まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

 スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | CM(-)


 ('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚)

※関連 (知らせる者たち、までは 【 イラスト+α 】 まとめ様へのリンク)
知らなくていい知っていてほしい知らせる者たち - 知らせていく - 知らせる義務

3 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 21:53:56.30 ID:S6t4hUqvO
月ほどもある小惑星が、破片をばらまきながらゆっくりと、しかし確実に地球を目指していた。



赤道に近いVIPにはロケット発射基地が多い。
そこでも最も巨大かつ最新鋭の発射基地、スレッド基地は基地が稼働して以来、最も忙しい一日が展開されていた。
この星最後のロケットを打ち上げるために。


('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「ドクオ、最終チェックも終わったよ。学者組は過労死寸前だった」

黒髪の女性、素直クールはこの基地最高の科学者として報告した。
('A`)「よかった、間に合いそうだな。それとクー」




5 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 21:58:09.72 ID:S6t4hUqvO
ドクオと呼ばれた男性、宇都田ドクオはこの基地の総司令として受け取った。

川 ゚ -゚)「なんだドクオ?」

('A`)「一応、俺は上司なんだぜ」

川 ゚ -゚)「いいじゃないか、二人っきりだし、恋人に飾ることなど不要だ」

('A`)「そうか、不思議だな」

川 ゚ -゚)「なにが?」

('A`)「恋人って階級は、あらゆる社会的階級から独立し、かつ最高の地位にある」

川 ゚ -゚)「生物として子孫を残す行動は優先的だ。恋人という関係はその道のりで、やはり優先的だ。自然の理だな」

そうか、とドクオが納得したのを見てクールは左手を差し出す。
当たり前のようにドクオが右手で握った。
ほんの少し着崩したスーツと皺一つ無い白衣。


6 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:01:34.59 ID:S6t4hUqvO
川 ゚ -゚)「指令室に行こう、あと二時間で始まりだ」

二人はオフィスを出て、大騒ぎの基地をゆっくりと歩いた。
川 ゚ -゚)「いやはや、我々もやる気になれば何だってできるんだな」

('A`)「三日で衛星作って打ち上げるって?人員と金さえありゃ、いつだってやってやるさ」

得意気にドクオは言った。
超の付く精密機械をわずか三日で完全させたのは一人の力ではなかった。
逃げたしてもいい人々が仲間が命を削って働いた、その結果だ。
それでも、事務職の天才ドクオとVIP屈指の科学者クールがいなければ、もっと時間がかかっていただろう。
大混乱の中から大量の人員と金を集め、政府から認可をもぎ取り、全人類の知識を詰め込む作業は平常でも非常時でも不可能だろう。



7 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:04:57.59 ID:S6t4hUqvO
しかし
('A`)「流れ星は消える間際が美しい」

この事態は平常でも非常でもなく、生命の炎を惜しみなく使うべき事態だ。
二人が指令室に着くとそこはコーヒーとタバコの匂いでいっぱいだった。
巨大なモニターや大量の計算通信機。
命を削る職員たち。
職員一人一人の顔が、忙しく、満ち足りたものだった。
川 ゚ -゚)「ミサイルは?」

('A`)「大丈夫だ、シャキン大将が手配してる」


9 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:08:25.25 ID:S6t4hUqvO
もうすぐこの星の大気に小さな隕石がぶつかり始める。
その破壊的な石ころから、ロケットを守らなければならない。
('、`*川「博士!最終確認が終わりました!大丈夫です!」
クールの助手のペニサスが興奮気味に報告した。

川 ゚ -゚)「そうか、軌道は?」

('、`*川「軍さえうまくやれば」

クールがモニターのボタンを押すと、ロケットの全体図が映る。
いつかこのロケットに乗って、宇宙を走り回って、宇宙で理想の男と結婚することがクールの夢だった。
今となっては叶えられそうもないが、四分の一程度なら叶いそうだ。

そんな夢の欠片を思い出して、クールはふっ、と笑った。


10 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:12:32.01 ID:S6t4hUqvO
「宇宙ステーションより最終連絡です!!」

誰かがそう叫ぶと職員は一斉にメインモニターを見ました。

『从 ゚∀从 ひゃっはー!!こちらステーション!!隕石群とクソ小惑星の最終データを送るぜ!!』

『 _
( ゚∀゚) あと五分で、このステーションは隕石群に接触する!!帰りの電車はいらねぇぜ!!』

赤髪の女と眉毛が特徴的な男がハイテンションで叫んだ。
宇宙ステーションは隕石群の直撃を受けて粉々に砕け散るだろう。
('、`*川「…予定通りです」




11 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:18:24.35 ID:S6t4hUqvO
('A`)「そうか、ステーション!こちらドクオ司令だ!」

ドクオはあの絶望的なステーションに残ってくれた二人に、感謝しきれない。
('A`)「最終データは確認した!貴重なデータを感謝する、必ず打ち上げてみせる!」

『从 ゚∀从 そりゃそうだぜ!』

『 _
( ゚∀゚) じゃなきゃ報われねーよ!任せたぜ!』

川 ゚ -゚)「………」

('A`)「最終任務ご苦労だった!全職員!敬礼!」

この中に軍人などほんの僅かしかいない。
だが職員の手は自然と敬意を示していた。
今ステーションに残り、最後の最後までデータを送り続けるということは、逃れようの無い死に他ならない。



12 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:21:59.94 ID:S6t4hUqvO
『从 ゚∀从 ステーション通信終わり!』

プツリ
モニターが元のロケットのカメラ画像に戻る。
間違いなく、彼らはステーションと運命を共にしただろう。
('A`)「さぁみんな!あいつらのためにもなんとしても打ち上げるぞ!」

各所から誓いの叫びが上がり、指令室を熱気が包む。
川 ゚ -゚)「データオールクリア」

('、`*川「ロケット準備完了、最終チェック、予備動作問題なし」

「軍司令部より入電!」

('A`)「メインモニターに」

巨大なモニターに屈強そうな男が映る。



13 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:24:26.85 ID:S6t4hUqvO
無駄に輝く勲章はその地位の高さを示していた。
(`・ω・´)「ドクオ君、こちらも準備が出来た。発射時間は予定通り1600」

('A`)「了解、1600…色々とありがとうございましたシャキン大将」

ドクオが深々と頭を下げると、画面の軍人は微笑んだ。
(`・ω・´)「いい、いい、どうせ使うならこんな祭りが一番いいんだ。大体、お前が言い出さなかったら俺は無為に死んでいた、礼を言うのはこちらの方だ」

('A`)「いえ、自分は」

(`・ω・´)「いいんだ、これでな。あと十分だ、かかれ」

('A`)「はい!」

画面が変わる、通信が切れる瞬間、微かに破裂音が聞こえた。



14 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:27:54.92 ID:S6t4hUqvO
しかし、ドクオや職員たちの頭はそんな些末なことを捉える余裕は無かった。
モニターは切り替わり、ロボットアームが離れていくカメラ画像に変わる。
('A`)「カウントダウン開始!」

川 ゚ -゚)「隕石群、軌道、演算通り」

('、`*川「軍基地より核ミサイル第一弾発射を確認」

放たれた人類最強の兵器は人類最高の花火として、盾として、軌道上で炸裂し大気に群がる全てを薙払う。
発せられた熱とエネルギーはやって来る小惑星は破壊できないが、その破片程度なら容易く破壊できる。



15 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:30:56.42 ID:S6t4hUqvO
川 ゚ -゚)「軌道に乗ったら、上のカフェでコーヒーだ」

それは誘いで、人生最後の一杯の共有。
無表情なクールの顔にわずかな朱を認めるとドクオは

('A`)「了解」

あっさりと淡泊に引き受けた。
いつものドクオだった。
クールはまた軌道確認に戻る。
ドクオもそんなクールを少しだけ気にしながら作業に戻った。
('、`*川「第三弾着弾、第八弾発射を確認」

墓標を言葉を祈りを載せたロケットの行く手は誰にも邪魔されない。
カウントダウンはいよいよ縮まり人々の緊張を増幅させていく。
川 ゚ -゚)「行け、我らの墓標よ…空を破り星を巡り、誰かに…」



16 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:34:30.86 ID:S6t4hUqvO
クールの呟きはカウントダウンにかき消されたが、その精神はロケットに運ばれいつか、どこかの星の人々に伝わるだろう。
5!4!3!2!1!

('A`)「発射!」

地響きを鳴らし煙を吐き出し、ロケットは天へ旅立っていく。
その行く先をVIPの花火が焼き払い切り開いていく。
しかし、世の中はそう、うまくはいかない。

川;゚ -゚)「あぁぁぁぁドクオ!」

クールが叫び同時に軍から通信が入る。




17 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:37:29.87 ID:S6t4hUqvO
(;`・ω・´)「ドクオ君!」

(;'A`)「ミサイルですか!?」

返事を待つまでもなかった。
軍からのデータ、そしてクールの表情が全てを物語っていた。
川;゚ -゚)「第十一弾のミサイルが予定軌道を外れている!」

もし予定通りにミサイルが爆発しなければ、無数のデブリがロケットをズタズタに引き裂くだろう。
(;'A`)「ミサイルの軌道変更を!」

(;`・ω・´)「無理だ間に合わない、くそっ余計なことを!」


18 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:41:19.70 ID:S6t4hUqvO
(;'A`)「クー!軌道を!」

クールなら、やってくれる。
そんな淡い、虚しい現実逃避が一斉にクールに刺さった。
それが不可能と、知りながら。
川;゚ -゚)「ぅぅぁ……」

クールがその細い指を走らせて次々と数式を組み立てていく。
ロケットの軌道をずらし、隕石群を避けようとするが

しかし
川; - )「だめだ!間に合わない!」

無情にも新しい数式の入力が終わる前に隕石群はロケットを粉々に破壊するだろう。
('A`#)「おおおおおお!!」

ドクオがモニターを宿敵と睨みつけキーボードを叩く。
どんな数値を入力しても、誰も人類の知を、思い出を乗せた墓標救うことは出来ない。



19 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:48:54.72 ID:S6t4hUqvO
川;゚ -゚)「あぁあ…」

('A`#)「ちくしょう!!」

基地の全員が、関わる全員が奇跡を願った。
どんなことがあっても、誰かに届けてほしい。
こんな場所で消えてはならない。
人類の知心が、人類と運命を共に…

双子の神様が、輝いた。

川 ; -;)「え?」

('A`;)「な……」

モニターに信じられないことが起こる。
ミサイルが本来の軌道に戻りはじめた。
そして予定軌道に乗り、炸裂、ロケットは守られ進んでいく。
川;う -゚)「これは…」

('A`;)「一体、なにが…」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/09(火) 22:53:15.78 ID:S6t4hUqvO

この基地の誰も、軍さえも何も出来なかった。
それなのに、墓標はロケットから切り離され、誰も知らない海に旅立っていく。
('A`;)「き…奇跡……?」

全員が歓声を上げていいこの場で、誰一人、説明できず。
ただ、唖然と旅立つ墓標を見守る。
そして、一拍おいて雄叫びが上がった。
ガラスが割れる程の、心から爪先までを駆け巡る激情。
歓声が基地を揺らし、こぼれ落ちる涙が基地を濡らした。
彼らは成し遂げたのだ、誰がやったかわからない奇跡に助けられて。
彼らは命を削り、成し遂げたのだ。
人類の、最期の科学者として、やれるだけのことを。



21 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 22:57:45.45 ID:S6t4hUqvO
二人は最上階のカフェテリアにいた。
従業員もおらず、誰一人として彼らの邪魔をする者はいない。
もう時間も無いため職員たちの大半は愛する人のもとへ、家族のもとへ帰ったのだ。
傑作を送り出したこの基地に残るのは、相当な物好きだろう。
川*゚ -゚)

('A`*)

向かい合ってコーヒーを飲む二人は最初から残るつもりだったのかもしれない。
クールが誘わなくても、間違いなくドクオが誘っていただろう。
('A`)「妹がいるんだろ、いいのか?」

俺と一緒にいて、という言葉は省略された。
彼と彼女には必要ない一言だから。
川*- -)「いいんだ、あいつらにはあいつらの人生がある」

('A`)「そうか」


22 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 23:02:31.41 ID:S6t4hUqvO
クールは空を染める星を眺めて、ふぅ、と一息。
もう空は明るく、日が無い空を流れ星が埋めていた。
月を隠して、月より光る星が、近づいていた。
川*゚ -゚)「なぁ、ドクオ」

('A`)「ん?」

川*゚ -゚)「結婚しよう」

もう二人には、やり残したことは、たった一つしかないのかもしれない。
それは、生命の危機による、種の保存本能かもしれない。
しかし、それでもその気持ちは本物だ。
('A`)「ドレスも神父もいないぜ?」

川*゚ -゚)「コンピューターが神父で、白衣がドレス、似合ってるだろう?」

('A`*)「ああ、似合ってる」

ドクオが少しだけ、身を乗り出しクールの手に手を重ねた。

川*゚ -゚)「誓いの言葉は省略だ」

二人の唇がそっと重なる。
二人に言葉は必要なく、ちょっとした印さえあればいい。
そしてその唇が離れる前に・・・


24 :('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚) :2010/11/09(火) 23:05:17.92 ID:S6t4hUqvO
カプセルのような銀色の探査機が、黒く空の海を渡っていく。
人類と名乗った生き物の、知識と心が詰まった墓碑。
何年かかるかわからないが、必ず誰かの目にとまり、人類の心を伝えていくだろう。
表面に、びっしりと文字が書いてある。
この計画に携わった全ての名前が。
    宇都田ドクオ
    素直クール


二人の名前は、寄り添うように並んでいた。



※関連 (知らせる者たち、までは 【 イラスト+α 】 まとめ様へのリンク)
知らなくていい知っていてほしい知らせる者たち - 知らせていく - 知らせる義務
('A`)知らせていくようです川 ゚ -゚)
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1289306866/

[ 2012/12/29 11:32 ] 短編 | CM(0)
[タグ] ('A`) 川 ゚ -゚)


コメントの投稿


 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。