まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ( <●><●>)独白をグラスに注ぐようです

279名も無きAAのようです :2015/02/14(土) 18:48:04 ID:fXA2ulwI0
カウンターには女と男が一人ずつ座っていた。

( ^ω^)「何にしましょうかお?」

愛想のいいバーテンが二人に注文を訊く。

( <●><●>)「僕は水割り、彼女にはルシアンベアを」

彼は彼女が一番好きなカクテルを注文した。
彼女のことならなんでも知っている。

o川*゚ー゚)o「ねえ」

静かなインストゥルメンタルジャズに被せて彼女が彼を呼ぶ。
先に出された水割りを片手に、彼は彼女と目を合わす。

o川*゚ー゚)o「別れましょう。私たち」

優しいピアノの旋律の中、彼は水割りのグラスをカウンターに置くことしかできなかった。


280名も無きAAのようです :2015/02/14(土) 18:49:22 ID:fXA2ulwI0



( <●><●>)独白をグラスに注ぐようです

281名も無きAAのようです :2015/02/14(土) 18:51:21 ID:fXA2ulwI0
( <●><●>)「わからないんです」

o川*゚ー゚)o「何が?」

( <●><●>)「どうして私たちが別れてしまうのか」

o川*゚ー゚)o「……それがわからないから、別れるの」

さよなら。

カウンターに金を置いて彼女は去った。
律儀にも、自分が飲んだ分だけをきっかりと残していった。
いや、これは貸し借りを作りたくないからそうしただけだろう。
彼女はそういう性分だと、彼はわかっている。

282名も無きAAのようです :2015/02/14(土) 18:52:58 ID:fXA2ulwI0
彼女のことは何でも解っているつもりだった。
好きな映画も、本も、服も、お酒も。
彼女に喜んでもらえれば幸せだった。

( <●><●>)「貴方の欲しいものはわかってます」

本当に?と悪戯っぽい笑みを浮かべる彼女に、銀の指輪を差し出す。

o川*゚ー゚)o「すごおい!どうしてこれが欲しいってわかったの?」

( <●><●>)「言ったでしょう?わかってるって」

o川*゚ー゚)o「わあ!サイズもぴったり!」

o川*^ー^)o「お誕生日には、私もワカに何かあげるね!」

そう言って笑ってくれるだけで十分だった。
ワカッテマスの誕生日には、彼女からマフラーが送られた。
ワカッテマスの好みではなかったが、彼女が一生懸命選んでくれたのは解っている。
その気持ちが嬉しかったから、今日もそのマフラーを付けてきた。

283名も無きAAのようです :2015/02/14(土) 18:54:09 ID:fXA2ulwI0


o川*゚ー゚)o「別れましょう」

不意に、先ほどの言葉がよみがえる。



何故別れるのか。
彼女が去った今も解らない。
私は彼女を愛していた。彼女は私を愛していなかったのだろうか?
いや、彼女は度々私に愛していると言ってくれていた。
嘘でそんなことを言うような彼女ではないし、それで私は彼女からの愛を感じていた。
では、私の愛は彼女に届いたのだろうか。
届いていない、あるいは愛と受け取ってもらえないから、こんな結末になったのか。

ワカッテマスは一つの仮説を立てる。
『私は本当は、彼女が好きだったのではなく、彼女が欲しいと思っているもの、
 彼女がして欲しいと思っていることを、忠実に実行する自分が好きだったのではないか?』

一度は置いた水割りを大きく傾ける。
氷でよく冷えているはずの水割りは熱湯のような熱さを伴って喉を下っていき、
一旦胃に留まってから全身へと広がっていく。


( <-><->)ハァ


溜息と共に熱を吐き出すと、頭の中が少し冷えた。
ワカッテマスはやはり、彼女のことを愛していた。
しかし、彼女への愛は伝わることなく、彼女を通り抜けて自分へ届いていたのだ。



( <-><->)「君が私を愛せないと言う前に、君の愛し方を教えて欲しかった」



そういう言うべき相手は今はもういない。
今となっては、すべて独白に過ぎない。
再びグラスを傾けるも、水割りはもう残っていなかった。

284名も無きAAのようです :2015/02/14(土) 18:55:49 ID:fXA2ulwI0
( ^ω^)「あの」

カウンター越しにバーテンダーから声がかかる。
シェーカーを持って困ったように微笑む彼。
ああ、そういえばさっき彼女のためにルシアンベアを注文したのだ。
しかし、それを飲むはずだった彼女はもういない。
もういいんです、結構です。と言おうとしてやめた。

( <●><●>)「これに注いでくれませんか?」

バーテンダーに水割りを飲んだグラスを差し出す。

( ^ω^)「新しいグラスでお出ししますお」

( <●><●>)「いいえ、これでお願いします。このグラスで飲みたいんです」

バーテンダーは一瞬躊躇したが、静かにワカッテマスのグラスへカクテルを注いだ。

ルシアンベア。
ウオツカとジン、カカオリキュールに生クリームを加えた甘いカクテルだ。
これが、彼女が好きなカクテル。
いや、正確には『彼女はこれが好きだと自分で決めつけていた』カクテルだ。
注がれたとき同様に、ワカッテマスは静かに酒を傾ける。
記憶の中では甘いはずのそのカクテルは、ウィスキーの香りと混ざって何ともいえないものになっていた。
胸につかえるような、苦しい味がする。


( <●><●>)「失恋したのはわかってます」


飲み込んだ独白が口から溢れた。
夜はまだ、明けない。


★☆★ マイナーカップリング祭り専用スレ ★☆★
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