まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ('A`)は忘れられたいようです


318名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:08:25 ID:QO7sUJEA0

首を絞める、ギリギリと。

愛しい人の首を。

私は狂ってなどいない、狂っているのは彼だ。


(;*'A`)「カハッ…しあ、…わせ…」

スッ
川 ゚ -゚)「…」

私は彼が恍惚の表情になった処で手を離す。

(;A`)「…あ」

すると彼の表情はみるみると泣き顔になっていく。
仕方がないので、また、首に手をやり、きつく絞める。

(*'A`)「ハッ…クッ…」

毎日彼はこの行為をひたすら望むのだ。




319名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:09:08 ID:QO7sUJEA0



('A`)は忘れられたいようです。



.


320名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:09:48 ID:QO7sUJEA0

新しいクラスになった時から教室のど真ん中に一つ、その空席はあった。

川 ゚ -゚)「…この席は一体だれの席なんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「ただの空席じゃないの?」

川 ゚ -゚)「ただの空席が教室にあるわけないだろ。しかもど真ん中に」

ξ゚⊿゚)ξ「だって、名簿を見たってクラスの全員揃っているじゃない」

川 ゚ -゚)「…まぁ、な」

それでもやはり私はこの奇妙な席が気になった。
というか、なんで皆気にならないんだ。生徒も先生も。


私だけがその机を気になっていた。


321名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:10:31 ID:QO7sUJEA0

8月になっても、毎日机の持ち主の事が気になって仕方がなかった。

そこで、私はこれが所謂恋なのだと言うことに気付いた。初恋だった。


川 ゚ -゚)「…ラブレターでも机の中にいれてみるか。」

男か女かも分からないけれど。まぁ、どちらにせよ、名前も顔も性格も、存在すらもしらなかったから性別なんかどうでもよかった。

返事なんか勿論望んでなんか居なかった。

しかし、次の日、私の机の中には手紙が入っていた。

手紙には真っ赤な字で「今日の放課後、教室で」と書いてあった。

その字が血で書かれた物だと言うことは言われなくても分かった。


322名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:11:31 ID:QO7sUJEA0
そして放課後。
私以外の生徒が帰った教室に、見たこともない男子が空席に座っていた。いつのまに。

川 ゚ -゚)「…。」

('A`)「いつも俺の席みてたよな、お前」

最初に話かけてきたのは彼だった。

川 ゚ -゚)「知ってたのか?」

('A`)「あったりまえだろ。クラスメイトなんだから」

彼はやはり、このクラスの生徒らしい。

川 ゚ -゚)「しかし、君の出席番号はないが…」

('A`)「先生が忘れたんだろ。」

川; ゚ -゚)「そんなばかな。」

('A`)「津出ツンデレは一年の時、同じクラスだったんだが、アイツも俺を忘れてる」

川 ;゚ -゚)「…幽霊なのか?君は。」


323名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:12:11 ID:QO7sUJEA0
彼は高そうな万年筆を胸ポケットから取出し、腕に思い切り突き立てた。

真っ赤な血が、床に垂れた。

('A`)「俺の知ってる世界じゃ、幽霊は血流さないぜ?」

川 ゚ -゚)「あぁ、私の知ってる世界でもそうだ。」

これが私と彼のファーストコンタクトであった。

そして彼は腕に突き立てた万年筆で、彼の机に真っ赤な字で「俺も好きだ。」と、ラブレターの返事もくれた。

単純に嬉しいと思った。これが恋なのか。いいものだな。


324名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:12:51 ID:QO7sUJEA0



彼は、放課後にだけ現れた。

川 ゚ -゚)「何故、クラスに来ないんだ」

('A`)「来る必要ねぇだろ。見えないんだから」

川 ゚ -゚)「まぁ、そうだが…。普段はどこにいるんだ」

('A`)「暗室。写真部の」

川 ゚ -゚)「ほう、写真部か、いいな」


次の日、担任に入部届けを持っていったら写真部なんか存在していないと言われた。


325名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:13:37 ID:QO7sUJEA0
川 ゚ -゚)「写真部なんかないそうだが」

('A`)「…忘れられてるんだろ。来るか?部室。」


彼について行くとなるほど、部室はあった。

('A`)「ここが暗室、俺の大好きな場所なんだ」

入ると本当に光という光が入らない設計になっていた。

目を閉じているのかいないのか、分からなくなるぐらいにそこは暗かった。


326名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:14:19 ID:QO7sUJEA0
「ここにいると、自分が存在しているかいないか分からなくなるんだ」

暗闇に溶け込んで見えなくなった彼が、そう言った。

川 ゚ -゚)「君は存在しているよ」

「…俺は、この世から消えたいんだよ」

川 ゚ -゚)「…ほう」

「だから、この暗室に一年から今まで毎日毎日毎日入り浸っているんだ」

川 ゚ -゚)「物好きな奴だな」

「そしたら、皆俺を忘れて来たんだ」

川 ゚ -゚)「…?」

「俺は、一年の頃は津出ツンデレと仲が良かった。しかし、彼女は俺を忘れてる。担任なんか、三年間かわってないんだぜ?それなのに名簿に俺の名前は記載されてない」

川 ;゚ -゚)「…なんで、そんな事に」

('「さぁな、でもな、俺にとっちゃあこれはとても幸せな事なんだ。」

川 ゚ -゚)「忘れられる事がか?」

('A「そうだよ、1人に忘れられるたびに俺の心臓は跳ね上がるように鼓動を速める。まるで、恋をしているかのように」

川 ゚ -゚)「恋、か。」

('A`「おう。もう少しで俺は完全に忘れられて消える事が出来たかも知れないのにな。お前のせいで台無しだ」

川 ゚ -゚)「残念だったな。」

('A`)「あぁ、本当にな。だけど、きっと、お前に忘れられたのなら、俺は次こそ世界中の全ての人間から忘れられる事になるんだろう。それが、それが今はとても待ち遠しい」


327名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:15:03 ID:QO7sUJEA0
暗室でも、暗闇になれれば彼の顔を見ることができた。

彼は自分が何故みんなに忘れられてしまったのか分からないようだったが、私はなんとなく分かった。

この暗室の暗闇が彼を暗闇へと引きずりこんでいるのだろう、と。

こんな暗闇の中で、彼を認識するのはきっと暗闇と忘却と私だけだろうから。


328名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:17:36 ID:QO7sUJEA0



私と彼は、毎日のように放課後暗室にいた。

何故だか、ずっと昔から私はここを知っているような気分にもなった。
勿論、彼に出会う前に暗室なんか入った事はない。

卒業式の日も、やっぱり私たちは暗室にいた。


329名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:18:59 ID:QO7sUJEA0
('A`)「仲の良い奴に忘れられるだけで幸せなんだ、愛しい人に忘れられたらさぞかし俺は幸福なんだろうな」

川 ゚ -゚)「ふむ、しかし、私は君を忘れる事なんかできやしないぞ。愛しているのだからな」

('A`)「そこで、俺は思ったんだ。」

川 ゚ -゚)「何をだ?」



('A`)「俺を殺してくれ」




川 ゚ -゚)「…そうきたか」

彼はこの学校、いや、この暗室から離れることはできないのだ。彼にとって暗室の暗闇は酸素のようなものだった。
このまま私が忘れなければ彼は一生この暗闇に囚われたままになってしまう。

彼を忘れられない私にできることは彼を殺すことだけだった。


330名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:19:52 ID:QO7sUJEA0

('A`)「死人は忘れられる、絶対にだ。その時、人間は本当に死ぬんだ」

私は床へ横たわった彼へ跨り、彼の細い首へと手をあてた。

川 ゚ -゚)「もし、それでも私が君を忘れられなかったら?」

('A`)「俺はずっと生き続けるんだろうな。まぁ、大丈夫だ、そんな心配はいらない。絶対にお前は俺を忘れる。そうして俺は真の幸福を手に入れられるんだ」

私は彼の首を力強く絞めた。

こうして彼は幸せそうに、生き絶えたのだ。


331名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:20:32 ID:QO7sUJEA0







私は毎日、暗室に通う。
そして、目が慣れない間に床へと引っ張られる。

「さぁ、今日こそ俺を殺してくれよ」

彼は確かに、あの時死んだ。
死体は暗闇に消えた。

死体は無いし、誰も彼を覚えていないのだから私は罪人になんかなりはしない。透明人間を殺しても犯罪者にならないのと一緒だ。

だけど、彼を殺した事は事実だ。

なのに、この暗室に彼はずっと存在していた。私が彼を殺したその日から、教師となってこの学校に戻ってくるまで、ずっとだ。


332名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:21:20 ID:QO7sUJEA0

暗闇に目が慣れてくると、愛しい彼の顔が見えた。

川 ゚ -゚)「なぁ、君は、幽霊なのかい?」

私が質問すると、彼は高そうな万年筆を胸ポケットから取出して腕に突き立てた。


真っ赤な血が、床に流れた。


333名も無きAAのようです :2013/03/22(金) 19:22:50 ID:QO7sUJEA0
('A`)は忘れられたいようです

投下おわり。



o川*゚ー゚)oブーン系小説&イラスト練習総合案内所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1363195136/

[ 2013/03/24 22:34 ] 総合短編 | CM(0)
[タグ] ('A`) 川 ゚ -゚)


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