうじゅ)あるいは独桜(どくおう)と呼ばれ

畏敬と信仰の対象となっており、そのことが遺体の発見を遅らせた一つの原因であると考えられている。

(中略)

なお、捜査には直接に関係のない蛇足的な事例ではあるが、遺体の掘り出し作業中、複数の作業員が女性の泣くような声を聞いたと発言している。

過労によるノイローゼの兆候の可能性もあるため、作業人員の増加を検討頂きたい。

ーーー担当捜査官の日報より、一部を抜粋。


493名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 22:06:40 ID:h.GZwhnY0


……翌年の春、もはや盛りを過ぎて花をつけることは叶わないとされていた桜の老木が、奇跡のように花を咲かせた。

その花の色は、人の血液を彷彿とさせるかのように毒々しい薄紅赤であり、他のどの桜と比べても類を見ない、妖しい美しさを湛えていた。

人々は、死体が埋められていた事実をその美しさと絡め、十数年ぶりに花が咲いたこととの因果関係に

畏れおののくばかりであったが、その花に込められた意味と約束を知る者は、当然のようにそこにはいない。

黙して語らぬ桜の老樹だけが、ただそこに佇んでいるのみである。




494名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 22:07:55 ID:h.GZwhnY0





ーーー桜の樹の下には屍体が埋まっている!

ーーーこれは信じていいことなんだよ。







495名も無きAAのようです :2013/08/11(日) 22:08:49 ID:h.GZwhnY0

  (
   )
  i  フッ
  |_|



( ^ω^)百物語のようです2013( ω  )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1372396645/

[ 2013/08/12 20:53 ] 百物語のようです2013 | CM(0)
[タグ] ζ(゚ー゚*ζ


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