まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 lw´‐ _‐ノvバイト先で起こった出来事のようです


244名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 02:52:55 ID:Wwo71gg20

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245名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 02:54:40 ID:Wwo71gg20

( ・∀・)「じゃあ、しーさん休憩行って」

lw´‐ _‐ノv「はい」

(; ・∀・)「いや、気を抜くのはいいんだけど、せめて売り場ではまだシャキッとしててね」

lw´‐ _‐ノv「あ、はい」

亡霊か何かのように背をまるめ肩の力を抜いていた私は、もう一度気合を入れる。
それでもすっかり緊張の糸は緩み、どこかふわふわとした気持ちでレジを離れた。

お客様に、「いらっしゃいませ」と声を掛けながら店奥の事務所へ向かう。
品定めの最中のお客様は、私の掛け声にまるで無関心だ。

必要最低限の人数でまわしている小売業が私のバイト先だ。
けれど、そういうところも含めて自分に合っている気がしている。

('A`)「どうも……」

lw´‐ _‐ノv「おつかれさまです」

('A`)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」


246名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 02:56:11 ID:Wwo71gg20

事務所に入り、パイプ椅子に座ったところで私はやっと全身の力を抜いた。
沈黙が気まずかったのか、先輩のドクオさんが突然語り始めた。

('A`)「シューさん、血みどろの卵焼きって知ってる?」

lw´‐ _‐ノv「血みどろの卵焼き?」

ドクオさんは肌が青白く痩せていて、まるで幽霊のようにひっそりしている。
私は勝手なイメージで、猫とか好きそうだなと常日頃から思っていた。

('A`)「うん、ちょっと怖い話しなんだけどね」

lw´‐ _‐ノv「……」

それまで飲んでいたコーラのふたを閉め、ドクオさんはゆっくりと話し始める。
案外ペルシャ猫とか撫でてるのが似合うんじゃないかな、と私は考え始めていた。

('A`)「休憩終わりまで時間もあるし、それじゃ話すね」

lw´‐ _‐ノv「はい」

設定温度は一緒なのに、エアコンの送る風がいつもより冷たく感じる。
私は風邪をひきかけなのかも知れない。体調に気をつけなければいけない。


247名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 02:57:29 ID:Wwo71gg20

('A`)「商店街の入り口に、どこか古臭い喫茶店があるでしょ」

lw´‐ _‐ノv「猫カフェですか」

('A`)「それは公園に向かう階段のとこの喫茶店でしょ」

lw´‐ _‐ノv「……」

('A`)「……あっ」

秘密がばれてしまったかのような驚いた表情で、ドクオさんは言葉を詰まらせた。
どうやら私のハッタリがきいたらしい。

lw´‐ _‐ノv「猫のことが好きなんですか」

(;'A`)「いや、それは今の話しとは関係ないんだけど……」

lw´‐ _‐ノv「三毛猫とトラ猫、どっちが好きですか」

(;'A`)「どうして好きな前提で話しを進めてるの?」

lw´‐ _‐ノv「教えてくれたら、私の好きな主食も教えます」

(;'A`)「パンか米か、大体その辺だよね!?」

数ある主食の中から二択に絞り込むとは、ドクオさんもなかなか勘がいい。
先にドクオさんの答えを知るべく、私は探偵になったつもりで語りかける。


248名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 02:59:00 ID:Wwo71gg20

lw´‐ _‐ノv「もう全て分かってますから」

(;'A`)「……」

lw´‐ _‐ノv「隠さなくても大丈夫です」

('A`)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

('A`)「……よく分かったね」

lw´‐ _‐ノv「はい」

('A`)「僕が、猫好きなのにペット禁止のアパートで一生を遂げた男だと」

lw´‐ _‐ノv「トラ猫のシマシマ模様が好……、えっ?」

lw;´‐ _‐ノv「し、死んでる?」

('A`)「うん」

猫が好きなことは確信していたが、まさか幽霊だったとは思いもしなかった。
勘のいい私でも、さすがにそこまでは分からない。

思えばドクオさんが働いているのを見たことがない。
それに二人同時に休憩に入れるほど、人手があるわけでもなかった。


249名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:00:27 ID:Wwo71gg20

lw´‐ _‐ノv「……幽霊ですか」

('A`)「そう」

lw´‐ _‐ノv「例えば、地縛霊のような」

('A`)「そんなもの、かな」

私は横を向き、うっすら微笑んでいる彼の顔を眺める。
肌は変わりなく青白いものの、向こうが透けて見えるわけではなかった。

バイト先の狭い事務所の中で、足のある、透けてもいない幽霊と二人きり。
サイダーやキャンディ、チョコを一緒に口に含んだような、おかしな気分だ。

('A`)「さっき僕が話そうとしたこと覚えてる?」

lw´‐ _‐ノv「……ええと、何でしたっけ」

('A`)「血みどろの卵焼きだよ」

lw´‐ _‐ノv「食欲が引いていきそうな料理……」

('A`)「せっかくだから今話すよ」

lw´‐ _‐ノv「幽霊が怖いお話しをするんですね」

おかしな状況に拍車がかかり私は笑いそうになりながら、どこか不安だった。
そんな私を待たずしてドクオさんは話し始める。


250名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:02:28 ID:Wwo71gg20

('A`)「喫茶店の一人娘は、何でも料理ができる父親にあこがれていたんだ」

('A`)「だけど彼女は病弱で」

('A`)「働くことはおろか、キッチンに立つことすら許されてなかった」

lw´‐ _‐ノv「……」

('A`)「ある日彼女は、こっそり卵焼きを作る」

lw´‐ _‐ノv「……ドクオさんはどんなトラ猫が好きですか」

('A`)「簡単なものなら大丈夫だと思ったんだろうね」

lw´‐ _‐ノv「このお話しやめませんか」

('A`)「……買出しに行っていた父親が、帰ってきて見たのは」

('A`)「彼女の吐血で真っ赤に染まった卵焼きだったんだよ」

lw;´ _ ノv「もう、やめて!」


251名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:03:43 ID:Wwo71gg20

部屋いっぱいに響いた自分の悲鳴に、私は酷く動揺した。
まるで喉から勝手に言葉が飛び出してきたように感じる。

胸の内側がしくしくと痛み、息苦しい。

('A`)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

('A`)「君は……、しぃさんという女の子に取り憑いた幽霊なんだ」

lw´‐ _‐ノv「……」

('A`)「……」

lw´‐ _‐ノv「そっか」

lw´‐ _‐ノv「私も死んでいたんですか」


252名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:07:02 ID:Wwo71gg20

通りでお客様は私に気にかけないわけだ。
過去のことはおぼろげで、生きていたときのことなどもう覚えていない。

思えば私は、ずっとドクオさんの話しをそらしてばかりだった。
きっと無意識に、この瞬間を恐れていたのだろう。

けれど、他人様に取り憑くことがいいことではないと私も分かっていた。

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´‐ _‐ノv「しぃさん、ごめんなさい」

意識を全身に集中すると、次第に自分の体が二重に見えてきた。
やがて私の体は離れ、私が取り憑いていたというしぃさんが見える。

しぃさんは椅子に座ったまま、うつむいている。
私は申し訳ない気持ちで、彼女の横にふわふわと移動した。

('A`)「……そして、しぃさん」

('A`)「君も僕の話が聞こえてるよね?」

(*゚ー゚)「……」


253名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:08:58 ID:Wwo71gg20

lw´‐ _‐ノv「……しぃさん」

('A`)「……」

(*゚ー゚)「……お父さんの誕生日だったんです」

(*゚ー゚)「卵焼きを作ったのは」

(*゚ー゚)「私は元気だよって伝えたかったから……」

('A`)「そうだったんですか」

lw´‐ _‐ノv「えっ」

なんだか事の成り行きがおかしい。
幽霊だと自覚した時からもやもやする頭が、さらに混乱する。

おかしな出来事が、周りの風変わりをせっせと召集している。
このことは私の死後哲学に加えて、忘れないようにするべきなのかもしれない。


254名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:10:19 ID:Wwo71gg20

lw;´‐ _‐ノv「あの……、病弱で色白な猫好きの」

lw;´‐ _‐ノv「ええとつまり、死んだ喫茶店の娘って……」

(;'A`)「いろいろ混ざってますよ……」

(*゚ー゚)「はい、私のことです。生前は三毛猫が好きでした」

(*'A`)「あっ、奇遇ですね」

見ると、ドクオさんの青白い頬がピンクに染まっていた。
なんだかいいムードのなか申し訳ないが、私はそれどころではなかった。

lw´‐ _‐ノv「どうして私に、その血みどろの卵焼きの話しを?」

('A`)「手っ取り早く二人に話したんだ」

相手が死んでいることを伝えるのに、そんな横着をしていいのだろうか。
話しから察すると、私は霊に取り憑いた霊だったらしい。

知らずに霊となっていた私が言うことではないが、これでは死者のオンパレードだ。
そんなことを考えていると、ふとある疑問が浮かんだ。


255名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:12:04 ID:Wwo71gg20

lw´‐ _‐ノv「そういえば、店長のモララーさんはしぃさんが見えていて」

lw´‐ _‐ノv「休憩に入るように言って……」

('A`)「うん」

lw´‐ _‐ノv「……あれ?」

そもそも私は、このお店は、一体何を売っていたのだろう。
過去の出来事の細かい部分が思い出せないように、何もかもあやふやだ。

必死にレジの前に立つ自分を思い浮かべる。
けれどバーコードがついている商品は、何かもやもやした物体だ。

lw´‐ _‐ノv「まさか」

(*゚ー゚)「どうしたんですか?」

lw´‐ _‐ノv「モララーさんは……」

('A`)「その通りだよ」

('A`)「彼もお客さんも、みんな幽霊さ。この場所はすでに取り壊された空き地なんだよ」


256名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:14:17 ID:Wwo71gg20

lw´‐ _‐ノv「……」

('A`)「そろそろ彼にも伝えようと思うんだ」

(*゚ー゚)「私も一緒に伝えます、ずいぶんお世話になりましたし」

lw´‐ _‐ノv「……」

モララーさんは時々厳しくも、良い店長だった気がする。
まさか彼まで死んでいたなんて、少しショックだった。

(*゚ー゚)「時々厳しくも良い店長でした……、そんな気がします」

さすがは私が取り憑いた人だ、まるで同じ感想を抱いていたらしい。

lw´‐ _‐ノv「……」

('A`)「……」

(*゚ー゚)「……」


257名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:17:24 ID:Wwo71gg20

lw´‐ _‐ノv「……ところで、どうして私は死んだのですか」

('A`)「残念だけど、僕は知らないよ」

私は一体どんな人だったのだろう。
どんな死に方をしたのだろう。

本当に何も思い出せやしない。
悲しいと感じる思い出もないほど、私の全身は空洞だった。

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´‐ _‐ノv「しぃちゃん、今まで取り憑いていてごめんね」

何となく言い辛かった敬語をやめた。
どうやら私には、この方が自然らしく感じる。

(*゚ー゚)「いえ、シューさんがいなければ、弱い私はきっと成仏していました」

(*゚ー゚)「自分が消えてなくなる前に、ちょっと働いてみたかったんです」

どうしてしぃさんに取り憑いたのかすら覚えていない。
けれど案外私は、このしたたかな女の子に、逆に取り憑かされていたのかもしれないなと思った。


258名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:18:25 ID:Wwo71gg20

('A`)「さてと」

('A`)「シューさんも一緒に行きます?」

lw´‐ _‐ノv「ううん」

lw´‐ _‐ノv「……これから私は」

lw´‐ _‐ノv「旅に出て、自分が何者だったのか探すことにする」

('A`)「そうですか。人に取り憑いてはダメですよ」

(*゚ー゚)「お気をつけて」

二人に手を振って挨拶をし、事務所のドアに手をかける。
ふと、あることを思いついた。

私はドアから手を離して、反対側へと振り返った。
前にあるのは、ダンボールやら机や椅子が置かれた壁だ。

そのまま私は本当の自分の足で、ふわふわと壁を抜けていった。


終わり


259名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 03:19:08 ID:Wwo71gg20

 (
   )
  i  フッ
  |_|



( ^ω^)百物語のようです2013( ω  )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1372396645/

[ 2013/08/10 21:45 ] 百物語のようです2013 | CM(0)
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