まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ('A`)今時の英雄は時給800円のようです

1名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 19:58:54 ID:Ojzu6yGo0



こんなおれには、誇れるものなど何もなかったのです。



だから少しくらいは、人の役にたちたかった。
誰かから求められたかった。

安月給でいい、名誉職だから。
そう考えられていたのは最初の一ヶ月だけでした。


2名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:00:43 ID:Ojzu6yGo0
プロパガンダの強さはすなわち国の脆さで、また政府のだらしなさだと言われて数十年が立った。

プルルルルル……

「―――はい、もしもし」ピッ

人類ってやつはまったく進歩せずじまいで、困った事に日本国の世間様の縮図ってのは今も昔も変わらない。

「……了解しました。南自営市ですね。敵の規模は?……えぇ。えぇ……はい」

いじめはどれだけ取り沙汰されてもなくならないし、老人はこんな時代でも最近の若者は~と言い続けるんだろう。

そんな日本に近年大きな変化が見られた事件が一つあった。

それが、所謂「悪の組織」というものの誕生だ。

('A`)「はい。至急そちらに向かいます。では、失礼します」ピッ

('A`)

('A`)「……はあ」

5名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:05:06 ID:Ojzu6yGo0

('A`)「……やだなぁ」

俺が思うに、強者と弱者が調律を保つ、そんな世界は続かない。
ちょうどいいバランスってのはいつでも対立であって対等ではないのだ。


救ったものに救われる、そんな時代はとうに昔。

いまの時代はもっと残酷。

( A )「――――――鬱だ」


救ったものに、巣食われる。

6名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:05:51 ID:Ojzu6yGo0




('A`)今時の英雄は時給800円のようです

8名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:11:45 ID:Ojzu6yGo0
('A`)「おーい、タクシー!へいへーい」


('A`)「ふぅ……すまんね、南自営市までお願いします」

('A`)「え?南自営市は怪人が現れて暴動の真っ最中?あぁ、大丈夫ですよ」

('A`)「俺、ヒーローですから」


言いながら、ぴらりと定期入れから「英雄証」を取り出し、提示した。
それを見た運転手は一瞬だけ驚きを見せたが、すぐにその上から明らかな嫌悪の表情を上乗せする。

非常時に限り、この英雄証はフリーパス券に様変わりするのだ。
悪の組織の「怪人」や「怪獣」を即座に倒す為に、どんな交通機関も無料で利用出来るのだ。

つまりこの運ちゃんは危険区域まで命をかけてタダ働きしなければいけないのだ。
嫌悪の一つや二つくらいは当たり前なのだろう。

これも仕方のないことなのだな、と毎度思うのだが、やはりいつまでたっても慣れない。
いっそ、「お前らのためにやってんだぞ」と叫べるような性格だったら良かったのに。

9名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:18:49 ID:Ojzu6yGo0
―――南自営市

┌(┌ ^o^)┐「ホモォ!!ホモォオオオオオ!!!」

一般人「う、うわぁああああああ!!!」

街は大パニックに陥っていた。
突如街中に現れた変な生物。四足歩行で色白、背にリュックのようなものまで見える。
あれでも一応元は人間だというのだから驚きだ。

('A`)「あれか……一心腐乱怪獣【ほもくれ】」

【怪獣】。
これは悪の組織が生み出した危険生物である。
主に街を破壊したり、人に手傷を追わせたりする。悪いやつだ。
それを倒すのが我らが職業、「英雄」。
正義のヒーローだ。

そして俺は、その末端。

('、`*川「ほら、早く逃げるよミルナ!」

( ゚д゚ )「やだ!もう少し待つんだい!そしたらきっと正義のヒーローがやってきてくれるんだ!」

( ゚д゚ )「あんなばけもの、蹴散らしてくれるんだ!!」

('、`*;川「バカ言ってないで!!」

11名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:25:12 ID:Ojzu6yGo0
('A`)「そうだぞ。早く逃げなさい、少年」

( ゚д゚ )「……えっ?お兄さん、だれ?」

('A`)「俺か?ふっ……俺はな」


('∀`)「君が求めていた、正義のヒーローさ!!」バァーン

( ゚д゚ )

('、`*川

( ゚д゚ )「……うそつき」

('A`)「え?」

( ゚д゚ )「なんか思ってたのと違うヒーローはもっとかっこいいよ!そんな、一目でユニクロだとわかるような服装なんかきてない!」

(;'A`)「お、おい、失礼だな……ユニクロだって実用的だよ……俺がちゃんと活用出来てるかは置いといて……」

('、`*;川「い、いや、とにかく!そんなことより早く逃げないと!」

('A`)「あー……奥さん、たぶん大丈夫ですよ」

('、`*川「えっ……は、はい?大丈夫って?」

12名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:33:48 ID:Ojzu6yGo0

('A`)「えー……とりあえず、俺はほんとに英雄なんだよ、少年」

ぴら、とまた胸から英雄証を取り出した。
途端にその子供の怪訝な表情が一気に明るくなる。
近頃のガキは、なぜこうも現金な性格をしているのか。

(* ゚д゚ )「あ!ほんとだ!すごい!英雄証だ !!本物!!見せて見せて!!」

('A`)「はいはい、後でね……で、なんですが奥さん、いまあばれてるあの怪人は、あの挙動をみるに『危険度E』です」

('、`*;川「Eですか?……ああでも、プロの方がおっしゃるなら……」

怪人にも危険度というものがある。A~Fのその中でも全部で6段階だが、これは市民に対する警戒体制を示す時に用いられる。

このほもくれという化け物は、その下から二番目。

地震でいえば、震度3程度の警戒体制が必要となる。
つまりそこまで危険ではないということ。

14名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:43:11 ID:Ojzu6yGo0
('A`)「まぁ、俺のような末端英雄が呼ばれる時点で察しはついていましたが……というわけで、鑑賞なさるならそこでご覧になっていてください。恐らくあまり対した事はありませんので」

('、`*川「そうなんですか?……」

(* ゚д゚ )「ほんとに?見たい見たい!」

(* ゚д゚ )「お兄ちゃん!かっこいいわざ使ってね!」

('A`)

('A`)「うん。倒してくるよ」

そうして、少しだけ気が重くなった。
薄々わかっていた事なのだけれど、やっぱりそうだ。
少し勘違いしているのだ、この子は。

わかっててそれをやったのは、俺のこのストレスに対するあてつけだろうか。



┌(┌ ^o^)┐「うへへ……ホモを作る……イケメンをくっつけて……ホモを作るよォ……」

イケメン1「ぎゃああああ……やめっ……やめてくれええええええ!!」

イケメン2「嫌だ!!こんな見ず知らずの男と、キスなんかしたくないいいいいい!!!」

件の怪人ほもくれは、イケメン二人をお人形遊びのように手に取り、まさにキスさせようとしているところだった。

完全にイケメンに気を取られている。

チャンスだ。

('A`)

('A`)「……いくか」

スーツの上着を脱ぎ、ポケットからあるケースを取り出す。

16名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:54:05 ID:Ojzu6yGo0
手に収まる、フリスクサイズのそのケース。
一つ振れば出てくる、その丸薬。


通称「英雄薬」。

一口での飲み込み。

('A`)「……フッ!!」

漲る力を頼りに、即座に駆ける。
後から追いくるノロマな風を尻目に、俺は一瞬でほもくれの懐まで入り込み―――


┌(┌ ^o^)┐「ホモォ……えっ?」

('A`)「―――おらぁ!!」

疾風怒濤。無警戒の鳩尾に上段蹴りをかましてやった。
同時に携帯電話を取り、本部に連絡をかける。

┌(┌ ;^o^)┐「ボモ"ッ……ぎゃあああああああ!!」


そんな汚い断末魔と共に、重たいその体がずしんと崩れた。


('A`)「―――もしもし。南自営市に派遣されたドクオです。怪人ほもくれの撃退に成功しました」

('A`)「英雄薬は一粒使用。よろしくお願いします。では」

そうして、俺の仕事は終わった。

17名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 20:57:01 ID:Ojzu6yGo0
( ゚д゚ )「……」

('、`*;川「……すごい」

('A`)「いやぁ、どうでしたか?面白かったでしょうか」

('、`*;川「さすがですわ。ほんと、貴重なものを見r」

(; ゚д゚ )「―――どうして!!!」


('A`)「ん?」

(; ゚д゚ )「どうして変身しないの!!?」

18名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 21:08:05 ID:Ojzu6yGo0
('A`)「あー……」

それきた。俺はいま一番にそう思った。
こんな事して何になるのかと思ったが、俺はその子供に現実を教えてやる事にしたのだ。

('A`)「残念ながらなーミルナくん。変身出来るのは極一部の、上司の人たちだけなんだよー」

(; ゚д゚ )「嘘だ!!日曜日にテレビで見てる英雄とぜんぜん違うじゃないか!」

('A`)「そうだねえ。ああいう人たちは極一部なんだよ」

(; ゚д゚ )「それに、銃とか剣とか使わないの!?お薬で強くなっただけじゃん!」

('、`*;川「こ、こら、ミルナ……」

俺は多分、ここらへんでガキ相手にムキになっていたのだ。
もしくは全てを話す事で、このガキが英雄に憧れる事をやめて欲しかったのかもしれない。

('A`)「あー、そうなんだけどね。武器はいちいち使用許可とらなきゃいけないし、経費もバカにならないし、弱い相手だと判断されたら徒手空拳で倒すようにしなきゃいけないんだよ」

('A`)「それにこのお薬だってすごいんだぞ?変身する、いわば本物のヒーロー達の変身グッズによく似た効果を人体に与えてくれるものだから、選ばれし人にしか使えないんだ。ま、4人に一人くらい使えるらしいけどね」

(; ゚д゚ )「そんなO型の割合みたいなレベルで使えるの!?なんだよそれ!!しかも、攻撃不意打ちだったじゃん!正々堂々戦えよ!!」

('A`)「正々堂々って?」

(; ゚д゚ )「テレビの英雄達は、ちゃんと『許さないぞ!』とか『俺は○○!!』とか名乗ってから戦ってるよ!?お兄ちゃんそんなところまったくなかったじゃない!」

('A`)「あーあれ。あれただの時間稼ぎだから。あれやってる間に、カメラの外では俺らみたいな末端英雄が市民の避難誘導してるから」

(; ゚д゚ )「マジで!?夢も糞もない!!」

19名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 21:13:56 ID:Ojzu6yGo0
('A`)「というわけだよ少年。俺もそのうち変身ベルトなんかを巻けるようになるから、応援よろしくね」

たっぷりの皮肉とわずかばかりの期待をこめて放った言葉だった。

(; ゚д゚ )

対して少年はバツの悪そうな、そして少しだけ泣きそうな顔をしてこう言った。

(; ゚д゚ )「~~~~っっっ!!」






「――――――カッコ良く、ないっ!!」


―――――――――

――――――

―――

20名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 21:26:12 ID:Ojzu6yGo0
( ・∀・)「カッコ良くない、か!ははは、言われたもんだなぁドクオ!」

けたけたと上司が笑いかけてくる。
なんでこんなやつが俺の務める英雄本部VIP支部で唯一変身グッズの着用を認められた人間なんだろうと、俺はこの意地の悪い性格を見るたびに思う。

( ・∀・)「そんなこといってもこっちも職業だもんなぁ!どれだけ頑張ろうと認められなきゃいけないわけだからな」

( ・∀・)「英雄本部の上様に認められれば、子供達にも認められるんだよ。頑張れよー」

('A`)「……はぁ。そっすね」

( ・∀・)「なにしょげてんだよ。俺はお前に期待してんだぜ?」

雑用として、だろ。
そんな言葉は喉元で引っかかっては引っ込んで行く。

知ってるのだ。俺は、負け組だ。この業界は、若手の頃にどれだけ成績を残すかで変わってくる。
俺はそのスタートダッシュでコケた人間だ。

うだつの上がらない、たぶん一生かけても変身グッズを携帯することは出来ないのだろう。

底辺英雄の時給を、皆さんはご存知だろうか?


一日八時間労働(そこにサビ残2.3時間をプラス)の週休1日の月26日勤務。

お給料は、手取り12万円。

時給換算で、たったの800円。

高校生のアルバイトのようなレベルだ。

21名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 21:35:39 ID:Ojzu6yGo0
( ・∀・)「そうだよ。お前に期待してるからこそ―――」


( ・∀・)「こんな量の仕事を押し付けるのだよー!」

どさり、と書類の山が俺の机に乗せられた。
勘弁してくれ。こちとら、二日前にあんたにおしつけられた仕事さえ終わってないんだ。

いまずーっとPC見てるじゃん。ほら。そんな書類、目をやる暇もないよ。
やるなら他の人にやらせてよ。頼むから。

( ・∀・)「じゃあ、頼むな。よろしくぅ」

('A`)「……っざけんなよ」ボソッ

( ・∀・)「えっ?」

('A`)「……いえ。俺、まだまだ仕事終わってないっていうか……二日前にモララーさんのくれたプロジェクトの仕事もいまつきっきりでやってるので」

( ・∀・)「うん」

('A`)「もう手が足りないというか……あの、今日もサビ残確定というか」

( ・∀・)「お前バカか?」

('A`)「はい?」

23名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 21:39:17 ID:Ojzu6yGo0



( ・∀・)「英雄は、激務をこなしてこそなれるもんなんだよ。なに寝ぼけたこといってんだ?向上心はないのか?」

('A`)「え、いや、あの」





( ・∀・)「本物の英雄の輝きは、日曜日の朝の30分の活躍に収まらないところにこそあるんだよ」





('A`)「……」

とても良いことを言ったような気がしたが、それはサビ残を受け入れる理由には到底ならないだろうと、


諦めつつも俺はそう心の中で愚痴を吐いた。

24名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 21:44:34 ID:Ojzu6yGo0
―――「悪の組織」が出来たのはつい数十年前の事だった。

ちょうどその頃は、世の政治不信が取り沙汰されていたっけな。
当時の俺はその日暮らしの情けないフリーターで、政治など選挙も行かないレベル。非国民だと避難される立場だった。

俺をまるで人形のように縛り動かす、この「英雄法」さえ可決しなければ、きっと何年かたった今も選挙なんか行ってないだろう。

まぁそれはともかく、目先の金につられるカスしかいない日本の政治家どもに、ついに温厚な日本人も堪忍袋の尾が真っ二つだ。

それは例えば右翼や左翼と呼ばれる集団だったり創価と呼ばれる宗教団体であったり、およそこの和平国家日本の危険因子と呼ばれるそれらが、一同に力を合わせやがった。

思想を違う者共が協力を止むなしとしてしまうほど、当時の日本国は腐っていたのだ。

そうして彼らはいまの日本をぶっ壊すとの名目で、過激な行為を繰り返している。

何がやらしいかって?

こいつらが、地球滅亡を企んでいないこと。

こいつらを倒したから世界が平和になるとか、そういう事がないというところだ。

(゚、 ゚トソン「―――というわけで、本日はお時間をいただきありがとうございます。都村トソンと申します」

('A`)「はい」

敵は他にもいろいろいるものだ。

25名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 21:48:55 ID:Ojzu6yGo0
'A`)「はい、VIP支部担当の鬱田と申します。本日はどういったご用件で?」

(゚、 ゚トソン「はい、ではまず、こちらをご覧ください」

そういうとその都村さんとやらはやたらと高そうなバッグから封筒を取り出した。

そしてその中から、ある写真が飛び出してくる。

【(*'ω' *)】

('A`)「……こいつは」

(゚、 ゚トソン「お分かりですよね?悪の組織の怪人の一人、【ほんわか幼獣ちんぽっぽ】です」

知っている。
我らが敵、悪の組織に作られたモンスター、ほんわか幼獣ちんぽっぽ。
ゆるキャラのような可愛い容姿と、聞きようによっては下ネタにも聞こえる愛らしい鳴き声というアバンギャルドな特徴から人間にも人気を博する怪獣だ。

と、ここまで言った上で、今からこの女性が俺にものすごい剣幕で訴えかけてくるであろう事が予測できた。
出来ればこの場で逃げ出したかったものだが、あいにく事務所には他に誰もいない。
クソのモララーは敵陣地観察って名目でどっか行きやがった。恐らくラーメンでも食ってるんだろ。死ね。

俺が聞き返すしかないのかと思いながらも、一応言葉にはした。

('A`)「ええ、もちろん知ってます……けど、それが何か?」

26名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 21:55:28 ID:Ojzu6yGo0

(゚、 ゚トソン

(゚、 ゚#トソン「何か?じゃないでしょう!!」

そーら、きたぞ。
ドンッ、と机が叩かれる。飲み物が置かれてなくて良かった。

('A`)「……」

(゚、 ゚#トソン「知ってるんですよ!ちんぽっぽちゃんは、ここ一週間悪の組織の療養施設でずーっとこもってるそうじゃないですか!!」

(゚、 ゚#トソン「あなたが!!一週間前にあんなに手ひどく攻撃したせいでね!!」

こういうことだ。俺が一週間前に街を襲っていたちんぽっぽを撃退して、今に至る。
ちんぽっぽは敵の怪獣にも関わらず、その愛らしい姿形から人間の女性人気が高く、手ひどく攻撃しようものならこうやってクレームをつけにくるキチガイもいる。

はぁ、ともう一度ため息をついた後、脳内で多分無意味だろうと思われる理論を武装していく。

('A`)「でもですねぇ、都村さん。向こうは街を壊しにきてるんですよ?人だって殺されかねない。当たり前の事でしょう?」

(゚、 ゚#トソン「だから何なんですか!?」

だから困ってるんですが。

と言いたいが言えない。

(゚、 ゚#トソン「ちんぽっぽちゃんは幼い怪獣ですよ!?まだ破壊衝動も確立されてません!そんな状態のちんぽっぽちゃんが少し人々にちょっかいかけたくらいでなんでそこまで痛めつける必要があるんですか!?あなたは2.3歳の子供がお皿を割ったりしたら、なぐるんですか!?」

('A`)「えええ……いやいや、子供に例えないでくださいよ。あいつ、めちゃくちゃ力強いんですよ?握力62トンとか背筋力が200万kg相当って噂ですもん。本気出したら六本木ヒルズをジャーマンスープレックス出来るらしいじゃないですか。そんなやつを止めるのにどれだけ労力いると思ってるんですか」

(゚、 ゚#トソン「知りませんよそんなの!!それはあなた方の仕事でしょう!!それは怠慢ではありませんか!?」

('A`)「うっわだめだこいつ話にならねえ……」ボソッ

(゚、 ゚#トソン「なんですか!?」

('A`)「ああ、いえ何も。うーん。……」

27名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:04:42 ID:Ojzu6yGo0
('A`)「でもねえ、わかってください都村さん。奴は、敵です」

(゚、 ゚#トソン「でもちんぽっぽちゃんの危険度はFですよね!?」

('A`)「Fでも、敵は敵です。これからAランクまであがる可能性だって十二分にあります」

('A`)「そうして市民への暴動を起こし始めたら最後です。芽は早いうちに積んでおかねばならないんです」

(゚、 ゚#トソン「はぁ!?」

勘弁してほしい。
俺はここからデスクワークがたんまり残ってるんだ。これ以上時間はかけたくない。

('A`)「どうかわかってください都村さん。あなただって、そのちんぽっぽちゃんが凶暴になって、ケガなんかさせられたくはないでしょう?」

(゚、 ゚#トソン「~~~~!!あのねぇ!!」

('A`)「え?」

29名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:08:50 ID:Ojzu6yGo0
(゚、 ゚#トソン「ちんぽっぽちゃんは、とっても可愛いものが大好きなので」

('A`)「え……はい」



(゚、 ゚#トソン「私が危害をくわえられる事は、無いんですけど!?」


('A`)


(;'A`)


(;'A`)「……はぁ?」

(゚、 ゚#トソン「はぁ?じゃないでしょうが!!!まったくあなたはちんぽっぽちゃんの気持ちもうんぬんかんぬん~~~~」

(;'A`)

30名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:10:02 ID:Ojzu6yGo0




―――なんだって英雄は、こんな馬鹿な奴らまで守ってやらなきゃいけないんだ?

40名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 01:17:07 ID:A58mJtH60

じゃじゃじゃ、と土にぶつかるお湯が湯気を生む。
しかし、そんなすこしの水分はすぐに冷気を呼ぶ。
子供の頃は思いもしなかったなあ、まさかヒーローのお昼ご飯がカップ焼きそばだなんてね。

俺はいま、昼食休憩として近くにある自然公園に出てきている。
季節が季節ということもあり、マフラーにコートの重装備でもさすがに寒い。
それでも外に出てきたのは、モララーのウザさとこの寒さを天秤にかけた場合、いうまでもなく激しい傾きを見せるからだ。

('A`)「はー……さみっ」

カップ焼きそばを無心ですする。幸せとはこういうことか。たったの200円が俺の心を満たす。
うまい。幸せ。


……と、はじめの数口だけそう思ってから、すぐに胃がムカムカしてきたのでゴミ箱にポイした。

コートのポケットから錠剤を取り出し、飲み込む。
どうにもこの胃腸薬ってものは気休め程度にしか俺を癒してくれない。
なんて世知辛い世の中なことだろう。

('A`)

('A`)「……はぁ」

そんな事を考えている時だった。

公園にある森の中へこのカップ焼きそばのゴミでも放り投げてやろうか、そう考えていた時だった。

('A`)「……ん」

41名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 01:26:56 ID:A58mJtH60
森の、気の茂みをよーく見ていれば、何やらあやしげな物陰が微動している事がわかった。

明らかに集団の動きだが、何をしているかはよくわからない。

('A`)「……?」

すこし不信に思って近付いてみると、その正体はすぐにわかった。

一人をみんなで取り囲んでいる。
逃げ場をなくしてるんだ、あれは。

取り囲まれているのは、気弱そうな少年だ。

(;=゚ω゚)ノ

殴られでもしていたのだろうか。顔に擦り傷や痣をつくっていた。

('A`)

カツアゲか、リンチか何かだ。

42名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 01:32:21 ID:A58mJtH60
('A`)「……」

「ん?なんだお前」

「何見てんだよおっさん」

気付いた数人がこちらを見た。そして仲間内に目配せし、こちらへ向かってくる。
こんな時、かっこいい英雄はどうするべきか?
決まっているだろう。
なんたって俺は、正義の味方なんだからな。

('A`)「さて」

俺はポケットから片手に収まるそれを取り出して。




('A`)】「もしもし警察ですか。ただいまVIP市自然公園で少年が暴行などの危害をくわえられています。至急きて下さい」

しっかり通報した。

43名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 01:50:13 ID:kD8mOsW20
警察とは優秀な団体だ。
世間のドラマやらに出てくるそいつらはとても狡猾で役に立たないというのが相場だがそんな事はまるでない。
現場に一分少しで到着し、先ほどの集団を捕まえあげてくれたのだ。
俺はそれをぼんやり眺めながら、残りの30分ほどの昼休みをどう使うか考えていた。

(=゚ω゚)ノ

('A`)

少年が、こちらを見ていた。

何が言いたいのだろうか。通報に対する礼だろうか。
もしくは、こんなことしたらまた明日から殴られるーなんていう情けない反論かもしれない。
どちらにしろ、俺は過干渉を断ったのだからこれ以上はこっちに何かを求めないで欲しいのだけれど。

('A`)

('A`)(……)

ほんとは俺だって、助けたかったのが本音かも知れない。
だけど俺には無理な話だった。英雄は評判業でもあるわけだから、もし奴らをボコボコにしたところで、
逆恨みで「ドクオという英雄は英雄の力を悪用して気に入らない市民に手をあげるクズ」とでも噂を流されれば溜まったものではない。
それに、カツアゲやイジメを撃退したところで、なんだ。
何もリターンは望めない。

('A`)

('A`)(……ふっ、リターンだって)

そこで俺はごく自然に、人を助ける行為にみかえりを求めていた事に気付いた。
まったく嫌気がさす話だったが、それを深く考えるより先に電話がなった。

モララーの怒号が電話口から聞こえてくる。
どうやら俺の書類のミスで上から叱られたらしい。
少しだけざまぁみろと思った後に、俺は胃腸薬をもう一粒飲んだ。

英雄薬は短時間に何個も服用しては肉体に異常をきたしてしまうが、胃腸薬はそんな事はない。
素晴らしいものもあるものだな、と思いながら支部へ帰る事にした。

44名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 02:09:21 ID:kD8mOsW20
(=゚ω゚)ノ「ねえ」

('A`)

ふとそこで、少年に後ろから声をかけられた。

(=゚ω゚)ノ「ねえ、おじさん」

('A`)「……なんだい?」

(=゚ω゚)ノ「おじさんは、あいつらが怖くなかったの?」

('A`)「……うーん」

('A`)「とっても怖かったよ」

いや本当に。実をいうと、足が震えていた。
でも市民にとって希望であり、少しでも不安そうな顔をみせてはいけないという英雄特有の職業病で、表には出せなかっただけのことだ。

(=゚ω゚)ノ「でも、その割にはすぐに行動してた。僕を無視しないで、落ち着いて警察に連絡してた」

('A`)「まぁね。おじさんは、いろんな怖いやつらを相手にしているからね」

(=゚ω゚)ノ「えっ?」

(=゚ω゚)ノ「おじさん、もしかしてヒーローなの?」

('A`)「……うん、まぁ、一応ね」

(=゚ω゚)ノ「す、すごい!すごいよぅ!」

45名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 02:22:14 ID:kD8mOsW20
(=゚ω゚)ノ「すごいよぅ!変身グッズは、持ってるのかよぅ?」

('A`)「あー……ごめんな、それは持ってないんだわ。弱い英雄だからね」

(=゚ω゚)ノ「そうなのかよぅ……でも、すごいよぅ」

('A`)「すごくないよ。目の前でいじめられてる子供を一人で助けられない程度だ」

(=゚ω゚)ノ「いいんだよぅ、そんなの。英雄は市民に手をあげちゃだめだしね。それに、ちゃんと助けてくれたよぅ」

(=゚ω゚)ノ「ありがとうだよぅ、おじさん」

('A`)

('∀`)「ああ」

やはり、人に感謝されるのはいいものだなぁ。
そうだな。俺はこんな感覚を求めて、英雄になったんだったっけ。
目の前の少年はまさに、昔の俺が重なるようだ。


(=゚ω゚)ノ「僕もね、おじさん。英雄になりたいんだよぅ。こんな僕でも、人を救いたい。人の役に立ちたいんだよぅ」

(=゚ω゚)ノ「そんなかっこいいヒーローになりたいんだよぅ」

('A`)

('∀`)「なるほど。いい夢だね」

(=゚ω゚)ノ「でしょう?」

47名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 02:27:12 ID:kD8mOsW20




('∀`)「自惚れんなガキ。人を救いたいなら医者にでもなってろ。人の役に立ちたいならボランティアにでもいってこい」

(=゚ω゚)ノ

('∀`)「あんなガキの集団に何もやり返せなかった弱虫が夢見るんじゃねえよ」

('∀`)「自分一人助けられないようなやつが、他の人間を助けられるとでも思ってんのか」

(=゚ω゚)ノ

―――嗚呼。


どうして、俺がいま発しているこの言葉を、

なぜ誰も、昔の俺に言ってくれなかったんだ?

49名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 02:38:01 ID:kD8mOsW20
なぜこんな小さい子に当たったんだ俺は?

―――もううんざりなのがしれない。

なににうんざりしていたんだ?

―――ハリボテの英雄像を追い求めることだ。

俺は、ハリボテなのか?

―――ニセモノじゃない。


だからこそ、タチが悪い。

50名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 02:54:33 ID:kD8mOsW20
人を助けるために手順がいるなんて知らなかった。
平和を維持するためにお金がいるなんて知らなかった。
武器を使うことに許可がいるなんて知らなかった。
誰かを守るために手続きがいるなんて知らなかった。

夢見ていた英雄は、ただのお仕事だったって理解するのが、たまらなく嫌だった。


(#・∀・)「――――――!!!」

('A`)「すいません。はい。はい。そうですね。すいません。すいません」

みんなにちやほやされると思ってたんだ。
英雄が怒鳴り声に耐える仕事だとは、思いたくなかったんだ。

51名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:00:04 ID:kD8mOsW20

こっぴどくこちらを怒鳴りつけてくるモララーの口を止めたのは、一本の電話だった。
何やら街中に突如Bランクの怪人が現れたのだとか。

52名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:09:24 ID:kD8mOsW20


|∴∵∴∵∴∵∴(・)∴∴.(・)∴∵∴∵∴∵|「……」

街中でそいつを見たとき、戦慄を覚えたものだ。
出てきたのは混沌怪人【たなしん】。
災害レベルとも言われる破壊力を持った化け物だった。

(;・∀・)「……っち。なんでよりによってアイツなんだよ。こりゃあ武器が必要だな」

('A`)「そうですね。やつが敵ともなると、許可はすぐにおりるでしょう」

( ・∀・)「よーし武器使用申請、完了だ……じゃあドクオ、頼むな」

('A`)


これが、カットされる下っ端英雄の努力。
ヒーローが武器を手にするまで、下っ端らはわが身を挺して奴を止めなければならない。

('A`)「……はい」

53名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:11:33 ID:kD8mOsW20
そうして俺は英雄薬を









ケースにある分。すべて飲み込んで。

( ・∀・)「え?」

('A`)

モララーの顔面を、正面から殴ってやった。

54名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:19:45 ID:kD8mOsW20
顎の骨が、くだける音がした。
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
久々に清々しい気分になった。

(;#∀ )「がっ……ぎゃあああああああああああ!!!!」

('A`)

('∀`)

('∀`)「モララーさん」

モララーさん。
俺にとってあなたは憧れでした。かっこいいスーツを見にまとい、敵を次々となぎ倒す。
その様を見ながらいつかあなたのようになると信じて働き続けた数年間だった。

('∀`)

とても気分がよかった。いまならなんでもできる気がした。
試しに近くの街路樹を蹴り倒して見た。簡単にべきりとおれた。

足は痛くなかった。

気持ちいい。

|∴∵∴∵∴∵∴(・)∴∴.(・)∴∵∴∵∴∵|


敵のその視線だけが痛かった。
そんな顔をするなよ。俺はいま、悪なんじゃないのか。
お前たちの、仲間ではないのかな?

55名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:27:18 ID:kD8mOsW20


(;#∀ )「ごっ……ごばっ……!!」

口から血の塊がおちる。何かの組織がやられたのだろう。
とても嬉しい気分だ。

さて、モララーを殺そう。
もうすべてを台無しにしてやりたかったので、急にそんなことを考えはじめた。

それでいいだろう。

英雄なんか、みんな死ねばいいんだ。


……と思ったところで、右こめかみを中心にするどい衝撃が走る。


(;^ω^)「何をやっている!!」


―――応援の別のヒーローだ。意外と早かったみたいだ。
思わずよろけてしまった。

そして、そこを


(;^ω^)「お前らっ!!いまだ!!」


集団の底辺ヒーロー達に取り押さえられてしまった。


(;'∀`)「がっ―――がああかああああああ!!!」


全力であばれても、逃げ出せそうにもない。

56名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:31:29 ID:kD8mOsW20
(;^ω^)「―――ふぅ、モララーさん。大丈夫かお?」

(;#∀・)「……ええ、なんとか。助かりました内藤さん、」

(;^ω^)「なんだってこんなことに……まずは二人でたなしんを撃退することをかんがえましょう」

( #∀・)「そうですね……では、変身!!」



押さえつけられている俺を尻目に、英雄達が活躍しようとしている。

なんだよそれ。卑怯だぞ。俺も混ぜてよ。

57名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:32:33 ID:kD8mOsW20
別にもう、生きる希望はいらないから―――



もう少しだけ、夢を見させていてほしかったなあ。

58名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:33:28 ID:kD8mOsW20








('A`)今時の英雄は時給800円のようです

おわり。


('A`)今時の英雄は時給800円のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1356433134/1-



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