まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 (・∀ ・)タタリのようです

1VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:02:20.27 ID:k0rddR/K0
    
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  |_|




4VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:05:27.62 ID:k0rddR/K0
  
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす」

オレは今日も元気!
おかーさんにちゃんといってきますをして、外へ出る。
外はセミのやろうがミンミンうるさいけど、負けてられないんだぞ。

夏は子どもが元気になる季節なんだって、おかーさんも言ってた。
だから、ゲームなんてしてないで外へ行きなさいって。
べ、べつに家がビンボーだからってわけじゃないんだぞ!

(・∀ ・)「またんき様、しゅつどー!」

オレの家はマンションの三階にあるんだ。
ダーッと走って、階段を一段飛ばしでおりて行く、
まるで風になったみたいで楽しいんだ!

今日は何をしようかな。
ここの「しきち」ってヤツから出ちゃいけないって言われてるんだよなぁ。
「しきち」ってよくわかんないけど、マンションと、前の道と、公園の辺りまでっておかーさんが言ってた。

オレは良い子だからな。
ちゃーんと言われたことは守るんだぞ。

一段飛ばしでおりていくと、あっという間に一階につく。
ここにはたくさんポストがあるんだ。
よし。おかーさんの代わりにちょっと見ておいてやろう。
流石オレ。良い子だな!


5VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:08:29.85 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「んー。何も入ってないんだぞー」

手紙を入れるところから見てみたけど、何も入ってない。
ちぇ。先に見てやろうと思ったのに。

最近、漢字も少しは読めるようになってきたんだぞ。
だから、おかーさんの代わりに手紙を読むことだってできるんだからな。

でも、肝心のブツがないと意味がないんだぞ。
せっかくの考えが台無しだ。
何かのインボウに決まってる。
誰かがオレのしようとしている良いことの邪魔をしてるんだ。

まったく。できる男っていうのは辛いな。
あー辛い。そこいらのお子様にはわからない辛さだな。

(・∀ ・)「うーん。
     でも、このまま引き下がるのも、男がすたるっていうしな」

ちょっと考える。
ほんのちょっとだったけど、天才的なオレはすぐに良いことを思いつく。

(・∀ ・)「そうだ!」

うちに手紙が入ってないなら、他の家を見ればいいんじゃね?
オレ天才!


6VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:11:27.69 ID:k0rddR/K0
  
近くにあったポストを見てみる。

(*・∀ ・)「あったぞ!」

白いのが見えた。
ポストを開けて、手紙を取る。

(・∀ ・)「んー?
     ご、あたり、えらぶ……?」

よくわかんないんだぞ。
きっと、これはアレだ。
ストーカーとかがやる悪い手紙ってヤツだ。

(・∀ ・)「こんなのは捨てておいてやらないとな」

ビリビリと手にしていた手紙を破る。
あ、これって紙ふぶきにできるんじゃね?
外でポケモンごっことかできるんじゃね?

(*・∀ ・)「よし! 他の家もチェックしてやるぞ!」

それで、またいらない手紙があったら、紙ふぶきにしてやるんだ。
今日のオレはこおりタイプだぞ!
ドラゴンにも強い、最強のタイプだ!
夏の暑さなんて凍らせてやるんだ。


7VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:14:29.30 ID:k0rddR/K0
さすがのオレでも、全部のポストを調べてやるのは大変だから、一列だけ見てやった。
何かよくわかんない手紙がたくさんあった。
たぶん、よくないヤツだから破っておいた。

あと、ちょっと固い手紙とかあったから、そっちは放っておいた。
どれがどの家のヤツだったかわかんないから、テキトーに入れてやった。
天才のオレに間違いはないはずだから、大丈夫だろう。うん。

(*・∀ ・)「良い仕事したなー。
      きっとみんな喜ぶだろうな!」

でも、こういうことは言わない方がカッコイイんだ。
よく見るヒーロー達も、自分達が良いことをしてもだまってるもんな。
オレは何でも知ってるんだ。

(*・∀ ・)「ではでは、ヒーローは人知れずに去る!」

静かにそこを離れて、外に出る。
ポストのとこにいたときより、セミの声がうるさい。
ミンミンミンミンミンミン……。あいつら、疲れたりしないのかな。

(・∀ ・)「あっちーなぁ」

太陽もちょっとは休めばいいんだ。
オレだってさっき働いたから今度は遊ぶのに、太陽のヤツは仕事熱心ってヤツなんだろうな。
偉いな。オレの次に!

(・∀ ・)「良いヤツにはごほうびが必要なんだぞー」

そこで取り出しまするは、紙ふぶき。


8VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:17:40.89 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「くらえっ!
     ふぶきだー」

ふぅーっと手の中にあった紙に息をかける。
ばらばらになって空でひらひらする真っ白な紙ふぶきがきれいだ。
これできっと太陽もちょっとはすずしくなったに決まってる!

何てたって、ふぶきは強いからな! 当たったら、ひとたまりもないぜ!
空高く、太陽のヤローにも届いたはずだ。
どっかの馬鹿が羽根つければ近づけるくらい、太陽ってのは近いらしいし。

キラーン
 +(・∀ ・)「また一つ、良いことをしてしまったぜ」

良い子代表のオレにかかれば、このくらいチョロいもんだぜ。
太陽の一人や二人、いくらでもすずしくさせてやるよ!

さて、一つ多めに仕事をしてしまったな。
まったく。オレってヤツは良い子すぎるぜ。
これは、サンタさんも今年はふんぱつしてくれるに違いないな!

(・∀ ・)「さて、今日はどこに行こうかなー」

とか言いつつ、実はもう決まってたりするんだな。これが!
オレのお気に入りスポット!
秘密じゃないけど、秘密基地!

だーれも入れてやんないんだからな!


10VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:20:33.65 ID:k0rddR/K0
  
オレは真っ直ぐ目的の場所まで走る。
走るのは嫌いじゃない。風が気持ち良い。
止まったとき、すげー暑いのがヤだけどな。

(・∀ ・)「ハァ、ハァ。
     い、いっちばーん」

かけっこ一番はオレだ!
二番も、三番も、ぜーんぶオレ!

オレは秘密基地にとうたつした。
マンションのとなりにある、小さな神社。
入れるくらいでかかったら言うことなしなんだけどなぁ。

残念だけど、オレが入れる大きさじゃない。
石の台を合わせたって、オレの身長と同じくらいの大きさしかないんだ。
小屋みたいな部分はオレの顔よりちょっと大きいだけ。
どーやったって入れない。

でも、オレはここが好きなんだ。
夏場は影になってすっげーすずしいし。
んで何より。

(*・∀ ・)「しめしめ。今日もあるな!」

ここには、毎日おそなえ物がされてるんだ。
今日はビワだ。種がでっかいけど、好きだー。


12VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:24:14.72 ID:k0rddR/K0
  
さっそくビワを手にとって食べる。

(*・∀ ・)「うまいうまい」

お腹もふくれて、のどもうるおって、一石二鳥ってヤツだな。
ここには毎日何かが置かれてる。
お菓子だったり、果物だったり。

そんで、オレは毎日それを食べる。
だってさ、この神社に置いてたって、虫が食べちゃうだけだろ?
なら、オレが食べたっていいはずだ。
これも一つのえころじぃってのだな。

(*・∀ ・)「ここは、オレだけの場所だ」

マンションのすぐとなりにあるから、すぐに見えるんだけどな。
たまに前を通っていくおばさんとか見かけるし、
オレと同じ年くらいのヤツが走って行くのを見たことだってある。

でも、ここにはこない。
何でも、タタリってのがあるらしい。
この間、うわさしてるのを聞いちゃったんだ。

(・∀ ・)「タタリってなんだろうな」

おかーさんに聞いてみたけど、後でね、って言われた。
オレは知ってるんだ。後でね、って、ずっとずっとこないんだ。
だから、オレは「タタリ」ってわかんない。


13VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:27:37.69 ID:k0rddR/K0
(・∀ ・)「食えるのかな?
     でも、怖いものみたいだったなぁ。
     怒られたりするのかな」

それはちょっと嫌だな。
今まで、ここにいて怒られたことなんてないけど。

(・∀ ・)「うーん。このオレにもわからないことがあるとは……」

またおかーさんに聞いてみようかな。
どうせ、後でね、って言われるだけだろうけど。
「タタリ」ってヤツについて話してたヤツに聞いてもいいけど、オレあいつら嫌いだしな。

(・∀ ・)「別にいっか」

知らなくたってこまらないし。
怒られたらその時考えよう。
うわっ! オレって天才!

わかんないこと考えてもしかたないもんな。
よしよし。
あ、でも……。

(・∀ ・)「タタリってのが、良いヤツだったら、友だちになってやってもいいな」

ここにいるヤツは嫌なヤツばっかりだ。
オレを無視する。みんな嫌いだ。
でも、タタリってのがそうじゃないなら、友だちになってやってもいい。

「友だち……?」


14VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:30:37.10 ID:k0rddR/K0
  
(;・∀ ・)「だ、誰だ!」

神社の後ろの方から声がした。
誰だ。オレの秘密基地に侵入者か?
はいじょだ。はいじょしなければならない!

オレは振り返り、敵が出てくるのをじっと待った。
先に動いたほうが負けるって決まってるんだ。

 |д川 チラッ

(;・∀ ・)「誰だー!?」

ちょっと出てきたけど、やっぱり知らないヤツだ!
誰だコイツ!

川д川「あの、私、最近、ここに引っ越してきたの……」

(・∀ ・)「最近?」

ってことは、オレの敵じゃないってことか?
前からいるヤツはみんな嫌なヤツだけど、コイツは違うのか?
うーん。まぁ、悪いヤツじゃないっぽいけど。

神社の陰から出てきたのは、髪の長い女だった。
おかーさんよりもずっと髪が長い。
顔もほとんど隠れてる。どんな顔してるんだ?

川д川「それで、えっと、さっき、タタリと友だちに、って言ってたよね?」


17VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:33:53.25 ID:k0rddR/K0
  
コイツ、いつからいたんだ?
人の話を勝手に聞くのは悪いことなんだぞ。
心の広いオレは許してやるけどな!

(・∀ ・)「言ったぞ。
     あっ! もしかして……」

オレはひらめいてしまった。
ここにいて、オレが今まで知らなくて、でも他のヤツは知ってて……。

(・∀ ・)「お前が「タタリ」か!」

川д川「えっ!」

指を向けると、女はビックリしたみたいだった。
口に手を当てて、何かわからないけどキョロキョロしてる。
何だ。バレたらダメだったのか?

(・∀ ・)「違うのか?」

いちおう聞いてみる。
そしたら、女はちょっと動きを止めた。

川д川「…………」

(・∀ ・)「…………」

同じように動きを止めて待ってやる。
女の子は優しくあつかうんだって、おかーさんが言ってた。


19VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:36:08.74 ID:k0rddR/K0
  
川д川「うん。そう、なの。
     私が「タタリ」……」

(*・∀ ・)「やっぱりな!」

何だよ!
じらしやがって!

やっぱり間違ってなかった。
目の前にいる女の子が「タタリ」なんだ。
思ってたよりもずっと怖そうじゃない。

弱そうだし、女の子だし、ビクビクしてるし。
あいつらはこんなヤツが怖かったのか?
バッカみてぇ。

川д川「あなたは?」

タタリが首を少しかたむけると、黒い髪がさらさらって動く。
長くて邪魔そうだなぁ。

(・∀ ・)「オレは斉藤またんき!
     お前、友だちいなさそうだな!」

川д川「えっ……」


21VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:39:56.42 ID:k0rddR/K0
(・∀ ・)「だから、オレが友だちになってやるよ!」

どうだ。このオレの良い男っぷり!
ほれぼれするだろぉ~?

川д川「……うん」

タタリはちょっとだけうなずいた。
髪はゆれても顔は見えない。
これがチラリズムってヤツなのか。

川д川「私たち、友だちね」

タタリはちょっと笑ってた気がする。
よく見えなかったけど。

(・∀ ・)「じゃあ、また明日もここに来いよ!」

川д川「うん。わかった。
     またんき君は、いつもここにいるの?」

(・∀ ・)「毎日来るぞ。
     おかーさんが、マンションの「しきち」ってのから出たらダメって言ってるからな。
     オレは約束を守る良い子なんだ」

川д川「そうなんだぁ」

オレが胸を張ると、タタリは何度も頷いていた。
何か、納得? してるみたいだ。意味わかんね。
変なヤツだな。


22VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:42:56.51 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「タタリはどこからきたんだ?」

川д川「遠いところ……。
     お父さんとお母さんの仕事で」

(・∀ ・)「ふーん。オレなんてずっとここにいるから、うらやましいぞー」

川д川「そうでも、ないよ。
     中々、友だちもできないし」

それは引っ越しのせいじゃない気もするぞー。
タタリがきてるのは真っ白のワンピースで、今時じゃないからな。
今は子どもだってファッションにはうるさいんだぞ。
何にもかかれてないような服じゃダメに決まってるんだ。

(・∀ ・)「友だちは作るもんなんだぞ」

できるもんじゃないんだ。
だから、オレには友だちがいないんだ。
作ってないんだからな。あんな嫌な友だちなんて、お断りだ!

川д川「……そう、ね」

(・∀ ・)「ま、オレの友だち一号ににんめーされたことを誇りに思うんだな!」

川д川「うん……」


23VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:45:27.04 ID:k0rddR/K0
  
【16:50】

オレとタタリはたくさん話した。
秘密基地はすずしいからいくらでも話せた。
楽しかった。

(・∀ ・)「オレ、そろそろ帰る」

川д川「え……?」

(・∀ ・)「もうすぐ五時になるんだ」

太陽を見ればわかる。
きっと、もうすぐ五時だ。
おかーさんとの約束で、五時には帰らないといけないんだ。

川д川「帰るの?」

タタリが聞いてくる。
おかーさんと約束してないのか?

(・∀ ・)「タタリはいいのか?」

川д川「ううん。帰るけど……」

もっと遅くてもいいのか?
なら、オレもおかーさんに頼んでみようかな。

川д川「またんき君の家って、どこ?」


25VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:49:19.70 ID:k0rddR/K0
(・∀ ・)「うん?」

川д川「……ちょっと、気になって」

遊びにきたいってことか?
おかーさんが良いって言えばいいけど。

(・∀ ・)「302なんだぞ」

川д川「そう、なんだ」

(・∀ ・)「いつか遊びにくるかー?」

川д川「……うん。
     いつか、そのうち、ね」

オレの部屋はいつもきれいにしてるからな。
いつきたって大丈夫だ。
おかーさんが、友だちつれてきて良いよって言えばだけど。

(・∀ ・)「んじゃ、おかーさんに聞いておいてやるよ」

川д川「わかった」

タタリが小さく頷いたのを見てオレは走りだす。
早く帰らないと。

(・∀ ・)ノシ「またなー」

川д川「……また、ね」


27VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:51:52.27 ID:k0rddR/K0
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす!」

今日もオレは元気いっぱい!
おかーさんにいってきますをして、ろうかを走ってやるぜ!

外は晴れてて、空が青い。
雲は白くてきれいだ。
セミはあいかわらず、うるさい。

(・∀ ・)「またんき様、しゅつどー!」

階段を一段飛ばし。
これもいつも通り!
でも、今日はいつもとちょっと違う。

(・∀ ・)「タタリ、もうきてたりすんのかな?」

そう、今日はタタリと会わなきゃならないんだ。
女の子を待たしたらダメらしいからな。
オレもちょっと急がなくちゃならないんだ。

ミンミンって声を聞きながら階段をおりていく。
何だかワクワクするのは、友だちがいるからか?
それなら、もっと早くに友だちを作っておくべきだったのかもしれないな。

だって、こんなに楽しいんだ。
今日は何をしよう。何話そう。


29VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:55:41.96 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「一階にとーちゃくぅ!」

最後に階段をけって、一階にちゃくち成功!
今日も百点満点。カッコイイ!

ん?
今日はポストの前に誰かいる。

(゚、゚トソン「えぇ、そうなんですよ」

J( 'ー`)し「怖いですねぇ」

あー。どっかで見た気がする。
たぶん、マンションにすんでるおばさんだ。

J( 'ー`)し「郵便が破られていたなんて……」

(;・∀ ・)そ

ま、まさかオレの話じゃないよな?
オレは良いことしたんだからな!

(゚、゚トソン「困りますわよね。
     鍵をつけていなかったのも悪かったんですけど……」

J( 'ー`)し「鍵をつけてもねぇ」

おばさん達はため息をつきながら話してる。
きっとオレには関係のない話だ。そうに決まってる。


30VIPがお送りします :2013/08/09(金) 18:58:46.08 ID:k0rddR/K0
  
オレがしたのは良いことなんだから、ため息つかれる理由なんてないし。
おばさんも自分が悪かったって言ってるし。
そうだ。おばさんが悪いんだ。

自己管理ってのができてなかったってことだ。
まったく。最近の大人は。
オレみたいな子どもを見習ってほしいぜ。

(;・∀ ・) ソーッ

でも、こっそり横を通り抜けよう。
ぬれぎぬってヤツを被せられたらこまるからな。
けっして、これは悪いことをしたからコソコソしてるんじゃない。違うからな!

(゚、゚トソン「本当、早く引っ越ししたいわ……」

J( 'ー`)し「そうね。私も子どもがもう少し大きくなったら……」

引っ越しかー。
色んなところに行ってみたいとは思うけど、おかーさんはそういうの嫌いだからなぁ。
オレもここ好きだし。
今までは嫌なヤツばっかりだったけど、今はタタリもいるもんな。

そうだ。今日はタタリに前にいた場所について聞いてみよう。
けっきょく、昨日は聞けなかったからな。
どんなところだったんだろう。面白いところだったらいいな。


31VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:02:01.76 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「タタリー」

川д川「あ、またんき君。
     おはよう」

やっぱりタタリは先にきてた。
昨日もオレより早くきてたみたいだったもんな。

(・∀ ・)「いつきたんだ?」

川д川「ついさっきだよ」

(・∀ ・)「ふーん」

川;д川「またんき君から聞いたのに……」

他にどんな反応しろっていうんだよー。
大体、待ち合わせってのは、男のほうが先につくようになってるんじゃないのか?
タタリはじょーしきがないなぁ。

(・∀ ・)「そんなことよりさ、今日はタタリの話聞かせろよ」

川д川「私の?」

(・∀ ・)「うん。昨日も聞いたけどさ、前にいた場所のこととか」

川д川「つまらないよ。そんなの」

(・∀ ・)「それはオレが決めることだろー」


34VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:05:25.08 ID:k0rddR/K0
  
川д川「それよりさ、私はまだここにきて間もないから、案内とかしてほしいな」

(・∀ ・)「案内?」

オレは「しきち」から出られないんだぞ。
案内っていっても、この秘密基地以外だと公園くらいしか面白い場所なんてない。
それこそつまんないぞ。

(・∀ ・)「ヤダ」

川д川「どうして?」

(・∀ ・)「だって、そんなのつまんない。
     ここ以外は公園くらいしかないし」

川д川「私、公園とかも見てみたい。
     またんき君が行ける場所、色々見てみたいの。お願い」

手をあわせられた。
うむむ。これはこまったぞ。
お願いされるのは気分がいい。
相手は女の子だし、優しくしてやらないといけないし。

(・∀ ・)「……しかたないな」

川д川「ありがとう」

今日くらいはつきあってやるとするか。
オレは優しい男だからな!


35VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:08:33.13 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「公園ってのはアレのことだぞ」

マンションの「しきち」の真ん中あたり。
小さな公園がある。
ブランコと鉄棒とすべり台。あとは砂場しかない。

本当にちっちゃい公園だよな。
もっとシーソーとか、ジャングルジムとか、ジェットコースターとかつけるべきだろ!

(・∀ ・)「あ、誰かいるな」

ちっちゃい公園にちっちゃいヤツがいる。
幼稚園児だな。お子様だ。

*(‘‘)*「おだんご、おだんご」

砂場でいっしょうけんめい何かにぎってる。
あぁ、砂団子だ。
オレはもう立派な男だからしないけど、前はオレも作ってたぞ。
きれいで真っ黒な団子をたくさん作ったんだ。

川д川「……どうしよっか」

タタリが小さく聞いてきた。
あぁ、お子様と遊ぶのは嫌ってことか。
そうだなぁ。よく見たら親もいるしなぁ。
ここのヤツらって嫌なやつが多いからな……。


36VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:12:17.33 ID:k0rddR/K0
   
*(‘‘)*「あっ! おにーちゃん! おねーちゃん!」

声が聞こえて見てみれば、お子様がこっちに手を振ってる。
泥だらけのきったない手。
あーあ。せっかくの泥団子がくずれてってるぞー。

('、`*川「……」

あ、親もこっち見た。
って、すぐそっぽ向いた!
失礼だぞ!

('、`;川「ヘリカル。こっちにきなさい」

*(‘‘)*「えー? 何でー?」

('、`;川「いいから!」

親が立ち上がって、お子様の手をつかむ。
泥団子が落ちてくずれた。

*(‘‘)*「あー。おだんごが!」

('、`;川「いいから!」

今にも泣きそうなお子様をつれて、親はどこかに行った。
水が入ったバケツも、並べられた泥団子もそのままだ。


37VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:16:56.57 ID:k0rddR/K0
(・∀ ・)「ひでぇことするよなー」

あの子、まだ遊びたそうだったのに。
無理矢理つれて帰るなんてひどいぞ。
しかも、オレたちを見て帰るってどういうことだよ。

べっつにいいけどな! この辺りのヤツらはいっつもそうだし。
オレん家がぼしかていってのだからなんだってのも知ってるし。

何だよ。オレにだっておとーさんはいるんだぞ。
会ったことだってあるんだ。
ただ、一緒に住んでないだけだ。

川д川「またんき君?」

ちょっとうつむいちった。
タタリが何か心配してるみたいだ。

(・∀ ・)「べっつにー?
     なぁ、せっかく空いたんだし、遊ぼうぜ!」

川д川「……うん。そうだね」

オレとタタリは砂場に入った。
さっきのお子様が作った泥団子は横に置いておいてやる。
また明日きたって遊べるように。

川д川「優しいね」

(・∀ ・)「まあな!」


38VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:20:00.94 ID:k0rddR/K0
  
オレ達はでっかい山を作ることにした。
山を作ったら、トンネルを通すんだ。

砂をかけて、水かけて、また砂かけて。
一人でやるとつまんないけど、今日はタタリがいるからつまんなくない。
ちょっと楽しい。

(・∀ ・)「水かけるぞー」

川д川「うん」

お子様が置いていったバケツを使う。
ピンク色なのはちょっと嫌だけど、オレのじゃないからしょーがない。

水をちょっとずつ流して、そこにタタリが砂をかけていく。
こうして固い山を作るんだ。
トンネルを作るときにくずれないように。

川д川「……ふしぎだね」

(・∀ ・)「何がだ?」

山を叩いて固めてると、タタリが小さく言った。
ふしぎって何がだ?
水をかけると砂が固くなることか?

川д川「こうして、またんき君と遊べるって」

(・∀ ・)「え?」


39VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:25:30.56 ID:k0rddR/K0
  
意味わかんないぞ。
友だちになったら、一緒に遊ぶもんだ。
何もふしぎじゃないぞ。

(・∀ ・)「別に、ふしぎでも何でもないぞ?
     他のヤツらだってこうやって遊んでるの見たことあるし」

川д川「あ……。
     そっか。うん。そうだね」

(・∀ ・)「変なヤツー」

コイツ、本当に友だちいなかったんだな……。
可哀想だから、オレがたっくさん遊んでやらないとな!

(・∀ ・)「ほら、次はタタリが水くんでくる番だぞ」

川д川「わかった」

タタリがピンクのバケツを持って歩いていく。
やっぱりあの色はオレには似合わないよな。
よし。次からはずっとタタリに行ってもらおう。その方がバケツだって喜ぶ。

(・∀ ・)「……あ」

思わず声が出ちゃった。
ちょっとタタリから目を離すと、あいつらがいたんだ。
あんまり好きじゃないけど、同じ年くらいのヤツら。


41VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:29:10.69 ID:k0rddR/K0
  
オレはあまり好きじゃない。
あいつらは意地悪だ。
でも、タタリはどうだろう。

あいつ、あんまり友だちいなかったみたいだし。
ここはオレが折れてやることで、あいつにたくさん友だちを作ってやるってのもいいんじゃないか?
それって超ヒーローっぽい!
よし。やるぞ。

(・∀ ・)ノシ「お、おーい」

手を振り、声をかけてみる。
お互い名前も知らないけど、顔くらいは知ってはずだ。

( ´・ω) チラッ

あ、こっち見た!

(,,゚Д゚)「どうしたんだ?」

(;´・ω・`)「……ううん。何でもない」

(,,゚Д゚)「あー。そっか。早く行こうぜ」

(;´・ω・`)「うん。ニダーも待ってるしね」

はぁ?!
何だよ! 何だよあいつら!
せっかく声かけてやったのに!!


43VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:33:15.93 ID:k0rddR/K0
  
川д川「……またんき君」

(;・∀ ・)そ「うわっ!」

ビックリした。
いつの間にかタタリがすぐ後ろにいた。
あちゃー。これは、恥ずかしいところ見られたんじゃないか?

(;・∀ ・)「と、突然、声かけてくんなよ!
      ビックリするだろ!」

川д川「……ごめんなさい。
     何、してたの?」

おっ。これは見られてなかった感じか?
よかったー。

(・∀ ・)「んー。いや?
     何もしてないぞ」

川д川「本当に?」

(・∀ ・)「してないよ。あっち見てただけ!」

川д川「そう」

一体何だってんだよ。
タタリこそ、本当は全部見てたんじゃないだろうな……。


44VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:37:33.34 ID:k0rddR/K0
【16:50】

でっかい山とトンネルは作った。
思ったよりも時間がかかったけど、満足だー。

(・∀ ・)「この山をまたんき山と名づけよう!」

川д川「またんき君だけずるい」

(・∀ ・)「えー。じゃあ、またたり山?」

川д川「うーん。イマイチじゃない?」

(・∀ ・)「じゃあタタリが考えろよー」

川д川「え……。えっと……」

(・∀ ・)「思いつかないんなら、またたり山な!
     はいケッテーイ!」

何だかんだ言って、タタリも嬉しそうだ。
またたり山か。
オレとタタリの友情の証だな。言わないけど。

(・∀ ・)「そろそろ帰らないとなー」

川д川「あ、そうだね」

きっと、もうすぐ家に帰れって音が流れてくるんだ。
オレは良い子だから、その音が聞こえるころには家につくようにしてるんだ。


45VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:40:51.76 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「じゃあ、また明日な」

川д川「うん。
     また、明日」

タタリは泥だらけの手を小さく振る。
思ってたけど、タタリって動きが全体的に小さいよな。
もっとガーッと動けばいいのに。

(・∀ ・)ノシ「まったなー」

お手本のように腕を振ってやる。
でも、タタリは相変わらず小さく手を振るだけだった。
あれだと、ちょっと離れたら手が動いてるかどうかわかんなくなっちゃうじゃないか。
ちぇっ。

まあいいけどな。
……また、明日か。
楽しみだなぁ。

明日は何をしよう。
公園はもういいや。二人でブランコしてもいいけど、タタリはあまり好きそうじゃないし。
やっぱり秘密基地で何か食べながらだらだらするのがいいよな。

そんで、いっぱい話して、タタリが何をしたいかとか聞くんだ。
虫取りとか、トランプとか、鬼ごっことか。
したいことをたくさん二人でするんだ。


46VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:43:55.64 ID:k0rddR/K0
  
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす」

よっし。オレは今日も最高!
はっきりおかーさんにいってきますをして、今日もあの場所へ向かう。

あー。今日も良い天気だな。
このままずっと雨なんてふらなかったらいいな。
もしかしたら、雨の日はタタリと会えないかもしれないし。

秘密基地はすずしくて良い場所だけど、雨には弱いんだ。
カサを持ってたって、周りの草のせいでぬれちゃう。
そしたら、タタリはこないかもしれない。
嫌だ嫌だ。オレはもっとタタリと遊ぶんだ。

ミンミンなくセミだってオレを応援してる。
あいつらがないてる間は雨なんてきやしない。
そうに決まってる。

(・∀ ・)「よしっ。今度、てるてる坊主作るぞー!」

青い空がずっと見えるようにって。
タタリにも作らせておこう。
あいつだって、オレと遊ぶのが楽しみなはずだ。

二人で作れば、たくさんできるはずだ。
一生雨がふらないくらい、作るんだ!


49VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:47:02.80 ID:k0rddR/K0
  
一段飛ばしで階段をおりて、ポストの前を通る。
今日は誰もいない。

オレは真っ直ぐ秘密基地に向かう。
今日もきっとあそこは涼しいんだろうな。
太陽の暑さに負けやしない。

(・∀ ・)「おはよう!」

川д川「おはよう」

ほら、いた。
あいかわらず、真っ白なワンピースをきたタタリが秘密基地の前にいた。

(・∀ ・)「また早かったな」

川д川「……またんき君が同じ時間にきてるだけだよ」

(・∀ ・)「なるほど」

それもそうか。
オレはいつも同じ時間に出るもんな。

(・∀ ・)「でも、おかーさんとの約束だからな」

外で遊ぶのは、朝の九時から夕方の五時まで!
約束を破ったらダメだから、これ以上早くはこれないんだぞー。


51VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:50:40.92 ID:k0rddR/K0
  
川д川「そうなんだ。良かった」

(・∀ ・)「何がだ?」

川д川「ずっと私が一番乗りできるってこと」

(・∀ ・)「あー!
     それはずるいんだぞ! たまにはゆっくりきたらいいんだぞ!」

まさかタタリがそんな手に出るとは!
しかし、オレにはおかーさんとの約束が……!

川д川「いいじゃない。
     一緒に遊ぶことに変わりはないんだもの」

頭を抱えていると、タタリが笑って言った。
ちょっと笑いながらってところがムカツクけど、しかたない。許してやるか。

(・∀ ・)「そうだな!」

一緒に遊べるんだ。
それに、オレより先にタタリがいるってわかってた方がいいしな。
もしも秘密基地にタタリがいなかったら、何かあったんだってすぐにわかる。

(・∀ ・)「じゃあ、約束しろよな。
     ずっとオレより先にくるって」

川д川「……うん。
     そうだね。約束、しないとね」


54VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:53:43.06 ID:k0rddR/K0
タタリはうなずいて、ふわっと笑った。

川ー川「約束、するよ」

あ、オレ、タタリの笑った顔をちゃんと見たの始めてだ。
悪くないな。うん。

(・∀ ・)「よし。
     じゃあ、今日は何する?」

そう言いながらオレは神社を見る。
今日は何があるんだろう。

川д川「何してるの?」

(・∀ ・)「いつもここに食べる物置いてあるんだ」

川д川「あぁ、そういえば、前はビワを食べてたね」

(・∀ ・)「見てた?」

川д川「うん」

やっぱり始めっからいたんだな。
男の独り言を立ち聞きなんてしゅみ悪いぜー。

(・∀ ・)「お、今日はおはぎだ」

丁度二つだ。
オレは一つタタリに渡す。


55VIPがお送りします :2013/08/09(金) 19:56:58.91 ID:k0rddR/K0
   
(・∀ ・)「はい。あげる」

川д川「いいの?」

(・∀ ・)「大丈夫だって。腐ってないぞ」

川д川「……そういう意味じゃないんだけどなぁ」

他に何の意味があるんだ?
怒られたことも、腹を壊したこともないぞ。
タタリの考えがわからない。

(・∀ ・)「これもえころじぃなんだ。
     食べないとダメなんだぞ!」

川д川「エコロジー?
     ……うん。わかった」

さすがえころじぃ。タタリも納得したらしい。
二人そろっておはぎを口に入れる。
アンコ甘くておいしいな。

(・∀ ・)「タタリはこしあん派? つぶあん派?」

川д川「私はつぶかな……」

(・∀ ・)「同じだー」

やっぱりあんこはつぶだよな!


57VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:04:46.95 ID:k0rddR/K0
タタリといるのは面白い。
話もあう。
一緒にいて楽しい。
ずっと、ずーっと一緒にいたい。

(・∀ ・)「タタリ、また引っ越ししたりしないよな?」

川д川「え?」

突然だったから、タタリもちょっとビックリしたみたいだ。
でも、聞きたかったんだよ。

(・∀ ・)「だって、急に引っ越ししたりしたら、寂しいじゃないか」

ほんのちょっとの間しか遊んでないのに。
どうしてこんなにタタリと一緒にいたいんだろう。

川д川「……たぶん、しないよ」

(・∀ ・)「本当か?」

川д川「うん。
     もし、引っ越しするなら、ちゃんと言いにくるよ」

(・∀ ・)「約束だぞ!」

川д川「うん。約束」

新しい約束だ。
これだけしておけば、ずっと一緒だよな。


59VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:07:32.86 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「ん?」

ちょっと声が聞こえる。
ざわざわしてる。大人じゃない。

川д川「どうしたの?」

(・∀ ・)「誰かくる」

秘密基地にくるんじゃなくて、前を通るってだけだろうけど。
別に何かされるってわけじゃないけど、視界に入るのがヤなんだよな。
だって、あいつら嫌いだし……。

(・∀ ・)「そうだ!」

オレは神社の後ろに行って、タタリにこっちへ来るように言う。
素直なタタリはオレと同じようにして神社の後ろに隠れた。
大きなヤツじゃないけど、縦に並べばオレとタタリの姿くらい隠してくれるはずだ。

川д川「何するの?」

(・∀ ・)「まあ、見てろって」

笑ってやる。
きっとタタリもオレのするのを見たら笑ってくれるはずだ。

オレは足元にあった小さな石を拾う。
とがってもないし、大きくもない。
きっと怪我もしない。


61VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:10:49.58 ID:k0rddR/K0
 
(・∀ ・)「それっ!」

川д川「あっ!」

石を投げる。
オレの天才的な投げ技の成功を見ることなく、オレはタタリのいる場所に戻る。
成功するに決まってるんだから、わざわざ見ておく必要はないんだ。

「いてっ!」

声が聞こえた。
ほらな! 成功だ!

川д川「な、何したの?」

(・∀ ・)「見てなかったのかー?」

川д川「み、見てたけど……」

あれ? 思ったよりタタリの反応はよくないな。
やっぱ、女の子ってちょっと違うのか?
オレはすっげー楽しいのに。

「どうした?」

「あっちから何か飛んできた」

「それはやばいニダ!」


62VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:13:49.35 ID:k0rddR/K0
  
声が聞こえる。
へへ。ビビッてやーんの。
笑いがおさえられないぜ!

川;д川「またんき君、よくないよ……」

(・∀ ・)「何でだよー」

いっつもあっちが悪いんだ。
たまにはやり返さないと男がすたるんだぞー。

川д川「でも、ケガでもしたら……」

(・∀ ・)「ちゃんと考えて選んだぞ」

川д川「もしもってことがあるじゃない」

タタリはケガを見るのが嫌なのか?
それならしかたないな。

(・∀ ・)「……じゃあ、やめる」

川д川「本当に?」

(・∀ ・)「うん」

タタリが見てる前では止めるなんつってー。
ま、ずっとタタリといるんだから、ずっと止めるってのと同じだよな!


63VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:16:16.06 ID:k0rddR/K0
川д川「良かったぁ」

(・∀ ・)「タタリはおくびょうだなー」

川д川「そんなんじゃないよ。
     痛いのは誰だって嫌だもん」

(・∀ ・)「そーだけどさー」

あいつが痛い思いしたって、オレは痛くないもーん。
タタリは人の痛みってのがわかるヤツなんだな。
大変だなー。じゃあ、タタリの前じゃケガできないな!

(・∀ ・)「でも、向こうが先にやってきたら話は別だぞー?」

やられたら、やりかえさなきゃいけないんだ。
最近はぶっそうだからなー。
自分の身は自分でって、おかーさんも言ってた。

川д川「……そう、だね。
     でも、やりすぎは、ダメだよ?」

(・∀ ・)「わかってるぞー」

オレだって、同い年くらいのヤツを殺したりしないぞ!
ちょっと泣かせるくらいはするかもだけどな。

(・∀ ・)「タタリもいじめられたら言えよ?」

川д川「えっ?」


64VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:19:43.69 ID:k0rddR/K0
タタリはよく、えっ? って言うな。
そんなにオレはビックリするようなことばっかり言ってるかー?

(・∀ ・)「オレがかたきをうってやるからな!」

川д川「……私、死んでないよ」

(・∀ ・)「死んだって大丈夫だぞ!」

川д川「大丈夫じゃないよ」

(・∀ ・)「わかってるぞー。
     もののたとえってヤツだ!」

オレだってタタリには死んでほしくないもんな。
死んじゃったら、こうやって遊べないし、楽しくなくなっちゃうかもしれないからな!

(・∀ ・)「友だちだからな。
     助け合いが大事なんだ」

川д川「助け合い、か。
     そうだね。うん。私も、友だちは助けるよ」

(・∀ ・)「オレたちは友だちだからな!」

川ー川「うん」

タタリが笑う。
オレも笑う。
とっても楽しい。


66VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:23:13.71 ID:k0rddR/K0
 
【16:50】

川д川「そろそろ、時間?」

(・∀ ・)「そうだぞー」

最近、帰るのがちょっとさびしい。
もっとタタリと遊びたい。
でも、おかーさんとの約束だから。

(・∀ ・)「タタリはまだ帰らないのか?」

川д川「すぐに帰るよ」

そう言うけど、いっつもタタリはオレが帰ってから帰る。
だから、オレはタタリがどんな道を通って帰るのか知らない。
何だか不公平なんだぞ……。

(・∀ ・)「たまには一緒に帰ろうぜ」

川д川「……そのうち、ね?」

(・∀ ・)「むー」

しかたない。
今日のところは引き下がってやるぜ!
だって、もうすぐ五時だからな!

(・∀ ・)「そのうちってのは、すぐにくるもんなんだからな!」


69VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:26:10.34 ID:k0rddR/K0
  
川д川「そうね。すぐ来るかもね」

(・∀ ・)「だから、今日はもう帰る!」

早く帰らないと、おかーさんに怒られる。

川д川「ばいばい」

(・∀ ・)ノシ「また明日なー」

タタリに手を振る。
あっちもちょっと手を振ってくれた。
嬉しい。やっぱりちょっとしか振ってくれないけど。

(・∀ ・)ノシ「もっとちゃんと振れよー!」

大きな声を出してみる。
すると、タタリの動きが止まった。
ビックリさせたか?

川д 川

川 д川

何かキョロキョロしてる。
どうしたんだ?

川д川ノシ


72VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:29:31.37 ID:k0rddR/K0
  
あっ!
振ってくれた!

(*・∀ ・)ノシ「明日なー!」

川д川ノシ

返事はないけど、手をちゃんと振ってくれてる!
やった!
一歩前進ってヤツだ!

オレは嬉しくて、嬉しくて、階段を一つ飛ばしでのぼる。
おかーさんに教えなくっちゃ。
ううん。ないしょにしておこう。

タタリと友だちになったってのは、まだないしょにしておくんだ。
もっと仲良くなってから教えて、それで家にきてもらうんだ。
トランプしたり、テレビ見たりするんだ。

(*・∀ ・)「楽しみだなぁ!」

三階につくと、あとは真っ直ぐ走るだけ。
早く明日がこないかな。

(*・∀ ・)「ただいまー」

明日は、きっともっと楽しくなるんだ!


74VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:32:33.33 ID:k0rddR/K0
 
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす」

今日はちょっと天気が悪い。
灰色の雲が見えてて、青い空は見えない。

太陽だって見えてないのに、何でこんなに暑いんだー?
じめじめするんだぞ。
セミはミンミンって元気なのがちょっとうらやましい。

いやいや、またんき様も元気いっぱいだけどな!
見てろよ! 今日だって一段飛ばしでおりて行ってやる!

早く秘密基地に行ってやらないと、タタリが暑い暑いって言ってるかもしれない。
いや、あそこはすずしいから、先にお菓子を食べてるかもしれない。
おお! それはダメだぞ! オレと二人で半分こだからな!

(・∀ ・)「待ってろよー!」

階段をおりて行く。
風が気持ちいい。
雨は嫌だけど、ふったらすずしいんだろうな。

タタリとカサ持って秘密基地で話すのもいいかもしれない。
よし。タタリに、雨の日でもちゃんとこいよなって言っておこう。
そうしたら、てるてる坊主作らなくてもいいし。


75VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:35:44.73 ID:k0rddR/K0
(・∀ ・)「タタリー!」

川д川「おはよう。またんき君」

やっぱりタタリは先にきてた。
秘密基地は、いつもよりすずしくなかった。

(・∀ ・)「今日はあっちーなぁ」

川д川「うん。こういう天気の日は、日焼けしやすいって、お母さんが言ってたよ」

(・∀ ・)「太陽が出てないのにか?」

川д川「うん。私もよくわかんないけど」

(・∀ ・)「へー」

オレはおかーさんにそんなの聞いたことないなぁ。
男だからか?

タタリは白いもんな。焼けたら痛いんだろうな。
でも、晴れてないのに、日焼けってふしぎだなー。

(・∀ ・)「あ、そうだ!
     タタリ、タタリは雨の日もちゃんとここに来いよな!」

川д川「雨の日?」

(・∀ ・)「そうだぞ。
     友だちってのは、雨の日も晴れの日も、雪の日も遊ぶもんなんだ!」


77VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:38:45.89 ID:k0rddR/K0
  
川д川「そっか」

タタリはうなずいた。
オレの言ったことは間違ってないもんな。

川д川「うん。来るよ。
     これない日は、ちゃんと前の日に言うよ」

(・∀ ・)「約束?」

川д川「約束するよ。
     友だちだもんね。ずっと、一緒だもんね」

(・∀ ・)「やった!」

一緒。一緒はうれしい。
おとーさんとは一緒じゃないから。

(・∀ ・)「じゃあ、今日は何する? 何話す?」

オレは置かれてたリンゴを手に取る。
真っ赤でうまそうだ。
ちゃんと切られてたらもっとよかったんだけどなー。

……タタリ、丸かじりってできるのか?
もしかして、おかーさんに切ってもらわないとダメかな。
でも、そうしたらタタリのことを話さないとダメだしなぁ。


78VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:41:16.21 ID:k0rddR/K0
川д川「ありがとう」

オレがリンゴを渡すと、タタリは白いワンピースでちょっとリンゴをふいた。
きたないところがあったのか?
そう思ってると、タタリはリンゴをちょっとかじった。

ほんのちょっとだったけど、タタリも丸かじりできるんだな。
よかった。オレも安心して食べれるぜ!

(・∀ ・)「あーん」

タタリよりもずっと大きく口を開けて、一気に食べる!
皮が邪魔だけど、甘くてうまい!
しゃきしゃきしてて、水分もたっぷりだ。

川д川「ごうかいだね」

(・∀ ・)「これが男の食べ方さっ!」

もう一口。
うん。うまーい。

けっきょく、タタリはオレがリンゴを食べ終わっても、まだ食べてた。
おしゃべりしながらだったけど、じゅうぶん食べれるだろー。
ゆっくり食べてたら水分がなくなっちゃうんだぞ。

川д川「リンゴって、お腹いっぱいになるよね」

(・∀ ・)「お腹いっぱいなのかー?
     タタリは小食だな!」


79VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:44:11.55 ID:k0rddR/K0
  
川д川「そ、そういうわけじゃないと思うけど……」

(・∀ ・)「オレはまだまだ食べれるぞ!」

元気いっぱいな男だからな!
たっくさん食べて大きくなるんだ。

川д川「じゃあ、食べる?」

そっと出されたのは、食べかけのリンゴだ。
また半分くらい残ってる。

女が食べたヤツかー。
これってどうなんだ?
モテない大人がしっとしちゃったりするんじゃないのか?

川д川「いらない?」

でも、タタリはもうお腹いっぱいなんだよな。
捨てちゃうのは持ったいないよな。

(・∀ ・)「食べる!」

へっへーん。
なら、もらっちゃお!
オレの方が大人よりもずっとすごいんだ!

全国の大人がオレにしっと中!
触れるとヤケドするぜぇ。


81VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:47:14.02 ID:k0rddR/K0
  
タタリからもらったリンゴを食べてると、誰かがこっちへ歩いてくる音が聞こえた。
このマンションのヤツらはあまり好きじゃない。
だから、またタタリを神社の後ろに隠した。

川д川「石、投げちゃダメだよ?」

(・∀ ・)「わかってるって」

ちょっと誰か見るだけ。見るだけ。
石は投げない。
でも、ちょっとビックリさせるくらいならいいかもしれないし。

音が近づいてくる。
カツン、ずず、カツン、ずず。
大きなものを引きずってるみたいな音だ。

川д川「またんき君?」

オレは神社の後ろから飛び出す。
後ろからタタリがビックリしたみたいな声を出してた。
でも、それどころじゃないんだ。
ごめんな。

だって、オレはこの音を知ってるんだ。
カツン、ずず、カツン、ずず。
音はまだ聞こえてる。
近い。もうすぐそこだ。


82VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:50:14.93 ID:k0rddR/K0
 
(・∀ ・)「シューばあ!」

lw´‐ _‐ノv「おやおや。またんきかい?」

このマンションで、タタリ以外の良いヤツ。
それがシューばあだ。
本当の名前は知らないけど、シュー婆は歯がないから、しゃべるとシュー、シューって言うんだ。
だからシューばあ。

(・∀ ・)「タタリー。このばあちゃんは大丈夫だぞー」

意地悪なヤツじゃない。
それはこのオレが保障してやるんだぞ!

川д川「え、でも……」

(・∀ ・)「こっちこいって!」

タタリは人見知りなのか?
オレがいくら呼んでも出てこない。
しかたないから、もう一度神社に戻ってやる。

人と話すのが苦手だと、将来苦労するって言うしな。
ここは、オレがタタリの人見知りを直してやるんだ。
良い男の役目ってヤツだ。

(・∀ ・)「あのばあちゃんは大丈夫なんだぞ。
     今まで、オレに意地悪してきたことないんだ」


85VIPがお送りします :2013/08/09(金) 20:53:06.95 ID:k0rddR/K0
シューばあは、オレのことを無視しない。
ただ、あんまり話も通じないけど。

何でも、シューばあはもうボケちゃってるらしい。
ボケ老人の、キチガイだって、マンションのヤツらが言ってた。
でも、あいつらはヤなヤツだから、オレはあんまり信じてない。

確かにシューばあはちゃんと話できないし、同じことばっかりだけど、でも良いヤツだ。
それは間違いないんだ。
だから、タタリだってきっとシューばあのこと、好きになるはずなんだ。
変なばあちゃんだけど、なれれば面白いしな!

川д川「お話、したことあるの?」

(・∀ ・)「うん。いっぱいしたぞ。
     あんまし通じてないけどな!」

そこがおもしろかったりするからいいんだ。
ずっと話してると面白くなくなるけど、たまーにだと、メッチャクチャ面白いんだ。

川д川「通じてないんだ……」

(・∀ ・)「この間なんてひどかったぞー。
     オレは良い天気だなーって言ったのに、シューばあは、そかい? するんだって言ってた」

そかいはよくわかんなかったけど、天気に関係ないってことはわかったぞ。
シューばあがちょっと悲しそうだったし、たぶん良いことでもないんだろうなー。

オレにはばあちゃんがいないけど、ばあちゃんがボケたらあんなんになるのか。
ちょっと楽しそうだなって思った。


87VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:00:51.56 ID:k0rddR/K0
(・∀ ・)「だから大丈夫!」

川д川「……うん」

やっとタタリが頷いた。
不安そうだったけど、きっとすぐに笑うよな?
だって、シューばあに何言っても変なことしか返ってこないんだもん。

(・∀ ・)「シューばあ、お待たせ」

lw´‐ _‐ノv「そうだね。白いお米なんて食べれないねぇ」

何でだよ!
オレがいつ飯の話したんだよ!

(・∀ ・)「な? 通じてないだろ?」

川д川「確かに、通じてないね……」

(・∀ ・)「ボケ老人ってヤツなんだぞ」

川д川「そういうことは、言っちゃダメなんだよ」

(・∀ ・)「でも、大人たちは使ってるぞ?」

大人はよくて子どもはダメ、なんて不公平だ。
使っちゃダメなら、みんな使うなよな!

川д川「それは、その大人の人が悪いんだよ」


89VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:05:24.15 ID:k0rddR/K0
 
なるほど。
あいつら、ヤなヤツばっかだもんな。
そうか。じゃあ、あいつらと同じ人間にならないようにしないとダメなんだな。

(・∀ ・)「タタリも頭いいな!」

川д川「そ、そうかなぁ?」

タタリが両手でほっぺに触る。
もしかして、照れてるのか?

(・∀ ・)「照れてる?
     照れてるのか?」

川д川「わわ。こっち見ちゃダメ!」

(・∀ ・)「わー。照れてる、照れてるー!」

髪で何も見えないけどな!
邪魔じゃないのかな? 目が見えにくそうだし。

lw´‐ _‐ノv「これこれ。あまり女の子をいじめるもんじゃないよ」

(・∀ ・)「わっ! まともなシューばあだ!」

たまにだけど、シューばあはまともになる。
いっつも突然だからビックリしちゃうんだ。


91VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:10:26.07 ID:k0rddR/K0
lw´‐ _‐ノv「お嬢さん」

川д川「わ、私ですか……?」

シューばあはオレじゃなくて、タタリを見た。
急に話しかけられて、タタリはビックリしてる。助けてやらないと。

(・∀ ・)「シューばあ、ダメだぞ。
     タタリは人見知りなんだ」

lw´‐ _‐ノv「こんなところにいたらダメだよ」

(・∀ ・)「何言ってんだよー」

さっきまでまともだと思ったのに、もうこれかよ!
タタリはマンションに住んでるんだぞ。ここにいて当たり前なんだ。

川д川「……」

でも、なら、なんでタタリはだまってるんだ?
言い返せないのか?

(・∀ ・)「タタリ?」

川д川「あ、えっと、何?」

(・∀ ・)「どうしたんだよ」

川д川「……何でもないよ。
     ちょっと、ビックリしただけ」


94VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:13:41.31 ID:k0rddR/K0
  
そっか、始めてだもんな。
急にまともになったり、おかしくなったり、ビックリしちゃうか。

(・∀ ・)「大丈夫だって。
     シューばあは変なこと言うけど、たたいたりしてこないし」

だから、なーんにも怖くないんだ。
話しかけたら、いちおう返事してくれるしな。

(・∀ ・)「な? シューばあは良いばばあだもんな!」

lw´‐ _‐ノv「はいはい。今日のおやつはふかし芋だよ」

(・∀ ・)「また飯の話かよー」

オレはもうリンゴ食べたからいらないんだぞ!
タタリだってもうお腹いっぱいだって言ってたし。

食いしん坊なシューばあはもう放っておこう。
そう思ってそっぽを向くと、離れたところにマンションのヤツらが見えた。
大人たちだ。何だか、集まって話してる。

(・∀ ・)「……何だってんだよ」

オレは知ってるんだ。
アレは、悪口を言ってるって。
シューばあのことを、キチガイだとか言って、早く死ねばいいのにって思ってるんだ。
何てヤツらだ。


95VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:16:40.22 ID:k0rddR/K0
川д川「またんき君」

ムカムカしてると、タタリが声をかけてきた。
あいかわらず顔は見えないけど、何だかこまってるみたいに見えた。

川д川「……怒ってる?」

(・∀ ・)「そんな怖い顔してたか?」

川д川「うん……」

それはダメだな。
いつも笑顔で元気いっぱい。それがオレのポリシーってヤツなんだ。

(・∀ ・)「大丈夫だよ」

川д川「本当に?」

(・∀ ・)「おう! な、シューばあもそう思うだろ?」

lw´‐ _‐ノv「もうすぐ冬ですね」

(・∀ ・)「まだまだ夏だよ!」

まともなシューばあならきっとうなずいてくれたのに。
ちぇー。まあ、めったにまともな時ってないもんな。

川д川「本当なら、いいの」

ほっとしたような声だった。


97VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:19:43.38 ID:k0rddR/K0
  
【16:50】

(・∀ ・)「もう時間だなー」

lw´‐ _‐ノv「おじいさんは素敵な人でねぇ」

川д川「太陽出てなくてもわかるんだ」

(・∀ ・)「もっちろん!」

それが良い子の条件なんだ。
いつでも、どこでも、ちゃーんとおかーさんと約束した時間に帰るんだ。

川д川「じゃあ、また明日だね」

(・∀ ・)「雨でもこいよー」

川д川「わかってるよ」

lw´‐ _‐ノv「川の水は冷たいねぇ。気をつけないと」

今日はシューばあちゃんとたっくさん話した。
まともなのは、あの一回だけだったけど。

何だかんだ言って、タタリも楽しそうだったと思う。
そういえば、あいつってオレ以外と話したことなさそうだもんな。
考えてみれば、良いことしたなって感じだ!


98VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:24:03.72 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)ノシ「またなー。シューばあも!」

オレはシューばあとタタリに向かって手を振る。
タタリは小さく手を振ってくれた。
昨日みたいに大きく振ってくれればいいのに。

近くにシューばあがいるからか?
シューばあはオレのことを見てない。
無視してるんじゃなくて、いっしょうけんめいタタリに話しかけてる。

しかたないな。
心の広いまたんき様だから許してやれるんだぞ!
シューばあには世話になってるしな!

(・∀ ・)ノシ「シューばあ元気でなー」

ずっとずっと元気でいてほしい。
これから、オレとタタリの話相手になってもらうんだからな。

オレは走って帰る。
今日は普通に階段をのぼる。
ずっと立って話すってのは疲れるもんなんだぞ。

見えた空はくもったままで、明日は雨かもしれない。
別に雨でもいいけど、晴れてる方がうれしいな。

(・∀ ・)「ただいまー」


100VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:27:46.03 ID:k0rddR/K0
  
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす」

元気印のまたんき様、今日もしゅつどー!
天気は今日もくもり。じめじめがうっとうしいんだぞ。

セミのやろうがミンミンミン。
七日で死ぬって言ってたけど、絶対ウソだ。
だって、ずっとずっとミンミン言ってるぞ。

雨じゃなかったし、今日もタタリは秘密基地にいるはずだ。
今日は何をしようかな。
話すばっかりじゃあきちゃうよな。

でも、オレはゲームなんて持ってない。
たぶん、タタリも持ってない。
けっきょく、おしゃべりしかないんだよなー。

ちゃんばらでもするか?
いやいや、タタリが、ぼうを振りまわしてるところが想像できないんだぞ……。

(・∀ ・)「うーん。
     こういうときは、そうだんが大事なんだ!」

オレだけで決めてもダメだよな。
ちゃんとタタリのいけんも取り入れないと!
できる男だからな。オレは。


101VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:31:29.97 ID:k0rddR/K0
  
階段を一段ずつおりて、いつも通りの道を通って秘密基地へ向かう。
くもってるくらいなら、晴れてるほうが夏だーって感じがして好きだ。

それにしても、セミがミンミンミン。うるさい。
でも、何か違う音も聞こえる。

「――なんて」

「やめときなって」

「んだよ――ってのんのか?」

子どもの声だ。
オレと同い年くらいの。
秘密基地から聞こえる。

(;・∀ ・)「おいおいおいおい」

あそこにはタタリがいるはずなんだ。
まさか、まさかとは思うけど、タタリをいじめてるんじゃないだろうな!

オレの、始めての友だちなんだぞ!
絶対、許さないからな!

(;・∀ ・)「何してんだー!」

走って、走って、全力しっそうして、秘密基地につながる道へ飛び出す。
タタリは女の子なんだ。いじめちゃダメなんだ。


105VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:34:09.00 ID:k0rddR/K0
  
(,,゚Д゚)「こんなのがあるから!」

(;´・ω・`)「でも、もしかしたら……」

<ヽ`∀´>「大丈夫ニダよ。めーしん、めーしん」

マンションのヤツらだ!
タタリの姿は見えないけど、オレの秘密基地をこわしてる!
何てことするんだ!

(#・∀ ・)「やめろよ!」

( ;´・ω) チラッ

怒鳴ってみても、一人こっち向いただけで、他の二人は見向きもしねぇ!
何て、何てヤツらだ!
ひどい人間だ。許せない!

(;´・ω・`)「ね、ねぇ……」

(,,゚Д゚)「んだよ。別にお前は帰ってもいいんだぞ」

<ヽ`∀´>「ニダニダ。おくびょう者はいらないニダ」

あいつらは笑ってる。
笑って、手に持ってるブキとかで神社をこわしてる。

(#・∀ ・)「クソッ!」


108VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:51:49.76 ID:k0rddR/K0
  
何で、あんなの持ってるんだよ。
あんなのでなぐられたら、死んじゃうぞ!

(#・∀ ・)「いや……。
      違うっ!」

正義は必ず勝つんだ。
あんなことを平気でできるヤツらに負けるもんか。
オレは正義のヒーローまたんき様になるんだ!

自分の秘密基地は自分で守る。
んで、タタリも安心させてやるんだ。
ギュッとこぶしをにぎる。大丈夫。体格だってそんなに変わらない。

<ヽ`∀´>「これで、みーんな幸せになるニダ」

一人が手を振りあげる。
あいつの手には鉄パイプみたいなのがあった。
神社は木でできてる。あんなので何回もたたかれたら、すぐにこわれちゃう。

いつからやられてるのかわからないけど、もうボロボロだ。
置いてあったお菓子だって、木くずまみれで食べられないに違いない。
クソッ!

(#・∀ ・)「やめろって、言ってるだろおおおお!!」

大声をあげて、一人を突き飛ばす。
ドンって音がして、そいつは転がっていった。


112VIPがお送りします :2013/08/09(金) 21:56:18.70 ID:k0rddR/K0
  
<ヽ´Д`>「ニダーっ!」

(,,゚Д゚)「大丈夫か!」

地面はじゃりだ。
ちょっと転んだだけでも痛いぞー。
ざまぁみろ!

川д川「またんき君!」

(・∀ ・)「タタリ!」

無事でよかった。
どうやら、神社の後ろのほうに隠れてたみたいだ。
よく見つからなかったな。すごいぞ!

(・∀ ・)「見たか!
     またんき様のゆうしを!」

(;´・ω・`)「あ……ああ……」

超カッコイイまたんき様と違って、超情けない声が聞こえてきた。
見れば、チラチラ見るだけの弱虫やろうだった。
手が振るえてて、見てて可哀想になるくらいだ。

(´;ω;`)「タ、タタリだー!」

そいつは、何を思ったのか、タタリの名前をさけびながら走って行った。
涙がボロボロこぼれてる顔は、声以上に情けない。


113VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:02:39.35 ID:k0rddR/K0
 
(,;゚Д゚)「ま、待てよー!」

<ヽ;Д;>「おいて行かないでくれニダー」

慌ててもう一人も走って行き、最後に転がってたヤツが立ち上がって逃げて行った。
そういえば、あいつらって何でかタタリが怖いんだっけか。
普通の女の子だと思うけど。

あ、さては、女が嫌いなんだな!
変な好き嫌いがあると大変だなぁ。

川д川「あの、ね、またんき君」

(・∀ ・)「お、タタリが無事でよかったぞー」

ちょっと髪の毛に木くずがついてるけど。
ケガもないみたいだし、白いワンピースがちょっと汚れてるくらいだ。
赤い血なんてどこにもない。

(・∀ ・)「あいつらひどいよな!
     何であんなことしたんだよ!」

思い出しただけで腹がたつ。
ここは、オレとタタリの場所なんだ。
あんなヤツらが勝手に入ってきちゃダメなんだ!

しかも、あいつら、秘密基地を壊しやがって。
すずしい場所は残ってるけど、これじゃもうお菓子が食べれない!


115VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:09:45.06 ID:k0rddR/K0
(#・∀ ・)「何なんだよ! 本当に!
      クソッ! 言いたいことがあるなら直接、言いにこいよ!
      いくらでも相手してやるってのにさ!」

無視だって嫌いだ。
嫌われてる理由がわからない。
ここのヤツらはみんなひきょう者なんだ。

口があるのに、口を使わない。
オレだって言いたいことは山ほどあるんだ。
でも、大人げないからだまっててやってるんだ。

それなのに、それなのに……。
これはせんせんふこくってヤツだ!

タタリは無事だったけど、秘密基地は無事じゃなかった。
かたきをとらないといけない。

あぁ、憎い。憎いぞ!
あいつらが憎い。
どうして、どうして、せめてそっとしておいてくれればいいのに。

こんなのってひどすぎる。
無視して、勝手に嫌って、それで、次は秘密基地までうばうんだ。


川д川「またんき君!」

 


120VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:15:53.30 ID:k0rddR/K0
  
大きな声にびっくりする。
タタリだ。
忘れてたわけじゃないけど、ちょっと忘れてた。

(;・∀ ・)「タタリ?」

そうだ。タタリだって怒ってるはずだ。
何もしてないのに、勝手に怖がられて、秘密基地もこわされて。
オレだけが怒ってちゃダメだよな。

川д川「……あの子たちが憎いの?」

(・∀ ・)「……うん」

当たり前だ。
勝手すぎるし、ひどすぎるじゃないか。

(・∀ ・)「タタリは違うのか?」

川д川「私は……別に、平気だから」

そんなことないだろう。
でも、タタリは優しいから。そう言っちゃうのかもしれない。

前も、オレがあいつらに石を投げたら止めてたもんな。
こんな優しいタタリを怖がるなんて、あいつらもソンしてるぜ。

川д川「大丈夫だから、ね?」


123VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:20:40.03 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「……そっか」

なら、しかたないよな。
タタリの前では憎いとか言わないようにしよう。

オレの友だちだもん。
大丈夫って言ってるのに、大丈夫じゃないだろ! なんて言えない。
だから、オレがタタリの分も怒ってやらないとな。こっそりと。

川д川「でも、どうしようか。これ……」

(・∀ ・)「あー。そうだなぁ」

タタリが指差したのは、壊された神社。
まだ形は残ってる。それでもボロボロだ。
もう、秘密基地って感じじゃねーよなぁ。

川д川「しばらくすれば、誰かが直してくれると思うけど……」

(・∀ ・)「待つしかねぇよなー」

じまんじゃないけど、工作は苦手だ。
上手に直せる気がしない。
タタリもこまってるところを見ると、不器用みたいだし。

けっきょく、オレたち子どもは待つしかできないんだよなー。
ちぇー。つまんないのー。


125VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:26:53.92 ID:k0rddR/K0
  
川д川「で、でも、座ることはできるよね」

オレたちがいつも座ってたのは神社の奥にあるでっかい石だ。
これはこわせないだろうし、今もちゃーんと前のままの姿で残ってる。

(・∀ ・)「そうだな。
     話すことはできるよな」

うんうん。
神社は好きだったし、お菓子とかは残念だけど、オレとタタリが話すのに神社がなくたってかまわないよな。
タタリが先に石の上に座る。

川д川「ほらっ!」

(・∀ ・)「そうだな。オレたちはいつもどーりでいいんだよな」

川д川「うん。そうだよ!」

うなずいたタタリの横にオレも座る。
ひんやりとした石は気持ち良い。

(・∀ ・)「でもさ」

タタリはさっきのことを忘れたいんだろうな、とは思ってた。
でも、一つだけ言っておきたいことがあった。

(・∀ ・)「いじめられたら、ちゃんとオレに言うんだぞ?」

そしたら、いくらでも仕返ししてやるんだからな!


127VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:30:09.50 ID:k0rddR/K0
  
川*д川「…………うん」

タタリはうれしそうだった。
オレもうれしかった。

何だか、今までよりも、ずっと仲良くなれた気がした。
だからって、秘密基地をこわしたあいつらを許す気はないけどな!

(・∀ ・)「誰かが神社を直してる間は、別のとこに行かないとだなー」

川д川「あ、そうだね」

オレたちは嫌われてるみたいだし、無視されるとムカツクからな。
どこか、すずしくて気持ちの良い場所ないかなー。

川д川「この辺りって、他にいい場所あるの?」

(・∀ ・)「うーん」

最近、こっちにきたタタリより、オレのほうがたくさん知ってるだろうけど、あんまり思いつかないなぁ。
大体はここで過ごしてたし、他の場所って日当たりいいんだよな……。

川д川「明日からどうしよっか」

(・∀ ・)「とりあえず、公園かなー」

夏場は暑いからあまり人いないし。
あー。でも暑いのヤだなー。


128VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:35:21.42 ID:k0rddR/K0
  
【16:50】

時間ってあっという間に過ぎるんだ。
オレとタタリが二人並んでおしゃべりしてたら、もう帰る時間になっちゃうんだ。

(・∀ ・)「バイバイの時間だな……」

川д川「うん。でも、また明日、でしょ?」

(・∀ ・)「そうだな!」

明日は雨かもしれないな。
そうだといいなー。
公園は暑いから、晴れるとつらいんだ。

川д川「待ち合わせはここでいい?」

(・∀ ・)「おう!」

雨じゃなかったら、タタリを公園で待たせたら可哀想だからな。
気づかいのできるオレは、ちゃーんとそこまで考えるんだ。

川д川「それじゃ、また明日」

(・∀ ・)ノシ「また明日なー」

タタリに手を振って、今日はタタリもちゃんと振り返してくれて、嬉しい気持ちで家に帰る。
あぁ、でも、今日は良いことばっかりじゃなかったよな。


130VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:39:44.61 ID:k0rddR/K0
  
今日はタタリともっと仲良くなれた。
手もちゃんと振ってもらえた。

でも、秘密基地がなくなった。
明日から使えない。
せっかく、オレとタタリの場所だったのに。

(#・∀ ・)「ムカツク!」

タタリの前では言わないようにしてたけど、やっぱりムカツクもんはムカツクんだ。
家に帰るまでにあいつらに会ったら、もう一度突き飛ばしてやるんだ!
そのくらいしたっていいはずだ。

だって、あいつらはこわしたんだ。
せっかくの秘密基地を。
そんで、タタリを怖い目にあわせたんだ。

許せない。許せない。
オレたちばっかり、こんな目にあわせて。
こんなの不公平だ。

やられたらやり返さなくちゃいけないんだ。
タタリはそんなの嫌だって言うだろうけど。
男には引けないときだってある。

今度会ったら、絶対に仕返ししてやるんだ!


131VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:43:37.62 ID:k0rddR/K0
  
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす」

今日はやっぱり雨だった。
オレは元気だけど、セミのやろうは元気がない。
時々、ミン、ミンって聞こえるだけで、後は雨の音しかしない。

(・∀ ・)「タタリ、ちゃんとカサ持ってるかな」

もうずっとふってるみたいだし、きっと持ってるよな。
タタリと会って、始めての雨だからちょっと心配だ。
でも、きっと大丈夫。
雨で何したらいいのかわかんないけど、いつも通りでいいはずだ。

オレは自分のカサを持ってろうかをちょっとゆっくり目に走る。
転んだら危ないからな。おかーさんも言ってた。

水があってすべりやすいんだ。
だから、階段も一段ずつちゃんとおりていく。

すってんころりんしちゃったら、家に帰らなきゃいけなくなるかもしれない。
そしたら、タタリはずーっと待ってることになる。

今日は暑くないけど、雨の中、女の子を待たせたらダメなんだ。
オレはちゃーんと知ってるんだ。


133VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:50:41.12 ID:k0rddR/K0
(・∀ ・)「タッタリー!」

秘密基地の前にはタタリがいた。
白いカサを持ってる。

川д川「おはよう。またんき君。
     黄色いカサ、いいね」

(・∀ ・)「だろー?」

黄色はオレの好きな色なんだ。
おかーさんに頼んで買ってもらった色だぞ。

(・∀ ・)「タタリは白が好きだな」

いっつも白いワンピースだし、カサも白だ。
冬になって、雪がふったらタタリを見失っちゃうんじゃないのかって思う。

川д川「きれいでしょ?」

(・∀ ・)「うん。でも、よごれたら目立つぞー」

川д川「いいの。気をつけてるから」

じゃあ、やっぱり昨日のアレはダメだな。
せっかくタタリが服をよごさないようにしてるってのに、あいつらのせいでよごれちゃった。

川д川「ね、早く公園に行こ」

(・∀ ・)「……そうだな!」


134VIPがお送りします :2013/08/09(金) 22:55:22.35 ID:k0rddR/K0
  
過去は振りかえらないことにしよう!
気持ちを入れ替えたオレは、タタリと公園にきた。

(・∀ ・)「でも、雨じゃ座ることもできないなー」

椅子もブランコもびしょぬれだ。
座ったら、ズボンどころかパンツまでぬれちゃうだろうな。

川д川「なら、すべり台の下のところでお話しましょ?」

タタリが指差したところは、すべり台の下。
雨がちょっとかかりにくい場所だ。

(・∀ ・)「そうだな。
     あそこが一番いいかもな!」

晴れてたら、ブランコも鉄棒もできたのに。
ちょっと残念だ。

オレたちはすべり台に向かって歩く。
タタリは水たまりを避けるようにして歩いてた。
泥水がはねると、タタリが好きな白色がよごれちゃうもんな。

でも、オレはへっちゃらだ!
わざと水たまりに入っていってやるんだ。
黄色がよごれたって、すぐにきれいになる。


136VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:00:16.74 ID:k0rddR/K0
  
(・∀ ・)「いっちばーん」

川д川「にーばん」

オレがすべり台の下につくと、タタリもすぐにおいついてきた。
あぁ、二番がいるっていいな。
今まで、ずーっと一番も二番も、ぜーんぶオレだったもんな。

(・∀ ・)「タタリは上手に歩くな」

川д川「そうかな?」

(・∀ ・)「だって、服がちっともよごれてないんだぞー」

川д川「またんき君はズボンがよごれてるね」

(・∀ ・)「何でだろうなぁ」

川д川「水たまりにねらって入ってるからでしょ」

(・∀ ・)「バレてたかー」

ちぇーって言うと、タタリはクスクス笑う。
始めて会ったときと比べると、たくさん笑うようになったと思う。
やっぱり、女の子は笑ってるのが一番だよな。

川д川「……お母さんに怒られない?」


137VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:06:27.89 ID:k0rddR/K0
  
心配してくれてるのか?
でも大丈夫だぞ!

(・∀ ・)「おかーさんはこのくらいじゃ怒らないから平気だ!」

おかーさんはオレの話しをあまり聞いてくれないけど、あまり怒ったりもしないんだ。
約束をちゃーんと守ってれば、おかーさんは優しい。
だから、オレはおかーさんが好きなんだ。

川д川「そっか」

(・∀ ・)「タタリは怒られたりするのか?」

川д川「あ、えっと、うん。
     白い色だから、よごれると落すのが大変なの」

わー。オレだったら絶対に着れないなー。
きっとおかーさんだって、そんな服をよごしたら怒るに違いないもんな。

川д川「でも、ちゃんと気をつけてるから、大丈夫よ」

(・∀ ・)「だな。ちっともよごれてないもんなー」

タタリの服は真っ白で、きっと帰るときもそのままなんだろうな。
白いカサだってよごれてないもん。
さすがに、くつは白くないし、よごれてるけど。


138VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:11:29.50 ID:k0rddR/K0
  
オレたちが話してると、びちゃびちゃと水たまりをふむ音が聞こえてきた。
二人してちょっとだけすべり台の下から顔を出す。
たぶん、向こうからは見えてないはずだ。

(#・∀ ・)「あ、あいつら……!」

川;д川「またんき君」

思わず飛び出しそうになったオレを、タタリが止める。
そっか。タタリはケンカとかヤなんだよな。

(・∀ ・)「……しかたないなぁ」

オレたちが見たのは、昨日のヤツらだった。
ただ、今日は二人だけみたいだ。

オレは深呼吸を一つする。
ここで飛び出して、タタリを悲しませるのはオレだってヤだ。
それに、もしもケンカになって、タタリの服がよごれたらこまるもんな。

やるなら、男同士のタイマンだ!
タタリはまきこまない。
うん。オレってカッコイイ!

あいつらは水色のカサと茶色のカサを差して、どこかに行くみたいだ。
こんな天気じゃ、自転車には乗れないもんな。
歩いてごくろーさま。


140VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:17:18.93 ID:k0rddR/K0
  
(;´・ω・`)「ね、ねぇ」

(,,゚Д゚)「んだよ」

(;´・ω・`)「ニダーってやっぱりさ……」

(,,゚Д゚)「うっせ」

(;´・ω・`)「だって……」

ちょっと遠いけど、雨の音にまぎれて声が聞こえてくる。
オレが突き飛ばしたヤツはニダーっていうみたいだ。
横目でタタリを見ると、タタリも真剣な顔をしてあいつらの声を聞いてるみたいだった。
やっぱり、思うところってのがあるのかな。

(,#゚Д゚)「だってもクソもねー!
     お前、ビビリすぎなんだよ!」

(;´・ω・`)「だ、だけどさ!
      昨日の今日で、にゅ、入院なんて……」

(,#゚Д゚)「ぐーぜんだ、ぐーぜん。
     あいつが夜中に自販機行こうとして、足すべらしたってだけだろ」

(;´・ω・`)「夜中にだよ?
      おかしくない?」

(,#゚Д゚)「今は夏休みなんだから、夜中に起きてたっていいだろーが」


142VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:22:41.47 ID:k0rddR/K0
  
どうやら、あのニダーってヤツはケガして入院したらしい。
ざまぁみろ! 悪はほろびる運命なのだよ! ふはははは!

(・∀ ・)「タタリ、聞いたか?」

オレが直接、何かする必要もなかった。
うれしくて、となりにいるタタリに声をかける。

(・∀ ・)「……タタリ?」

::川;д川::

タタリは顔を青くして、小刻みに震えていた。
寒いのか?
いや、雨がふってるっていっても、今日は寒くないぞ。

(・∀ ・)「どうしたんだ?」

::川;д川::「あ、べ、別に……。
       彼、入院、しちゃったんだ……」

(・∀ ・)「みたいだな。
     悪いことしたからだぞ」

てんばつってヤツだからしかたないんだ。
タタリはニダーのこと、可哀想って思ってるのかな。
そんな必要ないのに。


145VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:27:59.49 ID:k0rddR/K0
(・∀ ・)「しかたなかったんだって」

::川;д川::「え?」

(・∀ ・)「だって、悪いことしたんだから。
     悪いことが返ってくるのは当然なんだ」

言い切ってやる。
そうした方が、安心できるって聞いたことがあるから。

川д川「…………そっか。
     そう、だね」

間を置いて、タタリはうなずいた。
納得してくれたみたいだ。
体の震えも止まってみたいでよかった。

川д川「でも、死んだら、ダメ、だよね」

うつむき気味で、タタリは言った。
オレとしては、別にあんなヤツが死んだってかまわない。
嫌なヤツだし。

でも、きっとタタリはそんな答えじゃヤなんだろうな。
そのくらいのことがわかるくらいに、オレもタタリのことがわかってきた。

(・∀ ・)「そうだな。
     死んだらダメだよなー」

そう言うと、タタリはとても安心したようだった。


147VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:32:20.38 ID:k0rddR/K0
  
【16:50】

雨の中の立ち話ってのは、けっこうつかれた。
でも、いざ帰る時間になると、まだまだ話したいって思う。
ふしぎだなぁ。

(・∀ ・)「もう、時間だー」

川д川「え、そうなんだ」

タタリは時間がわかってなかったみたいだけど、オレはちゃーんとわかってる。
もうすぐ、帰りなさいって放送が流れるはずだから。

(・∀ ・)「今日も楽しかったな」

川д川「うん。楽しかった。
     またんき君とおしゃべりするの、とっても楽しいよ」

(*・∀ ・)「よ、よせやい」

照れるぜー。
でも、オレもタタリと話すのは楽しい。

川д川「また、明日も遊ぼうね」

(・∀ ・)「そうだな。
     明日は晴れるといいなー」

川д川「そしたら、ブランコに乗ろうか」


149VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:35:44.00 ID:k0rddR/K0
 
(・∀ ・)「うん。
     鉄棒も、すべり台もだ」

川д川「すべり台は服がよごれちゃうかも」

(・∀ ・)そ「それはダメだ!」

川д川「ふふ。ジョウダンよ。
     大丈夫。よごれないから」

(;・∀ ・)「だましたなー」

タタリがクスクス笑う。
決めた。明日は絶対にすべり台に乗るんだ!
あとでよごれちゃったとか言っても、知らないんだからな!

川д川「ねぇ、またんき君」

(・∀ ・)「ん?」

まさか考えていることがバレたのか?!

川д川「人が死んだら、悲しいよね?」

(・∀ ・)「え?」

何だ、急に……。
意味がわかんないぞ。


150VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:41:19.72 ID:k0rddR/K0
 
川д川「悲しくない?」

(・∀ ・)「うーん。どうだろう」

おかーさんが死んだら悲しい。
タタリが死んでも悲しい。
でも、他のヤツらならどうでもいいかもしれない。

川д川「人が死ぬのは、とっても悲しいから、ダメだよ。
     私は、嫌だ。それが、意識してない、ことでも」

(・∀ ・)「タタリ?」

様子がおかしくないか?
オレはちょっと心配になる。

川д川「――あっ。
     ううん。ごめんね。忘れて。
     ほら、もう時間になっちゃうし」

(・∀ ・)「忘れられないぞ!」

でも、時間がきてるのも確かだ。
オレはカサを持って振り返る。

(・∀ ・)「今日は帰るけど、明日聞かせてもらうからなー!
     バイバーイ」

カサがあったから、手は振れなかった。


151VIPがお送りします :2013/08/09(金) 23:46:59.00 ID:k0rddR/K0
  
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす」

今日は晴れた!
青い空だ!
どこもぬれてないから、公園で遊びほうだいだ!

ミンミンミンってセミもまた元気になってやがる。
昨日くらいの静かさでちょうどいいんだぞー。
太陽もここしばらく、顔を出せなかったからって、張りきってやがるぜ!
ちっくしょー。もう少しすずしいほうがいいんだけどなぁ。

そんなことを思いながら一段飛ばしでおりていく。
いつもの場所でタタリが待ってるんだ。

(・∀ ・)「こうごうせいだぞー」

光をたっくさんあびて、だーっと走る。
今日のオレはこうごうせいパワーで元気百倍。
タタリとたくさん遊ぶんだ!

風をきって走りぬけていく。
階段おりて、ポスト前と通って、道を走る。
ビュビュン! タタリのところまで一直線。
秘密基地のところまであと少し。もうちょっと。


155VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:00:42.88 ID:oTJbj+8W0
 
(・∀ ・)「おはよう!」

川д川「あ、おはよう。
     今日は、いつもより元気だね」

(・∀ ・)「おうよ!」

お日様さんさん。またんき様々。
元気いっぱいだから、遊びだけじゃなく、色々話を聞くこともできちゃうぜぇ。

(・∀ ・)「なぁ、タタリ、昨日さ、変なこと言ってたよな」

川д川「あ……」

タタリの口が閉じる。
言いたくないのか?
でも、気になるんだぞ……。

川д川「……と、とりあえず、公園に行こ」

オレが何か言う前に、タタリは先に公園へ向かった。
これは隠し事のにおいだぞ!
そんなの、友だちに必要ないんだからな!

タタリを追いかける。
以外とタタリも足が早いから、追いつくころには、けっきょく公園についていた。


157VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:06:55.41 ID:oTJbj+8W0
  
川д川「ブランコしよ」

(・∀ ・)「いーけど……」

この公園のブランコは二人分だ。
オレとタタリが乗ればそれで定員オーバー。
でも気にしないもんねー。どうせ誰もいないし。

タタリが右に、オレは左のブランコに乗る。
キーコ、キーコと始めはゆっくり、段々大きくブランコがゆれていく。
ぐらぐら頭がゆれるみたいで、気持ち悪いけど、楽しい。

もっと高く。
もっともっと高く。

川д川「ねぇ、またんき君」

真剣にこいでると、タタリが声をかけてきた。
あっちはあまり高くこいでない。
ゆらりゆらりって感じ。

川д川「私、信じてるからね」

(・∀ ・)「何をだ?」

信じられるのはいいけど、何をなのかさっぱりだ。
ま、オレはタタリを裏切らないけどな。


159VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:09:54.48 ID:oTJbj+8W0
 
川*ー川「またんき君は、私を悲しませるようなこと、しないって」

オレを見上げてきたタタリは、とっても可愛かった。
髪が風にゆられて、タタリの赤いほっぺが見えた。

(*・∀ ・)「……あったりまえだってーの!」

絶対に悲しませない。
そんなの当たり前だ。

もし、あいつらがタタリをいじめるなら、オレが許さない。
タタリがケンカするなってんなら、見てる前じゃ絶対にしない。
だってさ、やっぱりタタリは笑ってるほうがいいもんな。

オレは、一番高い位置にブランコがきたところで、思いっきり飛び出す。
空を飛んでるような気分。
んで、すぐにちゃくち。タタリの方へ振り返る。

(*・∀ ・)「任せとけ!」

川*ー川「うん。任せる」

タタリはオレよりもずっと低い位置から飛び出して、ブランコのすぐ手前にちゃくちする。
白いワンピースがふわってなって、可愛かった。

川*ー川「ずっと、友だちだもんね?」

こっちにきたタタリはやっぱり笑ってて、もっとこの顔を見ていたいって思えた。
引っ越してきてくれてよかったって、本当に思う。


162VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:13:58.32 ID:oTJbj+8W0
   
【16:50】

(・∀ ・)「じゃあ、オレ、そろそろ帰るな」

川д川「そっか。じゃあ、また明日」

(・∀ ・)ノシ「また明日ー」

川д川ノシ

今日もたくさん遊んだ。
たくさん話した。
けっきょく、昨日のことはあまりくわしく聞けなかったけど、タタリはもういいのって言ってた。

オレのことを信じてるからって。
どういう意味かよくわかんないけど、タタリがオレのことを信じるならそれでいいかって、オレも思えた。

ずっと友だちだ。
ずっと一緒にいるんだ。
その約束があるなら、他はどうでもいいかなって。

鼻歌交じりにオレは階段をのぼる。
一段飛ばしでかけあがる。
そろそろおかーさんに、タタリのことを言ってもいいかな。
一度、タタリに遊びにきて欲しいし。

でもなー。
どうしよっかなー。
二人だけの秘密ってのもいいよなー。


163VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:16:45.28 ID:oTJbj+8W0
   
(・∀ ・)「……ん?」

三階について、あとは家の前に行くだけ。
でも、おかしい。

(・∀ ・)「……誰?」

誰か、いる。
オレの家の前に。

(:::::::) ゴソゴソ

(;・∀ ・)「だ、誰だよ……!」

おかーさんじゃない。
じゃあ、誰?

オレの家は、おかーさんとオレだけなのに。
もしかして、おとーさん?
いや、違う。そんなはずはない。

じゃあ、アレは誰なんだ?

(::::::゚::) ゴソッ…


あ、こっち、見た。

  


165VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:20:00.35 ID:oTJbj+8W0
(::::::゚::)

誰なんだよ。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
こっち見るなよ。こっち向くなよ。

何だってんだよ。
そこは、そこはオレの家で、おかーさんだけで、それで、何で、誰が。
わかんない。こんなの、おかしい。ふ、不公平だ。怖い。わからない。

ヤダヤダヤダヤダヤダヤダ。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

もしかして、オレ、こ、殺されたり、するのか……?
そんなの、ヤだよ。
オレ、もっと遊びたい。
もっと生きたい。

もっともっともっともっともっともっと。
タタリとも一緒に、だから、し、死ね、死ね、死ねないんだ。
だから、くるな、みるな、こっちに……。

怖いよ。怖いよおかーさん。
何で、助けてくれないの?
ヤダ。し、死に、死にたくない。だから、その前に。
怖い怖い怖い怖い。

だから、し、死ぬ、前に――。


166VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:25:49.85 ID:oTJbj+8W0
  
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす」

今日はでっかくて真っ白の雲が見えるぞー。
青い空に、白い雲。
いやー。夏ですなぁ!

白っていえば、タタリは白が好きなんだよな。
きっと、あの雲も好きなはずだ。

気づいてるかな?
もしかしたら、あんなおっきくて真っ白って気づいてないかもしれない。
よーし。それじゃ、オレが教えてやろう。

ミンミンって声を聞きながら、オレは一段飛ばしで階段をおりていく。
今日も暑いけど、秘密基地は使えないけど、公園でたっくさん遊ぶんだ。

鉄棒もいいけど、タタリはスカートだからなぁ。
そうだ。ケンパッパとかどうだろ。
あれなら、二人でもできる。

(・∀ ・)「タタリにもいい遊びないか聞かないとな!」

一人より二人だ!


168VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:29:12.58 ID:oTJbj+8W0
  
オレは真っ直ぐ走る。
今までも、ずっとずっと通ってきた道だけど、タタリと会ってからはこの道を通るのも楽しい。
わくわくするんだ。

今日は何をしよう。
何を話そう。

また、タタリの新しい何かが見えるんじゃないかって。
笑ったり、こまったり。
もっとたくさん知りたいんだ。

だから、オレは約束の場所にいく。
友だちと、タタリと会うだめに。

(・∀ ・)「タタリ! おはよう!」

ミンミンミン。
セミがうるさい。
風がふいて、木がゆれてる。

こわれた神社と、その手前に一人。

(・∀ ・)「……タタリ?」

あれ。
おかしいな。

タタリの好きな色は、白だったよな。


171VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:32:20.37 ID:oTJbj+8W0
   




何で、黒い服きてんの?




  


173VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:35:20.51 ID:oTJbj+8W0
  
川д川「…………」

(・∀ ・)「タ、タタリ?」

どうしたんだよ。
いつも、すぐに返事してくれるのに。
今日は黙ったままだ。

(・∀ ・)「どうしたんだよ!」

何かあったのか?
いじめられたのか?
それとも怒られたのか?

オレ、話したいことあるんだ。
白い雲のこととかさ。
だから、


川д川


いつもみたいにあいさつしてくれよ。
無視するなよ。
オレたち、友だち、だろ?


177VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:44:47.43 ID:oTJbj+8W0
  
川д川「……うそつき」

(・∀ ・)「え?」

川д川「うそつき、うそつき、うそつき、うそつき、うそつき、うそつき」

何が?
オレがいつ、ウソついたんだよ。

川#д川「うそつき!!」

(;・∀ ・)「何がだよ!」

川#д川「私が、悲しむようなこと、しないって、言ったのに!」

(;・∀ ・)「それがどうしたんだよ!」

オレが何したってんだよ。
ケンカもしてないし、いじわるもしてない。
タタリを悲しませるようなこと、何にもしてないぞ!

川#д川「ウソウソウソ!」

だって、ってタタリは言った。

川#д川「お父さんを、殺したじゃない!!」

なあ、何、言ってんだよ。


181VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:48:52.46 ID:oTJbj+8W0
  
川#д川「そりゃ、あの家に引っ越してきたときに、言われてたけど!
      気づかなかったお父さんも悪いけど!
      だって、お父さん、仕事だったの! 時間を確認し忘れてただけなの!
      なのに、それだけなのに、何で、私の、私のお父さんを、殺したのよ!
      しないって、殺すのは悲しいって、私が悲しむことはしないって、言ったのに!」

(;・∀ ・)「タタリ。落ち着けって」

川#д川「朝の九時前後と夕方の五時前後は玄関にいちゃダメって言ってたけど!
      だから、私も早めに家を出てたけど!
      呪い殺されるって言ってたけど! 知ってたけど!
      でも、でも信じてたのに!
      あなたなら、って本気で思ってたのに!」

何だよ。
呪いってわかんねーよ。
信じてくれたっていいんだぞ?

なあ、オレには本当にわかんないよ。
なんで、タタリは怒ってるんだ。
泣いてるんだ?
真っ黒な服をきてるんだ?

(;・∀ ・)「おい、友だちの話し、聞けって」

川#д川「あんたなんて、友だちでもなんでもない!
      幽霊の友だちなんて、もういらない!!」


184VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:52:02.65 ID:oTJbj+8W0
は、あ?
本当、何、言ってんだか。
オレには、さっぱりわかんねぇよ。

川#д川「この人殺し!
      呪われたマンションなんて、さっさとつぶせばいいのに!」

だからさ、呪いって何だよ。

川#д川「お母さんも泣いてた!
      いくら、生活がきびしいからって、安いからって、こんな家選ぶんじゃなかったって。
      あんな死にかたするなんて、って!」

こんな家?
そんな風に言うなよ。

川#д川「うそつき! 幽霊なんて、みんな、みんなうそつきで、人殺しなんだ!
      ずっと、この目が嫌いだったけど、始めて好きになれそうだったけど。
      こんな思いするなら、やっぱりこんな目いらなかった! 何も知りたくなかった!
      あんたなんかと友だちになるんじゃなかった!」

ずっと友だちだって言ったじゃないか。
ずっと、ずっと一緒だって。

川#д川「うそつきうそつきうそつき!
      さっさと成仏してよ! お父さんを返してよ!」

知らないよ。
知らない。


186VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:55:48.64 ID:oTJbj+8W0
  
だって、昨日、あの人が家の前にいたんだ。
オレの家の前に。

かーさんとオレが二人で住んでる、大事な家。
こんな家、なんかじゃない。
とっても大切な家だ。

怖いじゃないか。
知らない人が、家の前にいたんだ。
悪いヤツに決まってる。

オレとおかーさんを殺そうとしてるんだ。
死にたくないじゃないか。
生きてたいじゃないか。

オレはまだ遊びたかった。
もっと楽しく生きたかった。
タタリとだって、遊びたかった。
ただそれだけなんだ。

それだけのために、ために――

ドロォ
 (。∀ ・)「自分の身を守っただけじゃないか!!」


  


190VIPがお送りします :2013/08/10(土) 00:59:12.22 ID:oTJbj+8W0
川;д川「キャア!」

タタリをじゃりにぬいつけるようにして押したおす。
悲鳴なんてあげたって知らないよ。
だって、もう友だちじゃないんだろ?

(:。∀:::・)「うそつきはどっちだ!
      ずっといっしょだっていったのに。
      オレだってしんじてたのに!
      こんなの、ひどいうらぎりだ!」

裏切り者はダメだ。ひどいヤツだ。
やっぱり、このマンションのヤツは嫌なヤツばっかりなんだ。

タタリもそうなんだ。
嫌いだ。みんな嫌いだ。
みんな、オレを一人にしようとする。オレを殺そうとする。

怖い怖い怖い怖い。
許せない。許せない。許せない。

絶対に、タタリだけは許さない。
信用させておいて、あんなに一緒に遊んで、それなのに、オレを裏切った。
今殺さないと、きっと、タタリがオレを殺そうとする。
そうに決まってる。

その目がいらないっていうなら、取ってあげる。
うそをついた舌も、きれいだと思った髪も、ほっぺも、全部、全部、全部。

(:。∀ :::*:)「もう、いらない」


192VIPがお送りします :2013/08/10(土) 01:03:19.10 ID:oTJbj+8W0
  
【09:00】

(・∀ ・)「いってきまーす」

オレは今日も元気にしゅつどーだ!
おかーさんにいってきますをしたら、今日のよていのおさらい。
でも、とくに考えてないんだよなー。

青い空と白い雲。
すっげーきれい。遠くまで行けそうだ。
でもオレは「しきち」から出られないしなぁ。

ちょっと前までは、食べ物が置いてあるお気に入りの秘密基地があったんだ。
でも、オレに意地悪してくるヤツらがこわしちゃったから、今は使えない。

あーあ。
たいくつだなぁ。
公園で遊んでたって、一人じゃつまんない。

ま、マンションにいるような、ヤなヤツらとなんて、友だちになりたくないからいいけどな!
オレがぼっちってわけじゃないぞ!
そこんとこ、かんちがいすんなよな!

一人でもちゃーんと遊べるオレは、ブランコも鉄棒もすべり台もできるんだ。
砂場で泥団子だって作れる。

さて、どーれーをしよーうかーなっと。
わくわくしながら、オレは階段を一段飛ばしでおりて行く。


195VIPがお送りします :2013/08/10(土) 01:07:03.86 ID:oTJbj+8W0
 ――――――

       聞いた? VIPマンション。

       呪い、ってやつでしょ?

       そうそう。変死体が見つかったって。
       とても、人の手では……って話よ。

       怖いわねぇ。
       確か、長岡さんでしたっけ?

       この間、越してきたばかりだったのにね。

       旦那さん、全身から血を噴出して死んでいたそうよ。

       えぇ。ちょっとそれは酷いわね。前々から変な噂はあったけど、そんな……。

       でも、あの家、娘さんもでしょ?

       あぁ、貞子ちゃん。

       近くの祠の前で、髪を引き抜かれて、目もくりぬかれてって……。
       もう聞くのも苦しいほどよ。

       奥さんも精神病院に入ったって聞くしねぇ。

       やっぱり、あそこは呪われてるのね。

                           ――――――――


197VIPがお送りします :2013/08/10(土) 01:10:14.48 ID:oTJbj+8W0
   
( ^ω^)「どこか格安賃貸はないかおー」

ゴソゴソ

( ^ω^)「おっ!
      これは素晴らしいお!
      トイレ風呂は別、駅近い、間取りも十分。お値段格安!
      これは裏があるおー。ん? 何々?」


『朝の九時前後(十分程度)と夕方の五時前後(十分程度)は、玄関扉の前に立たないようにしてください。
 この規則さえ守っていただければ、何の心配もありません。』


( ^ω^)「ふむふむ。
      このくらい余裕だおねー。
      本当にこれだけ守れば、このお値段で、この部屋かお?
      すっげー良物件だお!」

ξ゚⊿゚)ξ「決まったの?」

( ^ω^)「おっおっ。
      ここなんてどうかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「VIPマンション、302号室……?」





200VIPがお送りします :2013/08/10(土) 01:12:27.04 ID:oTJbj+8W0

 (
   )
  i  フッ
  |_|




ガラケーの方は、こちら
(・∀ ・)タタリのようです
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1376038940/

[ 2013/08/10 21:42 ] 百物語のようです2013 | CM(0)
[タグ] (・∀ ・) 川д川


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