まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 たすけるようです


182名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:31:21 ID:CIdRmbio0

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九十七本目

たすけるようです


184名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:32:30 ID:CIdRmbio0

/ ,' 3 「何?!ブーンとデレが帰えってこない?!」

J(;'ー`)し 「そうなのよ、二人で蝉を取るって言って出て行ったっきり…」

/ ,' 3 「ぬう…」

J(;'ー`)し 「お父さん…」

/ ,' 3 「…自治会の皆にも探すのを手伝ってもらおう。ワシはプギャーのところに行ってくる」

J(;'ー`)し 「じゃあ、私はもう一度裏の山を…」

/ ,' 3 「ああ、お前まで居なくならん用に気をつけろ」

 日が沈みかけ、辺りは夜の気配を漂わせ始めていた。
 道沿いの民家から漏れたカレーの匂いが食欲を刺激するその時間に、村のまとめ役、荒巻スカルチノフは額から汗を垂らす。
 目どころか心臓を鷲掴みにされても痛くないほど溺愛する孫が、行方不明になったのだ。

 すぐさま村の全ての家に電話が走り、捜索が開始される。
 土地は広く、人は少ないこの村で子供を探すには、力を合わせるのが一番なのだ。

/ ,' 3 「ブーン…デレ……」

 荒巻をより不安にさせるのは村に伝わる神隠しの言い伝えだった。
 言い伝えは悪いものだけではないが危険なことには変わりなく。
 どこにでもある眉唾の伝承と言えばそれまでだが、実際記録では過去に十数人が失踪しているため、気が気では無い。

 今は自身も走り回りながら、孫の無事を祈る他なかった。
 
 * * *




186名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:33:51 ID:CIdRmbio0

 村で大規模な捜索が始まったその頃。
 行方不明の兄妹、ブーンとデレは何処とも知れぬ場所を彷徨っていた。

 周囲は既にまっくら。
 星明かりはあるようだが、背の高い木々が光を阻んでいる。
 頼りになるのは、母が持たせてくれた携帯電話の明かりだけ。
 既に何度か電話をしようと試みたが、圏外と表示されてつながらなかった。

ζ(゚、゚ ζ 「おにいちゃん……」

 妹のデレは兄の手を強く握る。
 その顔は不安でいっぱいで、直ぐにでも泣き出しそうだった。

( ^ω^)「おっおー、平気だお!きっともうすぐ知ってるところに出るお!」

 本当のところを言えば、ブーンも泣き出してしまいそうだった。
 しかし、泣くわけにはいかない。
 ブーンは9歳で、6歳のデレより年上で、なによりお兄ちゃんなのだ。
 妹を守る責任って奴があるのだ。
 だったら、早く家に帰るため、少しでも歩かなければいけないのだ。

 そんな少年の勇気は、虚しくも悪い方向に働いてしまう。
 幼い兄弟は方角も分からない森の中を、村とは逆に進んでいった。


187名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:34:48 ID:CIdRmbio0

 どれ程歩いたろうか。
 デレの息は既に絶え絶えとしていて、苦しそうだ。
 汗が冷えて体温も下がっているようで、それが余計に彼女の体力をうばっていた。
 ブーンは自分の腰に巻いていたシャツをデレに着せてやる。
 ほんのりと温もりを帯びていたため、デレはちょっとだけ安心することが出来た。

 携帯電話の時刻は八時過ぎ。
 電池も半分をとうに切っている。
 疲労もそうだが、お腹も空いた。
 遊ぶ時ならば無尽の体力を誇るとしても、この先に安心の無い状況では、子供は大人よりもはるかに消耗が早い。

 大きな木の根に腰を降ろし、デレを抱きしめて休憩を取る。
 デレを安心させるためではあったが、互いの体温を感じることでブーンも落ち着くことが出来た。

 時計で十分。
 二人は再び歩き出す。
 小学校でサッカークラブに入っているブーンは、あまり休み過ぎると筋肉が固まって動けなくなることを直感的に理解していたのだ。

 道の無い森を必死に歩く。
 木が作る陰で周囲は真っ暗だが、そのおかげで草が伸びておらず足元が歩きやすいのが幸か不幸か。
 二人はどんどんと森の深みへと入ってゆく。

 もう一度休憩を取ろうかとブーンが思い始めた頃、突然デレが立ち止まった。
 振り返って顔を伺うと、青ざめ硬直した表情で前を凝視している。

( ^ω^)「どうしたんだおデレ?疲れたのかお?」

ζ(゚、゚;ζ 「お、おにいちゃんは、みえないの?」

( ^ω^)「え?」


188名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:36:10 ID:CIdRmbio0

 デレが、繋いでいるのとは逆の手で前を指さした。
 ブーンは恐る恐るそちらへ目を向ける。

 暗がりの中、他には何も見えないというのに、ぼんやりと浮かび上がるように見える物があった。
 ブーンが目を凝らすと、人の形をしているようにもとれた。

  「もしもし、道に迷ったのかい?」

 兄妹の身体がびくりと震えた。
 人影らしきものがゆらりと近づき、続けて声をかけて来た。
 老人のようにも、若いようにも聞こえるしゃがれた声だった。

  「おいで。帰り道を教えてあげるから」

 デレの雰囲気が変わったことにブーンは気付いた。
 探しにきた大人の誰かだと思い安心したのだろう。
 ブーンも、少しだけそう思った。
 でも、違うと確信していた。

( ^ω^)「一つ聞いていいですかお?」

  「なんだい?」

( ^ω^)「明かりも持たないで、なにしてるんですかお?」


190名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:37:12 ID:CIdRmbio0

 人影は答えず、また一歩近づいてきた。
 ブーンの不穏な気配をデレも感じたのか、安心を取り消すように、にじりさがる。

  「さあ、いこう。村へ案内して…」

( #゚ω゚)「くるな!」

 ブーンは足元に向けていた携帯電話のライトを人影に向けた。
 弱々しい光では顔を見ることは叶わなかったが、姿を見ることは出来る。
 人影、おそらく男はシャツにハーフパンツにサンダルを履いていた。
 見た目はそこらへんの若者のようではあるが、尚更明かりを持っていないことが怪しい。

  「大丈夫だよ、怖くないから」

 ついに見えた男の顔を見て、ブーンはデレの手を引いて走り出した。
 デレも、最初は戸惑ったものの、すぐに倣って必死で掛けた。
 背後で女の笑い声のようなものが聞こえる。

 僅かな光の中に見えた男の顔は、明らかに人間ではなかった。


191名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:38:40 ID:CIdRmbio0
 * * *

ξ゚⊿゚)ξ 「だから言ったじゃん。あんたじゃだめだって」

('A`) 「うるせえな。おまえじゃ無理だから俺がやろうとしたんだろ」

ξ゚⊿゚)ξ 「で。どうすんの?」

('A`) 「俺に考えがある」

ξ゚⊿゚)ξ 「役に立つ考えならいいけれど」

('A`)

ξ゚⊿゚)ξ 「そんな睨まないでよ。冗談じゃない」

('A`) 「…まあ、いいや。一度しか言わないからちゃんと聞けよ」

ξ゚⊿゚)ξ 「はいはい」

 * * *


193名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:39:29 ID:CIdRmbio0

 しばらく、走り、息が苦しくなって立ち止まる。
 デレは地面や屈み込んで泣き出した。
 荒い息で、声すら出せずにボロボロと涙を零す。
 ブーンは自分の息を整えながら泣き止ませようとしたが、ダメだった。
 今まで泣かなかったことを褒められても、泣くことを責めることは出来ない。
 ただ、つられて泣くのを堪えるのが大変だった。

ζ(;д; ζ 「おかぁさぁん…!」

( ;^ω^)「……」

 何度も何度も背中を摩った。
 先程のアレも気になるが、とりあえず泣きたいだけ泣かせてあげようというのがブーンの考えだった。
 弱々しい鳴き声が響く。
 これを聞いて村の誰かが来てくれないかと淡い期待を抱くが、鬱蒼とした木々に吸われて村には届かない。

 強い風が吹き、木々がざわめいた。
 デレが小さい悲鳴を上げ泣き止む。
 ブーンはその小さな身体を引き寄せ、庇うように抱きしめる。

 風がやみ、再び周囲に不気味な静寂が訪れる。
 いや、静寂では無い。
 パキパキと枯れ枝を踏むような音がどこからか響いて来ていた。

 助けにきた母親か、村人の誰かか、それとも先程の……

 明かりを消し息を潜める二人の元に、足音が近づく。


195名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:40:51 ID:CIdRmbio0

( ;^ω^)(…かなり近いのに、明かりが見えない。やっぱり…)

ζ(゚、゚;ζ(おにいちゃん…)

( ;^ω^)(だいじょうぶだお。お兄ちゃんがついてるお)

 ぱきり。

 ごく近く、二人の寄りかかる木の裏で音がした。
 背中を冷たい汗が流れ落ちる。

  「あれぇ?」

 先程聞いた笑い声と同じ声だった。

 恐る恐る振り返える。
 木の陰から大きな何かが二人をみている。
 ブーンの頭ほどある目玉を持った、まるで巨大な生首のような何かが。

( ;#゚ω゚)「!?」

 ブーンが手を引き走り出そうとするが、デレは腰を抜かして動けない。
 迷う間も無く、ブーンはデレを背負い走り出した。


197名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:42:55 ID:CIdRmbio0

 たとえデレが小さな六歳の子供であっても、それを背負うブーンもまた九歳の子供。
 疲弊した状態でのおんぶは決して楽では、いや、むしろ無理をしている以外の何物でもない。

 しかしデレを降ろす選択肢はなかった。
 降ろせば腰を抜かしているデレは走れない。
 置いて逃げるという考えが無い限り、背負って走る他無い。
 ブーンはお兄ちゃんだから、妹を守らなくてはいけないのだ。

 デレに携帯電話を持たせ、足元を照らして貰って走り続けると、目の前に細い山路が現れた。
 山菜を取る地元の人がたまに使うような、道とも言えない道だったが、二人にとっては希望の道だった。

( ;^ω^)(どっちが正解だお…?)

 目の前を横切る道を、左へ行くか、右へ行くか。

ζ(゚、゚;ζ 「おにいちゃん!みぎ!みぎ!」

( ^ω^)「お?右に行くのかお?」

ζ(゚、゚;ζ 「ちがう!みぎからきてる!」

 はっとして右を見ると、先程の男が足音を忍ばせ近づいて来ていた。
 デレがライトを向けたので顔がはっきりと見えた。
 目が腫れて潰れた、毛むくじゃらの醜い顔が、そこにあった。


198名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:44:46 ID:CIdRmbio0

 男の手がブーン達に伸びる。
 ブーンは踵を返し、男とは逆の、左の方へと逃げる。
 デレが振り返って確認すると、先程の大きな生首も追って来ているという。

 いやだ。

 怖い。

 怖い!

 足が限界に来て、デレを降ろし、ブーンは木に背を預けて座り込んだ。
 追ってくる姿はとりあえず見えないので、息を整えるのに集中する。
 気丈に頑張ったブーンの精神も、錯乱寸前に追い込まれていた。
 辛うじて耐えられるのは、傍らに妹の体温を感じるからだが、それも時間の問題だ。

ζ(゚ー゚ ζ 「おにいちゃん、デレだいじょうぶだよ。じぶんではしれるよ」

 力尽き、動くこともままならない兄を励ますように、デレは引きつった笑顔でその手を握った。
 ブーンの限界を悟り、励まそうと震える足を必死に堪える。
 夜が無性に怖くて眠れない時に、母がそうしてくれたように優しく兄に笑いかける。

 ブーンはそんなデレを強く抱きしめ、ついに泣き出した。
 今の状況が恐ろしくて、妹の優しさが嬉しくて、自分の情けなさが悔しくて、ただただ泣いた。


199名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:45:54 ID:CIdRmbio0

 何時の間にかデレも泣き出して、二人で声も枯れるまで泣いていた。
 どれ程の間そうしていただろうか。
涙も枯れ、体力も果て、その場に座り込んでいると、

  「おーい!こっちにいたぞー!!」

 あの毛むくじゃらの男の声だった。
 仲間を呼んでいる。
 背筋に寒気が走った。

 逃げようとしたが、疲労で身体が動かない。

 どうしようもなくなり兄妹は抱互いを硬く抱きしめた。
 守るように、庇うように、あるいは、どちらかが一人きりなってしまわないように。

 おびただしい足音が聞こえ始めた。
 
( ;-ω-)(もう、だめだ)

 心の中で諦めの声をあげた。
 足音は、すぐそばにまでたどり着く。

  「ブーン!デレ!みんな、こっちだ!二人ともいるぞ!」

 目の前であげられた声は、村の交番のお巡りさんのものだった。


200名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:47:14 ID:CIdRmbio0
 * * *

/ ,' 3 「二人とも、眠ったのか?」

J( 'ー`)し 「うん。とても疲れてたみたいですぐ寝ちゃったわ」

 奥の部屋から戻ってきたカーチャンは安心した様子で座布団に腰を降ろす。
 座敷では、孫の捜索に協力してくれた村人にささやかな詫びと礼として酒を振舞っていた。

 ブーンとデレが見つかったのは30分程前。
 裏山の、比較的麓に近い木の根元で抱きしめあっているところを発見された。
 かなり疲弊はしていたが大きな怪我もなく無事で、村人揃って胸を撫で下ろした。

J( 'ー`)し 「プギャーさん、本当にありがとうございますね」

( ^Д^) 「いやいや」

 兄妹を見つけたのは村の交番に勤める青年のプギャーだった。
 少々抜けたところがあるが、頼りになる男だ。

( ^Д^) 「それに、初めに見つけたのは俺じゃないっすよ」

J( 'ー`)し 「え?でも…」

( ^Д^) 「誰だかわからねーけど、呼ぶ声がしたんですよ」


201名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:48:47 ID:CIdRmbio0

/ ,' 3 「…?」

( ^Д^) 「いやね、確かに俺があそこに行った時はブーンとデレしかいなかったんですけど」

( ^Д^) 「そもそもそっちに行ったのはその呼び声がしたからなんすよ」

J( 'ー`)し 「まぁ、そうなの?」

( ^Д^) 「ええ、不思議なこともあったもんで」

/ ,' 3 「……」

J( 'ー`)し 「お父さん?」

 荒巻はおもむろに立ち上がり、台所へ。
 カーチャンや集まっていた村人が不思議そうに視線を向ける中、
冷蔵庫から残り物の天ぷらと油あげを取り出し、足早に家を出て行った。

J( 'ー`)し 「どうしたのかしら?」

( ^Д^) 「さあ?おしっこですかね」

J( 'ー`)し 「あらやだ」


202名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:50:07 ID:CIdRmbio0
 * * *

('A`) 「とりあえず無事に帰れたみたいだな」

ξ゚⊿゚)ξ 「それにしてもよく思いついたわね」

('A`) 「まあな。声をかけて逃げられるなら、安全な方へおいたててやればいいのさ」

ξ゚⊿゚)ξ 「ま、怖がらせたお陰でお礼も何も貰えないけど」

('A`) 「ど、どっちにしろ、今の奴らは俺らのことなんか忘れてるだろ…」

ξ゚⊿゚)ξ 「それでもー、普通に送り届ければお礼くらいもらえたんじゃないかなー」

(#'A`) 「だ、黙ってきいてれば!それはお前がやり過ぎたからだろ馬鹿!」

ξ#゚⊿゚)ξ 「な、なによ!しかたないでしょ!私生首くらいにしか化けらんないんだもん!」

(#'A`) 「好い加減人間にくらい化けろよ!」

ξ#゚⊿゚)ξ 「なによ!そもそもあんたがちゃんと化けられれば問題なかったじゃない!」

(#'A`) 「なんだとぅ!……ん?」

ξ゚⊿゚)ξ 「…ん?……なにあれ。なんか来る?」

('A`) 「…あのじいさん、あんなに急いでどうしたんだ?」

 * * *


203名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:51:31 ID:CIdRmbio0

 いいか、ブーン、デレよく聞きな。
 あの山の奥では神隠しが起きるって話はしたことあるよな?

 でもな、いつからか人間が神隠しにあわないように護ってくれる神様がでるようになったんだ。
 迷い混んだ人間を里まで連れて来てくれる狐と狸のありがたい神様がな。

 たぶん、お前たちが見たおっかないのは、道案内しようとして出て来てくれた神様だったんだ。
 だから、感謝はしても、うらんじゃならねぇよ。
 そうじゃなきゃ、おまえらはもっと酷い目にあったんだから。

 とりあえず、昨日はじいちゃんがお礼しておいたけれど、今日皆で改めてお礼に行こうな。
 大丈夫。じいちゃんも一緒だから、怖くなんかねえよ。

 そうそう、今度からはは暗くならない内にちゃんと帰えってこような。
 神様は気まぐれだから、いつでも助けてくれるわけじゃないからよ。


204名も無きAAのようです :2012/08/20(月) 01:52:41 ID:CIdRmbio0


  (
   )
  i  フッ
  |_|




( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1345353530/

[ 2013/06/25 19:57 ] 短編 | CM(0)
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