まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ( ´ー`)はプリンが嫌いなようです


 ※作者注 若干エロ注意
361名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:23:02 ID:wkS8xGwY0
五百円。
たったワンコインで買えるものでなにがあるのか。
それははたして君の欲を満たせるものなのか。
そんなの僕はしらねーよ。
他人の嗜好なんか知ったこっちゃねー。
だけど、僕の話を、聞いてほしい。
聞いてくれるなら、僕は君にお金を払ったってかまいやしないよ。
とってもくだらない話なんだ。
いい歳こいてフリーターなんぞやってる僕が、プリンを嫌いになった話を。
どうか、どうか聞いてほしいんだ。


362名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:24:13 ID:wkS8xGwY0



( ´ー`)はプリンが嫌いなようです



.

363名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:25:04 ID:wkS8xGwY0
話は三年ほど前にさかのぼる。
高校を卒業して、なんとなくで居酒屋に勤めた僕はうまく人間関係を築けず、半年でやめてしまった。
それからまもなく、事故で両親が他界して、僕は多額の保険金を手にいれて、マンションの一室に閉じ籠るようになった。
勘違いしないでほしいのだけれども、僕は人間が好きだ。
けっしてコミュ障とかぼっちとか、そういう単語とは無縁であったはずだった。
でも、この時の僕はすっかり参っていて、他人と関わりを持つのがすっかり嫌になっていたのだ。
人間は薄汚くて、他人を容易に踏みつぶし、勝手にいなくなるものだと考えていたのだ。
まったくもっておかしい話だろう?
その通りだ、あの時の僕は完全におかしくなっていた。
有り余る金を少しずつ使えば、誰にも知られずに生き埋めになって、死ねると思っていたのだから。
けれども僕は、人間を嫌いきれていなかった。

僕が引きこもりはじめて、半年が経とうとしていた、真冬のことだった。


( ´ー`)(また来てしまったよ……)


真夜中の公園のベンチで、星空を眺めながら、当時の僕はそう思っていた。
あの日のことはよく覚えている。
ベンチに座る前に寄った自販機で、欲しかった缶コーヒーのボタンを押したら、暖かいココアが出てきて困っていたからだ。
甘いものはあまり好きではなかった。
けれども、暖をとる分には問題なかった。
もし、あの時ココアが出てこなかったら、僕はあの子に会えなかったのかもしれない。

364名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:26:20 ID:wkS8xGwY0
( ´ー`)「…………」

「お兄さん」

(;´ー`)「 !?」

急に、声をかけられたものだから、僕はなにも返事ができずに、そちらを見た。

lw´‐ _‐ノv

貧相な体つきをした、十才くらいの女の子だった。
寒い冬だというのに、袖の伸びた薄い生地のTシャツと、青いジーンズを着た少女の視線は、僕の両手に釘付けだった。

lw´‐ _‐ノv「お兄さん、それ、飲まないの?」

( ´ー`)「あ……うん、」

その時、僕は彼女がココアを欲しがっていることに、ようやく気がついた。

( ´ー`)「……いる?」

僕がそう言った時の、彼女の顔は、とても嬉しそうで。

lw*´‐ _‐ノv「ありがとう」

小さな彼女の手の冷たさが、余計に際立った。

365名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:27:15 ID:wkS8xGwY0
( ´ー`)「……きみ、ここでなにしてたんだよ?」

lw´‐ _‐ノv「お兄さんこそ、なにしてたの?」

質問を質問で返されて、僕は困惑した。
僕はなんにも考えずにこの公園に来ていたからだ。

( ´ー`)「……散歩」

lw´‐ _‐ノv「そうなんだ」

適当な言葉を信じた彼女は、その次にこう言ってきた。

lw´‐ _‐ノv「これ、いくら?」

(;´ー`)「え?」

なんてことのない、ただの小さい缶のココアだ。
たかだか百二十円の、されど彼女には大事な情報だったらしい。

lw´‐ _‐ノv「ふぅん」

( ´ー`)「それがどうしたんだよ?」

lw´‐ _‐ノv「じゃあ少しおまけして、十五分そばにいてあげる」

( ´ー`)「は?」

わけのわからない言葉に、僕は思わず呟いてしまった。
なんで、十五分?
そもそも、なんのために?

lw´‐ _‐ノv「あ、忘れてた」

いけないいけない、と小声で、それから優しくこう名乗ったのだ。

lw´‐ _‐ノv「わたしは、妹屋のシュー。一時間五百円で、『お兄さん』のいうことをなんでもききます」

(;´ー`)「!?」

366名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:28:40 ID:wkS8xGwY0
ちょっと待て、これってやばいんじゃないの?児童売春とか、人身売買とか。
ヤのつくこわーい自由業のお兄さんとかがこの子の後ろにいるわけ?

とかなんとか考えていたら、背筋がぞっとした。
関わらない方がいい、絶対。

lw´‐ _‐ノv「お兄さん、」

(;´ー`)「な、なんだよ」

lw´‐ _‐ノv「妹屋は、わたし個人でやってることだから」

だから、気にしないで。
と、彼女はなんともいえないまなざしで、僕を見た。

( ´ー`)「…………」

逃げるタイミングを失ってしまった。
当時はそう思っていた。
だけど、実際は違ったんだ。
いびつな形でも、自分を必要としてくれたから。
だから、僕は彼女から離れられなかった。

( ´ー`)「……いつから、やってるんだよ」

lw´‐ _‐ノv「妹屋?」

僕がうなずく。
彼女はココアを一口飲んで、答えた。

367名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:29:33 ID:wkS8xGwY0
lw´‐ _‐ノv「四ヶ月くらい前から」

( ´ー`)「……なんで、」

lw´‐ _‐ノv「ご飯が食べたいからだよ。お父さんは今刑務所だし、お母さんに神様のところにいるから、一人なの」

淡々と語られたそれは、あまりにも重々しくて。
心のどこかで、「この世で一番不幸な
人生」を背負っているのだという自己陶酔を、粉々に、ぶっ壊した。

lw´‐ _‐ノv「ご飯を食べるには、お金が必要なんだよ?」

そんなことも知らないの、と無垢な声が、僕に突き刺さる。
ずきずきと痛む。
それと同時に、どうしてこんな幼い子が、あんな現実を抱え込んで、早すぎる労働をしなければいけないのだろうか、と。
助けたい、そう思ってしまったんだ。

( ´ー`)「君、名前は?」

lw´‐ _‐ノv「シューだよ」

( ´ー`)「一時間、五百円だっけ」

lw´‐ _‐ノv「うん」

僕は、スウェットのポケットからありったけのお金を取り出した。
そして、ぽかんとしているシューの手にそれを握らせた。

( ´ー`)「今手持ちはこれしかないけど、でも本当はもっとある」

だから、君の時間を買わせてくれ。
そういう前に、彼女はお金を突き返した。

lw´‐ _‐ノv「お兄さん」

( ´ー`)「なんだよ、足りないのか?」

lw´‐ _‐ノv「違う。わたしは、わたしの身を守るためにも、たくさんのお金をもらうことはしたくないんだ」

368名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:30:56 ID:wkS8xGwY0
lw´‐ _‐ノv「あまりにたくさん時間を差し出しすぎると、何されるか分かったもんじゃない。首輪をつけてはだかで遊ばれるようなことはもうしたくないの」

その言葉の意味を、理解することができなくて。
いや、理解したくなくて。
ベンチに置かれている、数枚の千円札が、急におそろしいものに見えてきたのだ。

lw´‐ _‐ノv「とはいえね、お兄さん。やっぱりわたしもお金は欲しいんだ」

こくり、とココアを飲んでシューは言う。

lw´‐ _‐ノv「信頼すべき人物だと判断したら、そのお金はもらわせてもらいます」

いやに大人びた発言だった。
けれども間違いなく彼女は子供だった。

lw´‐ _‐ノv「あ、もう時間過ぎてた」

左手に着けた、かわいらしいキャラクターものの時計を見て彼女はそう呟いた。

lw´‐ _‐ノv「わたしはこの時間なら、いつでもここの公園にいるよ」

他のお兄さんに買われなければね、と付け加えて、彼女は公園を出ていった。

振り向きざまに、

lw´‐ _‐ノv「ココア、ありがとう」

と言って。

369名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:32:45 ID:wkS8xGwY0
その日から僕は、躍起になってシューを助けようとした。
最初は一時間しか買わせてもらえなかった。
けっして変なことはしなかったんだよ。
ただ、真冬の公園のベンチで、なるべく彼女の興味をひきそうな話をしただけだった。


時々、お菓子を買うこともあった。
しかし大体そういうとき、彼女はこう言った。

lw´‐ _‐ノv「レシート見せて」

( ´ー`)「……はい」

僕が持ってきたお菓子が五百円以内であることを確認して、そうしてようやく彼女はお菓子に手をつけて、お菓子代を差し引いた分だけのお金を受け取るのだ。

思えば色々なお菓子を彼女に貢いできた。
しかし彼女の心を唯一掴むことができたのは、たかだか百円で買えるプリンであった。

lw´‐ _‐ノv「プリンはね、特別だよ」

プラスチックのスプーンでプリンをつつきながら、シューは言った。

lw´‐ _‐ノv「昔からプリンが好きで」

( ´ー`)「へぇ」

lw´‐ _‐ノv「……そういえば誕生日に、お母さんがプリンのケーキを作ってくれたこともあったなぁ」

( ´ー`)「うまそうだな」

370名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:34:45 ID:wkS8xGwY0
lw´‐ _‐ノv「おいしかったよ。でももう二度と食べられないだろうね」

この時、僕はシューの母親が神様のところにいるという話を思い出した。
当時の僕は、てっきりそれを亡くなったものだと考えていた。
本当に亡くなっていたならば、まだ彼女は救えたはずなのに。

lw´‐ _‐ノv「お兄さんは、神様って信じる?」

( ´ー`)「うーん、多分?」

lw´‐ _‐ノv「神様ってそんなに偉いのかな」

( ´ー`)「偉いんじゃねーの?」

lw´‐ _‐ノv「お母さんは、偉いって言ってる。でも、神様もご飯を食べるためには、お金が必要なんだよ」

lw´‐ _‐ノv「神様は、いつもお母さんからお金をもらわないと生きていけないんだ」

( ´ー`)「…………」

lw´‐ _‐ノv「変だよね、全知全能の神様なのに、お金がいるなんて」

お兄ちゃんは、そう思わない?と、彼女は聞いてきて。
僕はなんて答えたのか、まったく覚えていない。

ただ、それで彼女の時間を長く買うことはできなかった。
本当のきっかけは、もっと……えげつない形で。
未だに僕は罪悪感を覚えている。

371名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:36:00 ID:wkS8xGwY0
彼女と出会って一ヶ月が経とうとしていた頃。
僕は毎夜公園に通いつめて 、毎日一時間だけ彼女を買っていた。
ところがたった一日だけ、彼女が公園に来なかった日があった。
もしかして、なにか用事があって、来れなかったのかもしれない。
当時の僕は真っ先にそう思った。
実際は、自分が見捨てられてしまったのでは?とか思ってビクビクしていたのだけれども。

その翌日の夜。
今度は、いた。

lw´‐ ー‐ノv

饐えた笑顔を浮かべながら、ベンチに横たわって。

(;´ー`)「シュー……!?」

lw´‐ ー‐ノv「ああ、お兄さん」

彼女の体は、冷たかった。
いつからここにいたのだろう?

(;´ー`)「シュー……」

lw´‐ ー‐ノv「ねえ、お兄さん。体を売る側がこんなこと言うのはおかしいんだけどさ」

lw´‐ ー‐ノv「どうか、一晩買ってくれませんか」

(;´ー`)「金ならいくらでも払うよ!」

( ´ー`)「だから、嫌なことは忘れろよ」

lw´  _ ノv「……ありがとう」

( ´ー`)「僕の住む部屋に来なさい。お風呂に入らないと、風邪をひいてしまうよ」

lw´‐ _‐ノv「……うん」

シューの手を繋ぎ、僕はマンションに向かった。
彼女の体から漂う、栗の花の匂いを無視して。

372名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:36:52 ID:wkS8xGwY0
風呂あがりの彼女は、すっかり体が暖まったらしい。
いくらか緊張もとけたようで、ぽつぽつと話し始めた。

lw´‐ _‐ノv「……信頼してたお客さんにね」

( ´ー`)「うん」

lw´‐ _‐ノv「おしっこを飲まされたの」

( ´ー`)「……うん」

lw´‐ _‐ノv「無理矢理裸にされて、でも、わたしは妹だから。お兄さんのいうことは、絶対だから」

( ´ー`)「…………」

lw´‐ _‐ノv「お金がないと、生きていけないから」

lw´  _ ノv「でも、苦いし、気持ち悪かった」

あなたみたいなお兄さんだけだったらいいのにな、なんて。
抑揚のない声で、シューは呟いた。

( ´ー`)「……僕は、シューにひどいことしないよ」

lw´‐ _‐ノv「うん、」

会話が途切れる。
どうしようか考えて、冷蔵庫の中身を思い出した。

( ´ー`)「……プリン、食うかよ?」

lw´‐ _‐ノv「…………」

なにも言わなかった。
けれども、彼女はうなずいた。
コンビニで買い溜めしたかいがあった、と思いながら、冷蔵庫からそれを出して。

渡した時に、彼女は言ったんだ。

lw´‐ _‐ノv「お兄さんと家族だったらよかったのに」

と。

373名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:37:59 ID:wkS8xGwY0
それから、シューは僕の家にいる時間が長くなった
とはいっても、真夜中から明け方までの六時間、値段にして三千円という、一日の四分の一しか買えていないのだけど。
それでも、僕といた時はシューの表情はとても柔らかで。
大好きなプリンをつついている彼女の姿を見るのが、僕のささやかな幸せだった。
彼女を救えているのだと、驕っていたんだ。


ある日、ぱたりと彼女は公園に現れなくなった。
見捨てられた、と思った。
あるいは、他の「お兄さん」に、盗られてしまったのだと。

( ´ー`)「…………」

嫉妬、悲しみ、憎悪、不安、自己嫌悪、諦め。
そんな黒いものが、僕を食い荒らしていった。
一週間ほどして、別の考えが浮かんだ。
もしかしたら彼女は幸せになれたのかもしれない、宗教に傾倒していた母親の元から離れて、施設に入ったのかもしれない、と。

どちらにせよ、彼女は僕の部屋に、もう来ない。
その事実を受け入れるために、僕は冷蔵庫に入っていたプリンを地道に食べて処分した。
プリンは舌がしびれるくらい甘かったように思えた。

374名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:40:06 ID:wkS8xGwY0
二週間が経とうとしたある日、突然インターホンが鳴った。

lw´‐ _‐ノv「お兄さん、わたし」

その声は、僕の欲していたものだった。
僕は急いで扉を開けて、彼女を部屋のなかに引き入れた。
相変わらず彼女はガリガリだった。

( ´ー`)「シュー……今まで心配したんだよ……?」

lw´‐ _‐ノv「さいごに一度、お兄さんに会いたくて」

( ´ー`)「さいご?」

lw´‐ _‐ノv「……引っ越すことになって」

( ´ー`)「そうかよ……」

元気でな、と僕はシューの頭をなでくりまわした。
シューは、なんともいえない表情で僕を見た。

lw´‐ _‐ノv「ねえ」

( ´ー`)「なんだよ?」

lw´‐ _‐ノv「さいごに、お兄さんと一緒にプリン食べたいな」

この時、冷蔵庫にはプリンが残っていなかった。
それをシューに説明したら、

lw´‐ _‐ノv「……残念だな」

と、彼女は言った。

( ´ー`)「コンビニに買いにいこうか?」

lw´‐ _‐ノv「いや、時間がないから」

例のキャラクターものの腕時計を見て、シューは言った

lw´‐ _‐ノv「……じゃあ、お元気で」

それが、シューの最期の言葉だった。
子供らしくない、いやに大人びた言葉だった。

375名も無きAAのようです :2012/12/26(水) 03:41:51 ID:wkS8xGwY0
しばらくして、手紙が届いた。
シューからじゃあない。
僕の両親を轢き殺した加害者の男からの謝罪の手紙だ。

なんとなく、それに目を通して。
ある一文に、僕は吐き気を催した。


「ヒートが、愛娘のシューを道連れに」

(; ー )「…………」

道連れに、命を絶ってしまいましたが、わたしは人殺しの罪を償い続けようと思います。


つまり、僕は。
シューの両親から奪った金で、彼女を救った気でいて。
しかも、彼女はいなくて。
プリンも食べさせられなかった。



(; ⊿ )「ああ、」

僕のしてきたことは、ただの自己満足。





これで、話はおしまい。
プリンを見るとね、どうもあの子のことを思い出してしまうんだ。

お金?
まだまだたくさん、シューの父親からもらってるよ。
でも、もう手をつける気にはならない。
僕はただ飯を食らうボンクラな神様のようにはなりたくないん だ。
聞いてくれてありがとう、助かったよ。
はい、五百円。


(ヽ'ω`) ブーン系鬱祭りのようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1352205445/360-



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