まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 (#゚;;-゚)二十年越しの三日月のようです


429名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:01:36 ID:FZL.JKHk0

(#゚;;-゚)「今宵の月はよう欠けておりますね」

 奇麗な三日月がぽっかり、空に浮かんでおります。

(#゚;;-゚)「又、晴れて非常に宜しい夜ですね。山際が好く見えます」

(#゚;;-゚)「それでは待つとしましょうか」

 わたくしは縁の右のほうへ出ますと、そこへそろりと正座しました。
 遠いあの日を思い返しながら。




430名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:02:55 ID:FZL.JKHk0


(#゚;;-゚)二十年越しの三日月のようです

.


431名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:04:57 ID:FZL.JKHk0

 もう遠い遠い、二十年程前のことと記憶しております。

Σ(;゚;;-゚) スッテン

(∩゚;;-゚)「いたい…」

 小学生だったわたくしは、大分そそっかしく、よく転び生傷が絶えませんでした。
 未だに幾らか傷は残って居る程です。

,,(∩゚;;-゚) ホケンシツ…

(*゚ー゚)「やだ、でぃよ、でぃがいるわ。ひどいきずね、またふえてないかしら」ヒソヒソ

ミセ*゚ー゚)リ「きみがわるいわ…」ヒソヒソ

 傷だらけのわたくし気味悪がって、友達はちッとも出来ませんでした。
 寧ろ意地の悪い男子にからかわれていた程です。

( ・∀・)「やいやい、でぃ、おまえまたけがしたのかいどんくさいやつ!」

(∩゚;;-゚)「……はい…」


432名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:06:47 ID:FZL.JKHk0

( ・∀・)「まったく、ばかみたいにころびやがって。なんだよ、いまからまた保健室行くのかい。
       おまえもう保健室にすんだほうがいいんじゃないか」

,,,(∩ ;;- )「……」

( ‐∀‐)「しかたないな、おれがついていってやっても…」

(;・∀・)「あれ、いない」

 …いえ、今思い返せば彼はいい人だったような気が致しますが、
 何分わたくしは当時幼く、言葉をそのまま受け取っておりました。

(#-;; -)

 平生、わたくしはなるたけ平気そうな顔をして過ごしました。
 辛そうな顔をしたら負けだと思っていたのです。
 わたくしは幼いくせに、いえ、幼いが故に、片意地を張っていたのです。

 そのくせ心の内では淋しくって淋しくってたまりませんでした。


433名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:09:18 ID:FZL.JKHk0

 そんなある日の放課後のことです。

(*゚ー゚)「みせり、いっしょにかえりましょう。かあさまがきのう、たくさんおりがみをかってくださったから」

ミセ*゚ー゚)リ「わぁ、いいわね。そんなの、わたしもつかっていいの?」

(*^ー^)「もちろん。そのつもりでさそったのよ」クスクス…

(,,゚Д゚)「もららー、がっこうにのこっておにごっこするぜごるぁ」

( ・∀・)「いいよ」

 みな口々に遊ぶ約束をしております。小学生とはそういう生物です。
 然しわたくしは先程の通り友人など居ませんでしたので、早々に帰り道を歩いておりました。

...(#゚;;-゚)

 下駄をからころ鳴らしながら、石をからころ転がして、音だけは軽快に歩きました。

(#゚;;-゚)(しぃちゃん、みせりちゃんとおりがみであそぶッていってました)

 からころ、からころ。

(#゚;;-゚)(わたくしもおうちへかえったら、かあさまにおりがみをねだりましょうか…なんて、)

 からころ、ぽちゃん。

 石は直ぐに用水路へ落ちました。
 わたくしはますます面白くなくなりました。


434名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:11:32 ID:FZL.JKHk0

(#゚;;-゚)

 歩くのも億劫になって、その場で立ち尽くしました。
 それからいつまでこんなのが続くのだろうと、答えの出ない問答を一人で致しました。
 細かい砂ばかりの用水路に、場違いに沈んだ石に自分を重ねてしばし考えておりました。

 そこへやって来たのが彼女達です。

⌒*リ´・-・リ「あれ、でぃちゃんだ」

*(‘‘)*「だ!」

l从・∀・ノ!リ人「なのじゃ!」

Σ(;゚;;-゚) ビクッ

 ぼうっとしていたわたくしの後ろから、三人の同級生が現れたのです。


435名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:13:44 ID:FZL.JKHk0

*(‘‘)*「なにしてンのよ、こんなところで」

(;゚;;-゚)「あ、ぅ」

l从・∀・ノ!リ人「よーすいろにはなにもないのじゃ」

(;゚;;-゚)「……」

 わたくしはついに黙りこくって仕舞いました。

 わたくしはなにか云わねばとは思うのですが、おかしな話、如何話せば可いのか判らなかったのです。

 言葉とかの問題では有りません。
 果たしてこのようなときは、息をどれぐらい吹い、
 どれぐらい吐けば可いのか、というところから判らなかったのです。

 それほどにわたくしは平生の暮らしでの人間関係が薄弱だったのです。
 家ではそれなりに話しましたが、同じように薄弱な人ならば判るでしょう、
 同級生との会話は、家族とのそれとは全く別物なのです。


436名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:17:20 ID:FZL.JKHk0

(#゚;;-゚)「い、し」

 わたくしはやっとそれだけ云いました。

 然し云ってから後悔致しました。
 石を落としたというだけの我ながら滑稽な理由で、
 その場に立ち尽くしていたのをこの子たちに言ってどうするのでしょう。
 せいぜい笑われるのが落ちだというのに。

*(‘‘)*「いし?」

l从・∀・ノ!リ人「たしかによーすいろに石がおちてるのじゃー」

⌒*リ´・-・リ「あ、ほんとだ。これ、でぃちゃんがおとしたの」

 わたくしは小さく頷きました。
 するとどうでしょう、彼女達は笑うどころか、着物の袖が濡れるのも厭わず、そのただの石を拾ってくれたのです。

*(‘‘)*っ○「はい!」

(;゚;;-゚)「えっ…」


437名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:19:54 ID:FZL.JKHk0

*(‘‘)*「ずうッとみてたくらいなンだから、さぞだいじなものなのだろうとかんがえたのだけれど。
     …もしかしてちがうのかな」

(#゚;;-゚)

(;゚;;-゚)「ご、ごめんなさい、ちがいます…」

⌒*リ´・-・リ「つまり、ほんとうにただの石なの?」

(;゚;;-゚)「うん…」

 まず吹き出したのは妹者ちゃんでした。

l从・∀・ノ!リ人「わあ、はずかしいのじゃ」

⌒*リ´・-・リ「へりかるちゃん…」

*(;‘‘)*「そんな目でみないでくださいな!」

 三人は笑い出しました。
 高々その辺に転がっている石ッころに、真剣に向かっていた今までの時間が馬鹿々々しく思えたのです。

(*#゚;;-゚)

 あんまり楽しそうに笑うもんだから、わたくしも少し愉快になりました。
 暗鬱とした気分は、既にどこかに消えていました。


438名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:21:50 ID:FZL.JKHk0

*(*‘‘)*「じゃあ、なに、でぃちゃんはそのただの石ッころをずうッと見ていたわけ」

(*#゚;;-゚)「はい」

l从・∀・*ノ!リ人「へんなひとなのじゃ、どうしてみてたのじゃ」

(#゚;;-゚)「おちてしまったなぁ、と」

 本当は少し違うけれど、端的に伝えます。彼女たちは一層笑いました。
 ようよう考えればそんなに滑稽ではないことですが、
 そのときは堪え難いほど滑稽なことに思えたのでしょう。

 ひとしきり笑ったあと、へりかるちゃんはわたくしの肩をがっしりと掴みました。

*(*‘‘)*「あのね、わたしたち、ずっとでぃちゃんのこと、きになってたの」

⌒*リ´*・-・リ「でぃちゃんがよければ、だけど、いっしょにあそぼうよ」

(*#゚;;-゚)「!」

 わたくしはこれは夢なのではないかと疑ぐるほどの衝撃を受けました。
 頭を何度も縦に振りました。嬉しくッて堪りませんでした。


439名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:24:42 ID:FZL.JKHk0

 わたくし達は近くの原っぱで「はないちもんめ」を致しました。


*(‘‘)*「かーッてうれしいはないちもんめ」


 わたくしはへりかるちゃんと手を繋ぎながら。


⌒*リ´・-・リ「まけーてくやしいはないちもんめ」


 妹者ちゃんはりりちゃんと手を繋ぎながら。


(*#゚;;-゚)「とーなりーのおーばさーんちょっとおーいでー…」


 わたくしは控えめながらも、なるたけ大きな声を出しました。


l从・∀・ノ!リ人「おにーがでるからよういかん」


 妹者ちゃんがにっこり笑ったのが見えました。
 わたくしは愈(いよいよ)愉快になりました。


(*#゚;;-゚)「おなーべかぶってちょっとおいでー…」


440名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:28:03 ID:FZL.JKHk0

 はないちもんめに飽いた後も、遊びは続きました。

 かくれんぼや、お花でままごとも致しました。
 わたくしにとってはどれも初めてで、非常に胸が高鳴って居たのを覚えております。

*(*‘‘)*

⌒*リ´*・-・リ

l从・∀・*ノ!リ人

(*#゚;;-゚)

 ふ、と、気がつけば、夕暮れが光を散らしてゆく時間でした。
 未だ遊びは止まりません。
 烏が鳴いたって止めるつもりはありませんでした。

 然し。


.


442名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:30:29 ID:FZL.JKHk0

 おそらく家が近くだったのでしょう。
 しぃちゃんとみせりちゃんがやって来たのです。

...(*゚ー゚)

...ミセ*゚ー゚)リ

 そこまで送る、だの云っておりましたので、きっとしぃちゃんの家から帰る所なのでしょう。

 わたくしはどきりと致しました。
 先程とは違う心持ちで大きな胸の音を聞きました。
 どうか気付かずそのまま行って呉れと思いました。

 然し、とまた“然し”は続きます。
 厭なことは続くものなのです。

( ・∀・)「あれ、でぃだ」

 学校から帰る途中のもら君が、ひょいと声を上げたのです。
 しぃちゃんやみせりちゃんも、その声でこちらに気づいたようでした。


443名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:32:57 ID:FZL.JKHk0

 わたくしにとって、この三人がどれだけ大変な組み合わせか、察するのはそう難しくないでしょう。

 わたくしは頭の中が一瞬でごちゃごちゃと、慌てたようすになりました。

 別に遊ぶところを見られることは然程問題ではないのかも知れません。
 然し当時のわたくしには、生きるか死ぬか、というほどの重みをもつ問題でした。

 しかもわたくし一人が見られたのなら未だ可いのです。
 今回はこの優しい三人が、わたくしという“異端”と遊んでいるのだから事態は深刻です。
 わたくしのせいで、いらぬ刃が彼女達に向けられると思うと堪りませんでした。

 わたくしはもう頭の中がこんぐらがッて、如何しようも無くなりました。

(*゚-゚)「あらいやだ。でぃがいるじゃない」

 わたくしのこんぐらがッた頭は、しぃちゃんのその一言で全て決壊致しました。
 わたくしはそこから逃げ出すように走り出しました。

*(;‘‘)*「でぃちゃん!」


444名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:34:35 ID:FZL.JKHk0


 わたくしは何も考えずに走りました。

(;゚;;-゚)

 何度かすッ転んで、また額に新たな傷を作りながら、必死で走りました。
 彼女達を置いて行ったことで如何なるわけでもないでしょうに、そんなことにも気付かず逃げました。

(#;;;-゚)

 涙が出てきます。
 勿論自分の弱さにです。どうしようもない弱さにです。

(#;;;-;)


.


445名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:38:19 ID:FZL.JKHk0

 わんわん泣いて家に帰りました。
 かあさまがおろおろしております。

 わたくしは片意地を張る愚か者なので、今までいくら転んでも泣かなかったのだから、驚くのも当然でしょう。

(#つ;;-∩)

 逃げてしまったことの後悔は、直ぐにやって来ました。
 わたくしは弱いのです。
 如何しようもなく、弱いのです。

 わたくしはなんてことをしたのだろうと思いました。
 彼女たちがせっかく手を差し延べて呉れたのに、振り払って仕舞ったのです。

 やはりわたくしに友達と過ごす時間など、贅沢だったのでしょう。

 どれくらいそうくさっていたでしょう―――


446名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:41:18 ID:FZL.JKHk0

 空がとっぷりと暗くなったころ、かあさまが慌ててわたくしの背中を叩きました。

 三人の女の子が、戸口に居ると云うのです。

(;う;;-゚)「!」

 わたくしはもはや這うようにして戸口へ向かいました。

*(;‘‘)*「あはは…来ちゃったよ」

⌒*リ´;・-・リ

l从・∀・;ノ!リ人

(#∩;;-゚)

 彼女達がそこにいました。
 肩で息をして。

*(;‘‘)*「おうち、わかンないからさ…そこらじゅうのひとにきいてさ」

⌒*リ´;・-・リ「でも…よかった、みつかって」

l从・∀・;ノ!リ人「まだおあそびはおわってないのじゃ!」

(#゚;;-゚)

(*#゚;;-゚)

 わたくしはもうなんだか胸が暖かくなって、いっぱいでした。


447名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:44:02 ID:FZL.JKHk0

 わたくしは三人を縁のほうへ導きました。
 みな走って来て暑いから、涼みたいのだそうです。

 みなはそろって腰を下ろしました。

 わたくしはその左へ、そろりと正座致しました。

 三日月が奇麗に浮いた夜でした。
 なんだかあまりに奇麗なので、わたくし達は静かにせねばならぬような気がして、ぽそりぽそりとしゃべりました。

「しぃちゃんたちには、がつんといってやったからね」

「もらくんはいっしょになっていってたよ」

「ほんとうですか」

「ほんとほんと」

「ぜったいでぃちゃんのこと、もらくんすきなのじゃ」

「そんなわけは…」

「くすくす…」

「くすくす…」

 わたくしは心内で、謝罪と、感謝を述べました。
 口に出すのは照れ臭い、と思ってしまったのはやはり片意地でしょうか。

「また、あそぼうね」

「はい…」

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448名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:45:14 ID:FZL.JKHk0

  *


(#゚;;-゚)

 記憶の反芻を終えて、わたくしはあらためて、空を眺めました。
 奇麗な三日月です。

 実は数日前にわたくしは文を書きました。

 近況と、思い出と。
 それから再会の意を述べました。

 最後にはこう書きました。


『あの日のような夜に、またいらっしゃって下さい』

.


449名も無きAAのようです :2013/02/11(月) 23:46:29 ID:FZL.JKHk0

 戸口を叩く音がしました。わたくしはゆっくりと立ち上がります。

 戸の向こうに懐かしい顔を想像しながら。

 すこし後には、きっと昔より少し背筋の伸びた後ろ姿が並ぶことを、想像しながら。


  お了い。



 ※ ミニラノベ企画 (13/02) 参加作品
( ^ω^)ブーン系突発イベント場のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1357394125/

[ 2013/08/04 22:41 ] ミニラノベ 2013/02 | CM(0)
[タグ] (#゚;;-゚)


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