まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ( ^ω^)は“ふくしゅう”するようです


 ※作者注 特定の人種や病気や人格を差別する単語やグロ描写が出てきます
3名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:32:02 ID:qI.OeZckO

──2012年12月22日、午前2時39分──



がちゃり、という音のあとに、きぃ、という音をたててドアをあけます。
そのままへやの中に入ったボクは、ばたん、という音をたてて、あけたドアをしめました。



( ^ω^)「おっ、ただいまだお」



お家にかえってくつをぬいだボクは、へやの電気も付けないで
すぐにへやのすみにある、おかーさんの所へ向かいます。



( ^ω^)「かーちゃん、帰ってきたお、ただいまだお」



おかーさんの前にすわり、手のひらと手のひらを合わせます。
だけど、おかーさんは何も言いません。だまったままです。


4名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:34:11 ID:qI.OeZckO
( ^ω^)「聞いてお、ようやくお休みが取れたんだお!」

( ^ω^)「明日1日だけのお休みで、明日が過ぎたらまた1ヶ
月以上休み無しだけど、それでもようやく貰えたんだお!」

おかーさんが小さくなって何も言わなくなってから、もう2週間がたっていました。
おしごとがいそがしかったから、どうしておかーさんが小さくなっ
て何も言わなくなったのかはわかりません。

けど、おかーさんが何も言わなくても、ボクはまいにちおしごとが
おわると、こうしておかーさんにきょうあったことを話してあげていました。

5名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:35:22 ID:qI.OeZckO
まえは、ボクの話におかーさんはうんうんとあたまをふったり、
がんばったね、とほめてくれることもありました。
小さくなった今は、あたまをふっても、ほめてもくれません。
ほめてくれたりしてくれないのはさみしいけれど
でも、おかーさんはちゃんと話をきいてくれていると思うから、
話をするのを、やめようとは思いませんでした。



( ⊃ω;)「ようやく・・・うぅ、ようやくだお。ようやく、休みが取れたんだお」



あまりのうれしさに、ボクは思わず泣いてしまいました。
だって、ようやくのおやすみです。
やりたいことは、たくさんあります。
たくさんあそびたいし、たくさんおかーさんとお話したいし、
なによりもふとんに入ってぐっすりとねたいです。

6名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:36:42 ID:qI.OeZckO
けれど、そのやりたいことは、このおやすみではどれも出来ません。



( ^ω^)「・・・お、判ってるお、今はやりたい事を我慢して、きちんと勉強するお」



なぜなら、ボクはもういちどべんきょうをしなくちゃいけないからです。
これは、おかーさんとのやくそくです。
おかーさんはいつも言っていました。

「予習と復習をちゃんとして、しっかりと勉強しないといい大人になれないよ」

と、やさしくわらって言っていました。

7名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:37:27 ID:qI.OeZckO
( ^ω^)「予習はもうしたお」

( ^ω^)「仕事中に合間を見て、しっかりと準備をしたお」

(  ω )「・・・だから、後は」



ボクは、おかーさんが入っている、小さくて丸いツボを手でとると、
両手をつかってぎゅっとだきしめます。

ぎゅっと、ぎゅーっと、だきしめます。



※※※※※※※※※※※※※※※

8名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:38:42 ID:qI.OeZckO



──1986年──



( ^ω^)「・・・・」



「こいつ、いつもニコニコして気持ち悪いんだよな」

( ^Д^)「デブの癖に無駄に機敏だし、授業でも毎回手をあげる
し、アピールしすぎなんだよ」



( ^ω^)「・・・・ぉ」



「で、語尾に、お、とか付けて話すし、マジで気持ち悪い。そんなに注目されたいの?」

「あれだよー、先生に少し気に入られてるからって調子に乗ってるに決まってるよー」



( ^ω^)「・・・・違」

9名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:40:12 ID:qI.OeZckO
( ^Д^)「お、いい事考えた。 こいつに笑顔以外の表情させようゲームしようぜ」

「いいなそれーww俺もやるー」

「俺もww面白そうじゃんww」



( ^ω^)「・・・や、やめ」



( ^Д^)「いくぞー、ゲームスタート!!」ボコッ



( ^ω^)「うっ・・・」



「おらおら、笑うのやめろよデブ!」ボコッドカッ

「キモデブ野郎早く泣くおーww」バキッゲシッ



( ;ω^)「いたっ・・・やめ、て・・やめっ」

10名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:40:59 ID:qI.OeZckO
( ^Д^)「おっと、お前ら顔は殴ってやるなよ
顔殴ったらいじめてるみたいだもんなww」ゲシッ

「あいよーwwおら、笑うのやめろよー!きんたまみたいな口してる癖によー!」ボコッケリッ



( ;ω;)「うっ・・・ひっぐ、やめて・・・ぐっ・・・」



「うわwwマジ泣きしてるぜこいつww」バキッ

( ^Д^)「うわ、マジでキメェ・・・おら、キメェから早く辞めろ屑」ボカッギチッ



( ^ω;)「う、う、う・・・ううぅぅぅう・・・」




・・・
・・



※※※※※※※※※※※※※※※

11名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:42:05 ID:qI.OeZckO



──2012年12月22日、午前6時39分


( ^Д^)「ふぁーぁ、おはよう」

「あら、おはよう。珍しいわね、今日は自分で起きるなんて」

( ^Д^)「あぁ、なんか昔の夢見てよぉ・・・まったく、朝から気分悪いわ」

「へぇ、どんな夢見たの?」

( ^Д^)「あぁ、小学校の時なんだけどよ、いつもにやけた面した
気持ち悪い奴が居たんだよ」

( ^Д^)「あまりにもキモいから、そいつ友達居なくてよww
可哀想だから相手してやってたんだよ」

12名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:42:58 ID:qI.OeZckO
( ^Д^)「そしたらある日、先公共が俺達を呼びつけたんだ、
俺達がそいつをいじめてるってな」

( ^Д^)「もちろん俺達はやってないって言ったけどよ、
なんか話がこじれて、そいつの親と親達の親と呼んで話し合いになったんだよ」

( ^Д^)「で、そいつ自身から話を聞いたら、腹を蹴られたとか
笑わないから殴られたとか、訳判らない事言ってんの」

( ^Д^)「ただの遊びにマジになってぶちキレてよぉ、
流石の俺でも頭にきたから、言ってやったのよ」

13名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:43:52 ID:qI.OeZckO
( ^Д^)「僕達はそいつと遊んでいて、少し身体があたっただけです。
それをそんなに大きく扱われても困ります」

( ^Д^)「ってなww 同じ事を俺達全員で言ってやったら、
あいつ何も言えないでやんのww」

( ^Д^)「後は俺達の親が学校に上手く言ってくれてよ、
最終的にそいつは学校に来なくなったww」

( ^Д^)「ま、どう考えても基地外だったし?ww
学校来ないでくれて真人間の俺達は清々したよww」

14名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:44:52 ID:qI.OeZckO
( ^Д^)「あんな奴と同じ教室で勉強してちゃ、俺まで基地外になっちまうからなww」

「へぇ、そうなんだwwあなたも大変だったわねー」

( ^Д^)「学校の癌を摘出してやったんだから、俺はいわゆるヒーロー的な?ww」

「はいはい、自慢話乙ww ・・・ほら、そろそろご飯食べなきゃ会社に遅れるわよ?」



〈 ピンポーン



「あら?こんな時間に誰かしら・・・はーい今行きまーす!
あ、お膳の上にオカズはあるから、トーストは自分で作ってて」

( ^Д^)「へいへーい、ったく誰だこんな朝から・・・」

15名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:46:13 ID:qI.OeZckO
〈 アサハヤクカラスミマセン、VIPウンソウデス

〈 アナタ、イマナンジダトオモッテルノ?

〈 モウシワケアリマセン、ナニブンソクタツデシテ・・・ア、コチラニサインヲ・・・

〈 ハイハイ・・・コレデイイ?

〈 ハイ、ダイジョウブデスオ。 デハ、アーガトゴザーシター



「速達だって、あなた宛よ?」

( ^Д^)「速達ぅ? こんな朝からか? しかもこんなデカイ荷物を?」

「私に聞かれても知らないわよ。 会社の荷物じゃないの?」

( ^Д^)「んな馬鹿な、会社の荷物なら、普通は会社で渡すだろ」

「けど、宛名には会社の名前が書いてあるけど・・・」

( ^Д^)「・・・まぁいいや、とりあえず開けてくれや」

「はいはい、判りましたよー」ビリビリ



カサカサカサカサ...

16名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:47:35 ID:qI.OeZckO
( ^Д^)「・・・? おいどうした?一体何が・・・」



カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ


( ^Д^)「・・・・・・」



(  Д ) ^^



※※※※※※※※※※※※※※※

17名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:48:36 ID:qI.OeZckO



〈 ギィヤァァァァァ!オオイ、オオイッテェェェェェェ!!

〈 イヤァァァァア!ジェ、ジェット!ジェットヲハヤクゥゥゥ!!

〈 パパタチウルサイヨォ、イマナンジダトオモッテキャアアァァァァァGィァァァァァ!!

〈 チョ、ドアアケンナ!カクサンスルカラ!イエノナカニカクサンスルカラァァァァァァァァァ!!



( ^ω^)「おっwおっwおっwおっw大w成w功ww」



さっき、ボクが行ったお家の中から聞こえるヒメイを聞いて
ボクはサクセンが上手くいったと知りました。

19名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:49:56 ID:qI.OeZckO



( ^ω^)「あんな怪しい荷物普通は開けねぇおww」



おしごとにつかうセイフクを着たボクが、おしごとにつかう車にのって
プギャー君のおうちの中をそうぞうして、わらいます。



( ⊃ω;)「長い間かけて育てた僕の可愛い子供達・・・元気に巣立ってくれて嬉しいお」

( ;ω⊂)「子供達の雄姿を見れないのは残念だお。
けど、パパはまだやる事があるから先に行くお」



いま、あのおうちでだいかつやくしているボクの子どもをそうぞうしながら
ボクは車のエンジンをかけて、そのまま走らせます。
まだ、おうちで大声を出しているあのかぞくのことを
けしきといっしょに後ろ後ろへと流します。

20名も無きAAのようです :2012/12/23(日) 23:51:03 ID:qI.OeZckO



( ^ω^)「さて、ここから少し急がないといけないお・・・」

( ^ω^)「もしも途中で警察の御用!なんて結果になったら、目もあてられないお」



わるい事をしているとは思いません。
ですが、こんな時にムダにがんばるのがけいさつかんさんなので、
急いでもわるい事はありません。

きょう1日で、やらなくちゃいけない事はたくさんあるのです。
ボクはあんぜんうんてんをしながら、
それでもできるだけ早く、次のもくてきちをめざします。

27名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:02:44 ID:u602xFKsO
※※※※※※※※※※※※※※※

──2012年12月22日、午前10時17分──




('、`*川



──この世界は、危険で溢れている。

通り魔恐喝強盗強姦スリキャッチセールス
事故交通事故地震雷火事謎の爆発ets。

個人のちょっとした不注意が、
大きな怪我の元になる事を知っている(ソースはテレビ)

28名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:03:33 ID:u602xFKsO
例えば、たった今、私の真隣を通り過ぎようとしている、ベビーカーを押した女。
もし、この女が通り魔なら?
レズの強姦魔なら?ひったくりなら?
ほら、こんなにも危険だ。

こういった危険から身を守れるのは、自分自身だけなのだ。

('、`#川「危ないでしょ!?近付くんじゃないわよこの馬鹿!!」

相手が私の周囲に近付く前に、私はこの危険人物に釘をさす。
こうすれば、相手は狙いを読まれた事を察して
近付いてこないと判っている。

ざまぁみろ、私は周りの白痴共みたいに安い女じゃないんだよ。

29名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:04:36 ID:u602xFKsO
私に何かをする計画に気付かれた憐れなベビーカーの女は、青ざめた顔で私を睨んでいる。
その女の隣(もちろん1mは感覚を開けて)を通りすぎる。

('、`#川「全く、クズが多過ぎる!」

最後に女の背中に向かってそう叫んでから、スッキリした私は悠々とその場を後にした。



('、`*川「全く、外歩くだけでこれじゃぁねぇ・・・世の中も末ね、世界滅ぶわ」

遮る物が無くなった道を歩き、知的な私は日本のこれからを憂いながらため息をつく。
今の私を傍から見たら、まるで絵画の1ページだ。
きっと時価にして1000億ドルは下らないだろう。

('、`*川「なのに、何でかしらねぇ・・・」

こんなに完璧な私なのに、何故私はこんなに不幸なのか。
男には恵まれないし、働いてあげた会社は上司の苛めですぐ首になる。

30名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:06:00 ID:u602xFKsO
働く為に嫌々ながらハローワークに行っても「貴女に出来る仕事はない」とか意味も訳も判らない。
まぁ、誰が触ったかも判らないパソコンを触らせようとする時点で、
あんな所二度と行こうとは思わないが。

('、`*川「・・・あぁ、思い返したらまたイライラして来たわ」

早くストレスを発散しなくては、お肌に悪い。
何処か、ストレスを発散出来るような場所は・・・

('、`*川「・・・そうね、いつものコンビニにでも行きますか」

ここから少し距離はあるが、別に構わないだろう。
私は大通りを外れ、横道に入り、住宅街の方へと歩いていく。

31名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:06:46 ID:u602xFKsO
途中、馬鹿共がまた近づいてきたので怒声を浴びせ、
ぶつぶつと文句を言ってる合間に、コンビニに到着した。



<ヽ`∀´>「・・・・・・」



いつもの“アレ”もちゃんと居る。
カウンターを挟んで誰かと話しているみたいだが、知った事じゃない。

いつものように、コンビニの入り口ドア(いまどき手動の押し扉、不衛生この上ない)を
おもいっきり──蹴り開ける。

32名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:07:41 ID:u602xFKsO
<ヽ`∀´>「いらっしゃいま──」

<ヽ`-´>「・・・・せ」

('、`#川「ペチャクチャ喋ってんじゃないわよ給料泥棒!!
ほら、あたしが来たんだからカゴ持って来なさい!!」



全く、毎回毎回言わなきゃ判らないのか。
こっちもわざわざ注意してあげてるんだから、とっとと理解すればいいのに。



<ヽ`-´>「はい、ただいま・・・ゴメン内藤さん、呼ばれたから離れるニダ」

「判ったお、じゃ良いお年を」



('、`#川「いつもの奴に卵とマーガリン、とろとろせずにさっさと動け!」

<ヽ`-´>「はい」


いつものように品物を屑に取りに行かせ、自分はレジの前に立つ。

33名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:08:14 ID:u602xFKsO
店に私が入ってきたというのに、私より先にレジへとやってきていたジジィに一喝して退かせ、
レジへと品物を持ってきた屑が、品物に“触れず”に品物をレジへと通していく。



('、`#川「ビニール袋や品物に少しでも触わるんじゃないわよ?
お前みたいなチョンの触れたのなんて触りたくない」

<ヽ`-´>「・・・はい、合計で1427円です」



レジの後ろの棚から使い捨ての手袋を付けて品物を袋に入れる屑を横目に、
財布から取り出したお金をレジへと投げつける。
小銭の大半がレジ奥に落ち、100円が屑の顔に当たったみたいだが、私は客だから問題ない。

34名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:08:43 ID:u602xFKsO
・・・いや、問題はあったか。
もちろん、私にじゃなくてあの屑にだが。



<ヽ`-´>「・・・では、1430円頂きm」

('、`#川「ちょっと!袖が捲れて素肌が見えてるじゃない!!
あんたビニールに触れたんじゃないでしょうね!!」

<ヽ`-´>「・・・別に、触れてn」

('、`#川「言い訳してんじゃないわよ屑チョン!! 今すぐビニールも品物も全部取り替えなさい!!」

<ヽ`-´>「・・・かしこましました」



全く、チョンはすぐ手を抜くから困る。
こうやって人前で大声で指摘しないとチョンは理解しないとテレビで言ってたのに、
いつまでたっても理解をしない、屑はずっと屑のままだ。

35名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:09:50 ID:u602xFKsO
('、`#川「本当に、どうしてこの店はチョンなんかに店番させてるのかしら!
いつレジの金をパクるか判った物じゃない!!」

<ヽ`-´>「・・・1430円頂きます。 お釣3円です」

('、`#川「お前もテンプレートしか喋んねぇなぁ!!
お客様が、日本人が話してやってんだから返事くらいしろ屑!!」

('、`#川「そんなんだからお前の国は世界のゴミなのよ!早く地図から消えなさいよゴミ国家!!」

<ヽ`-´>「・・・私の出身は韓国なのd」

('、`#川「どっちも似たような物でしょ!?言い訳してんじゃないわよ!!
私はお客様でしょ!?神様でしょうが!!」

<ヽ`-´>「・・・3円、お返しです。 ありがとうございました」

36名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:10:46 ID:u602xFKsO
結局、私があの後何を言っても屑は3円と繰り返してばかり、
頭に来たが、いい加減疲れたのでレジに置かれた3円とレシートをを掴み、
レジをおもいっきり蹴飛ばしてやってから、入ってきた時と同じように扉を蹴り開けてコンビニを出る。

全く、ストレスは解消出来たが疲れた。
仕事を斡旋して貰いに行ってやるつもりだったが、帰って寝てしまおうか。




('、`#川「全く、いい加減アイツ死なないかしら、
こちとらボランティアで教育してあげてるってのに・・・」



あのコンビニに通ってもう15年。
以前の仕事場の近くにある、あのコンビニは、
品揃えは良くて安い癖に店員がゴミ以下だ。

37名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:11:25 ID:u602xFKsO
店員以外は良いコンビニなんだから、
あのコンビニの為を思って私が教育してあげてるってのに、
良い日本人は次々と辞めていって、残ってるのは屑チョンばかり。

まぁ、教育ついでに大声を出してのストレス解消が出来るから、
以前より贔屓にしてやってはいるが。


('、`#川「全く、私にこんなに手を掛けさせるなんて、あの汗臭いキモデブ以来よ。
何でゴミばっかあの店に集まるのかしら」

('、`*川「・・・ふぅ、あーぁもう良いわ。帰って寝るとしますか」

少しスッキリとした顔をして、私は悠々と家路につく。
・・・あ、今の私可愛いんじゃない?百万ドルの価値あるんじゃない?

38名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:12:49 ID:u602xFKsO
('∀`*川「流石にそれは百万ドルの夜景が霞むかww
私と比べたら百万ドルなんてあのチョンみたいな物だしねww」



一人、笑いながらいつもの通りを歩いていく。

・・・・だが、一難去るとまた一難やってくるのがこの腐った国なのだ。

私の前から人が歩いてくる。
足首まであるようなトレンチコートを来て、チェーン展開してるケーキ屋の
恐らく中身の入っているであろう、箱を両手で抱えた持ったみずぼらしい男。

盛大に舌打ちをしながら、こちらに向かってくる男に向かって、
さっきと同じようにおもいっきり一喝してやった。

39名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:13:44 ID:u602xFKsO






('、`#川「危ないでしょ!?近付くんじゃn」ベチャッ












───────ベチャッ?

40名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:14:40 ID:u602xFKsO
謎の擬音と共に、私の視界が真っ白になる。







───────え? 何が、起こっ───────?









目と、口、それと鼻にも入ってきた甘い香りの何かが、
私にその正体を知らせるよりも早く────


※※※※※※※※※※※※※※※

41名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:15:33 ID:u602xFKsO
〈 ブボッ、ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ッ"!!?!

〈 イ"タ"イ"、イ"タ"イ"ィ"ッ"、メ"ガッ"、メ"ガア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!!!

〈 ゲホ"ッ"、ダ、ダレ"カ"ッ"、タ"ス"ケ"ゴホ"ッ"、タ"ス"ッ"、マ"、マ"マ"、マ"マ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!!!!!!!???!!!!!!


うしろからきこえてくるへんな声からにげるように、ボクはすぐに道をまがります。
着ていたコートをぬいですてて、
まがった先においてあったおしごとの車にのりこんで、すぐに車を走らせました。



(;^ω^)「おー痛っ、少しクリームが付いただけでこれかお。
自分で作っておいてなんだけど、恐ろしいにも程があるお」

ボクがつくった『ジョロキアパウダー入りクリームケーキ』の、
クリームが付いた手をタオルでふきながら、ふぅと息をはき出しました。

42名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:16:35 ID:u602xFKsO
( ^ω^)「・・・・おww」

( ^ω^)「おっおっおっおwwwwww」

(*^ω^)「ぶひひひひひひひwwwwwwww」



息をはき出してすぐ、ボクはおなかをかかえてわらってしまいます。
うんてんが出来ないくらいにわらいが止まりません。
なので、いちどろかたに車を止めてから、もういっかいわらいはじめました。
ほどうをあるく人が、ふしぎそうにボクを見ています。
どうやら、ボクは車のまどをしめていてもきこえるくらいの声でわらっているみたいです。

43名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:17:27 ID:u602xFKsO
(*^ω^)「ざまぁみろ三十路終盤更年期糞ババァwwww
基地外みたいに危険危険ってうるさいから、文字通り危険な目にあわせてやったおwwwwww」

(*^ω^)「けど流石にママー!は予想外wwww
あの年こいてマザコンとか、気持ち悪いにも程があるwwwwwwww」



車をバンバンとたたいて、ひとしきりおおわらいをしたあと、
ボクはまた、車を走らせます。

まだまだおおわらいをしていたいですが、ボクにはじかんがありません。
今が10時41分なので、やくそくの時間まで4時間もないのです。
それまでに、まだまだやっておきたい事がたくさんあるのですから。

44名も無きAAのようです :2012/12/24(月) 23:19:59 ID:u602xFKsO

( ^ω^)「・・・さて、次は誰にしようかおー♪」



つぎはどんな楽しいことになるんでしょうか。
ボクはルンルンきぶんで、車をおおいそぎで走らせます。

まっすぐ、まっすぐ、つぎのばしょまで。


おおいそぎで、走らせます。


※※※※※※※※※※※※※※※

50名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:26:58 ID:DFzM7G5EO


──1976年12月25日、午後7時00分──





────ねぇ、おかあさん





────ぼくのおとうさんは、どこにいるの?





※※※※※※※※※※※※※※※

51名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:27:46 ID:DFzM7G5EO


──2012年12月22日、午後12時25分──



(  ω )「・・・・・・・・ここかお」



車を走らせガタガタゴトゴ・・・いや、もう辞めよう。
これは、真面目にやらなくちゃいけないんだ。



古ぼけた一軒のアパートの前で車を止め、塀に書かれた『アパートメントソーサク』の文字を見て、僕はここが目的地だと再度確認する。

53名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:46:46 ID:DFzM7G5EO




車から降りた僕は、アパートの敷地内に足を踏み入れる。
外に取り付けられた安っぽい階段を登り、今回の標的がいる部屋の前へとやってきた。
部屋の中の音が聞こえるほど壁が薄いのだろう、部屋の中から聞こえるテレビの音と、二人分の下品な笑い声を聞き、標的が在宅している事を確認する。



(  ω )「・・・・・・・・・・」




仕事仲間の配達履歴を整理している時、たまたまその名前を見つけたのがきっかけだった。

54名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:47:38 ID:DFzM7G5EO
最初は、同姓同名の別人だと思った。
幼い時、母からは死んだと聞かされていたからだ。
母が嘘をついていた、なんて思えなかったし、幼い時からずっと信じていた事が裏切られるのが怖かった。

けど、たまたま近くを配達した時、ほんの気まぐれ程度に、このアパートの前を通った。
別に会いたいって訳でもなかったし、会ってどうなるって訳でもないのは理解していた。
ただ、どんなアパートに同姓同名の人が住んでいるのか気になった・・・それだけだった。



───なのに───

55名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:49:40 ID:DFzM7G5EO
.




────────────( ^^ω)────────────





───なんでこんな所に居るんだお───







──────────────親父──────────────







.

56名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:50:49 ID:DFzM7G5EO
写真でしか、親父の顔を見た事はなかった。
だけど、30年以上が経過しても、髪が白くなり顔中に皺が刻まれていても、
写真の親父と同じ、少しにやけた笑みを浮かべるその人を、
僕はそれが自分の親父なんだと、すんなりと理解する事が出来た。




・・・親父の姿を見かけた事をカーチャンに伝えると、
カーチャンは視線を落として「そう」と一言だけ呟いた。

そのまましばらく無言でいると、カーチャンは観念したかの様に、
ポツポツと本当の事を話してくれた。

57名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:51:40 ID:DFzM7G5EO
親父は、本当は死んだのではない事。
まだ僕がカーチャンの胎内に居る時に、蒸発してしまった事。

カーチャンは「きっと、あの人は父親になるのが怖かったのよ」なんて言って笑っていたけど、
僕はそんな風に笑う事が出来なかった。

だって、僕は知っていたから。
カーチャンが色んな人に頭を下げて、俺を育ててくれたのを知っていたから。
邪険に扱われ、唾を吐き掛けられ、石を投げつけられても
カーチャンは僕の為に、と頭を下げ続けてくれた。

58名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:53:43 ID:DFzM7G5EO
そんなカーチャンの姿を知っていたから、
にこりと笑っていられるカーチャンに凄く腹が立った。

けど、それをカーチャンに言っても、カーチャンは申し訳なさそうに
謝るだけだと判っていたから。

だから僕は、“ふくしゅう”の対象に親父を加えて、この話を打ち切った。



(  ω )「・・・・・・・・・・・」



そして・・・カーチャンが死に、“ふくしゅう”を始めて、幾つもの人に“ふくしゅう”を終えただろうか。
対象が残りの二人になり、漸く親父の“ふくしゅう”に身を乗り出す事が出来た。

59名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:54:32 ID:DFzM7G5EO
(  ω )「・・・・・・・・・・・」



アイツを親だと思った事はないし、手心を加えるつもりもない。
けど、いざ“ふくしゅう”、となると、僕は親父の所に行くのをずるずると後回しにしてしまっていた。

僕はあまり頭が良い方ではないから、いくら考えても答えは判らないし、
答えが判った所で、“ふくしゅう”を辞めるつもりもない。

60名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:55:40 ID:DFzM7G5EO
ならばいっそのこと、親父に訪ねてみようか。
親父が何故、僕とカーチャンを捨てたのか。
その事についてどう考えているのか。
どんなに泣き叫んで謝罪しようが、“ふくしゅう”を辞めるつもりは全くないのだ。
なら、大丈夫。何も問題はない。


( ^ω^)「・・・・・・・・いくお」



意を決して、僕は右手を持ち上げ、部屋のドアを少し強めにノックする。

61名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:56:36 ID:DFzM7G5EO
ノックをすると同時に、部屋の中の笑い声がピタリと止み



「・・・はい」



気だるそうな女の声が、部屋の中から響いてきた。

別に驚く事じゃない。
30年間、ずっと一人でいられる訳がない。
誰かと暮らしていても、何もおかしくない。当たり前の事だ。




(# ω )「──────ッ!!」



だから、一瞬で沸きでたこの怒りは筋違いだ。
僕達を捨てて自分だけ幸せになっていたとしても、それは仕方がない事だ。

62名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:57:32 ID:DFzM7G5EO
そう自分に言い聞かせ、呼吸を整えた僕は、ドアの向こうに居る人に向けて、なるべく柔らかい口調で訪ねた。



( ^ω^)「長瀬川マルタスニムさんはご在宅でしょうか」



「なんか用?いま忙しんだけど」


( ^ω^)「私は内藤ホライゾンと言います。
・・・内藤香野子の息子、と言えば伝わると思うので、お取り次をお願いします」

63名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:58:15 ID:DFzM7G5EO
用件を伝えると、ドアの前にいた女が、部屋の奥にいるであろう親父に向けて、
カーチャンの名前を伝えている声が聞こえた。



「あんたー!なんか内藤香野子の息子って人が来てるよー!!」



その声を聞いて、ギュっと気持ちが引き締められた。
・・・ようやく、親父と対面出来る。
親父はどんな言い訳をするのだろうか。
カーチャンが死んだ事を伝えたら、どうなるのだろうか。
・・・多少は、泣いてくれるだろうか。



( ^^ω)「あぁ!?内藤香野子ぉ!?」

64名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 00:59:20 ID:DFzM7G5EO
.







───あぁ、もしかしたら───





───僕が会うのを躊躇っていた理由は───





───例え一時の合間でも、カーチャンが心から、愛したであろう人を───







───傷つけるのが、嫌だったのかもしれない───










.

65名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 01:00:03 ID:DFzM7G5EO
.












(#^^ω)「誰だよそれ!しらねーよ!!」












.

66名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 01:01:02 ID:DFzM7G5EO









────────────(  ω )────────────








──────────────ピシッ──────────────







※※※※※※※※※※※※※※※

67名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 01:01:55 ID:DFzM7G5EO
「ちょっと、知らないって言ってるけど?」



( ^ω^)「・・・スミマセン、部屋間違えました。さようなら」



トンカン、トンカン。
くつとかいだんがぶつかって、かるい音をかなでます。

ボクのうしろからは、また楽しそうなわらい声が聞こえてきていました。

68名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 01:02:43 ID:DFzM7G5EO
アパートから出て、くるまにのって。
どるるん、どるるん、エンジンをかけて。
ボクは車を走らせます。



( ^ω^)



ボクのした事が、こんかいは大きなしっぱいをしてしまいました。
だって、“ふくしゅう”する人はいなかったのですから。
いない人に“ふくしゅう”出来るわけがありません。

69名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 01:03:50 ID:DFzM7G5EO



( ^ω^)



ボクには、おかーさんだけです。
おかーさんだけの子どもです。
おかーさんいがいひつようありません。
ひつようない人から、“ふくしゅう”する事なんてありません。



( ^ω^)



さて、よけいなみちくさをしてしまいました。
のこりの“ふくしゅう”は、あと“2つ”。
時間によゆうはありません。

そろそろ、けーさつかんの人もボクに気付いてつかまえに来ているでしょう。

なんとかつかまってしまう前に、“ふくしゅう”をおわりにしたいです。

70名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 01:04:35 ID:DFzM7G5EO



( ^ω^)



さて、つぎはいとしのあの子。
ボクが大スキで大スキで大スキだった、あの子の番。
ひさしぶりに会うあの子は、きっとすごくカワイくなっているでしょう。
今から、会うのが楽しみです。





( ^ω^)「おっおっおっおっ」





ボクは車を走らせます。

いとしのあの子に会うために。

さいごの“ふくしゅう”をするために。

あの子に会える、あのばしょに。

ボクは車を、走らせます。

76名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:41:01 ID:DFzM7G5EO
※※※※※※※※※※※※※※※

──2012年12月22日、午後2時26分──




わいわい、がやがや。

そこは、おしゃれなきっさてん。

女の子がスキそうな、オープンテラスのある、おちついてゆっくりと出来そうなきっさてんです。

おひるがすぎて、もうすぐ3時のおやつの時間。

きっさてんには、女の人がたくさんいました。
革のはってある一人用のソファーで本をよむ人。
小さくて丸いテーブルで、ともだちとおしゃべりを楽しむ人。
オープンテラスでからだを小さくしながらも、
あたたかそうなココアをすすって、そこから見えるけしきを楽しむ人。

77名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:41:34 ID:DFzM7G5EO
そんなお店の、おくにあるせき。
一人用のソファーが2つ、小さなテーブルをはさんで、向かい合うようにおかれています。

そのせきの、入り口に近い手前がわのソファーにボクがすわっていました。
ヨレヨレのおしごとふくから、ピッちりとしたスーツにきがえて、
あの子に会うじゅんびはかんりょうです。



( ^ω^)「もうすぐ30分だお・・・」



さっきから、そわそわとしておちつきません。
何回も時計を見ては、あと何分、あと何分、と言っています。
何回もむねのポケットに入っているモノの、かたいかんしょくをたしかめます。
きんちょうしているのでしょうか、のどがかわいてしかたありません。

78名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:42:22 ID:DFzM7G5EO
ズズズ・・・と、3つめのコーヒーをのみほして。
4つめをたのもうかと考えていた時です。

きっさてんの入り口のドアがおされて、ついにあの子がやってきました。



( ^ω^)「・・・・・・おっ」



あの子とさいごに会ったのは、15年も前の事です。
ボクの見た目も変わったように、あの子の見た目も変わっていると、かってにそうぞうしていました。

79名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:44:27 ID:DFzM7G5EO
けど、そうぞうは見事にうちくだかれました。

ぱっちりと開かれたネコのようなくりくりの目も
すらりとした高いおハナも
きゅっとむすばれ、もも色のリップがひかれたくちびるも
あたまの左右でらせんを作る、とくちょうてきなかみも

すべて、当時のまま──まるで時が止まっているみたいに、
そのままのすがたであらわれました。



( ^ω^)「・・・久しぶりだお、ツン」



ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・」



あの子──ツンは、何も言いません。
ただ、ボクを見ています。

こうして見つめあっていると、まるで昔にもどったみたいです。

15年前と、同じ・・・───



※※※※※※※※※※※※※※※

80名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:45:05 ID:DFzM7G5EO


──1997年12月18日、午後5時49分──



ξ////)ξ「──付き合って、下さい」





( ^ω^)





( ^ω^)「えっ?」



高校3年の冬。
ツンに呼び出され、やってきた喫茶店。

周りが女性客ばかりな事もあって、半端ない疎外感にオドオドしながらようやく注文をして、
ふぅと一息ついた所で、いきなりのそれだった。

81名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:45:57 ID:DFzM7G5EO
ξ////)ξ「な、何度も言わせたいの?」



顔を真っ赤にして俯いているツンから、蚊が鳴いているかの様な声が漏れている。
突然の自体に唖然として、頭の中がワニワニパニック状態だったけど、
不思議とツンの声はすんなりと僕の耳へと入ってきていた。



( ^ω^)「あー・・・えっと・・・」

( ^ω^)「お断りしますね」



ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・え?」


混乱した頭で、どうにかその一言だけを返すと、僕は注文したコーヒーが運ばれてくるよりも早く、店を飛び出した。

82名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:46:34 ID:DFzM7G5EO
(;^ω^)「ふぅ・・・流石にあれは焦ったお・・・」ドキドキ



いや、まさか、いきなり告白されるなんて誰が考えるだろう。

僕としては、友人仲間の間で有名な『懺悔のツン』が始まるとしか考えてなかったからだ。
ツンは、親しい人が出来ると、とりあえず仲良くなる為にベタベタと引っ付く癖がある。
そして、その人とより親しくなると、逆に引っ付かなくなってツンツンとあしらう様になる。
そして、もっと親しくなると・・・いきなり電話で呼び出しては、自分がやってしまったの失敗や罪を泣きながら告白してくる、という非常にやっかいな癖『懺悔のツン』を持っているのだ。
ここまでしているのに、何故彼女から友達が居なくならないのか、僕には不思議で仕方なかったりする。

83名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:47:31 ID:DFzM7G5EO
過去に僕も、ツンの懺悔を何回も聞かされている。
確かに、ここ最近は僕にしか懺悔を行ってなかったみたいだし、懺悔の後に二人で遊ぶ事も増えてはいた。

だけど、まさか告白されるとは・・・
自分で言っては何だが、僕には魅力という物が余り・・・いや、全くない様に思えるのだが。
逆に、ツンは癖を除けば凄く美人ではあるし、頭も良い。
スタイルも・・・谷間すら見えない貧弱な膨らみさえ除けば、かなり良い方だ。
そんな完璧超人な彼女が、何の取り柄もない男に、気の迷いで引っ掛かりそうになっているのだ。
友人として、助けてやるのが筋だろう。

84名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:49:47 ID:DFzM7G5EO
こうして、一人で納得して自宅へと帰ろうと駅に向か



ニゲンナワレェ!≡ξ#゚⊿゚)ξつ#)゚ω゚)。゚. チャモジッ!?



・・・おうとしたが、ツンに追いつかれてしまった。

息を切らし、肩を上下させて、息を吸っては咳き込みながら、
それでも何かを言おうとするツンをとりあえずガードレールにもたれかけさせ、
呼吸が落ち着くまで背中を擦ってやる。

何とか呼吸を取り戻したツンは、
しかし今度は大泣きという形で呼吸を荒げさせようとしていた。
道行く人の視線が痛い、
だがこのままじゃ過呼吸になりそうなツンを放っておく訳にも行かない。
仕方なく、僕はツンの手をとって、なるべく人の少ないベンチを探して、夕暮れの街をさ迷う事となるのだった。

85名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:50:43 ID:DFzM7G5EO



ξ;⊿;)ξ「な、なん、なん、で、なんでっ、わ、わっ、わたしっ、じゃっ、い、嫌な、う、えぐっ、ぐすっ」



ようやくベンチを見つけて腰掛けても、ツンは一向に泣き止もうとしなかった。
これはちゃんと理由を話さないと、きっとツンは泣き止まないだろう。
仕方なしに、僕は理由を説明する。
なるべく噛み砕いて、分かりやすく、それでいて手短に。
ツンも、僕が説明している間は、大泣きする事なく聞いてくれた。
この分なら、泣き止んでくれるだろう。
ツンの目を見てそう理解した僕は、説明を締める為の一言を、ツンに向けて話していく。

86名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:51:47 ID:DFzM7G5EO



( ^ω^)「こんな僕だから、僕と付き合うよりも、もっと良い人がいるに決まって───」








だから、不意に。








          ξ¥ )ξ゜ )チュッ








僕の唇を塞がれた時、僕は何も行動する事が出来なかった。

87名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:53:13 ID:DFzM7G5EO



ξ;⊿;)ξ「・・・私は、貴方が好き。 貴方は、私が嫌い?」






唇から唇が離されて、ツンがそんな事を聞いてきても、僕は何も言葉に出来なかった。
ただ、質問の意味を理解する位は出来たので、その質問に対してゆっくりと首を横に振る事は出来た。

88名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:53:54 ID:DFzM7G5EO



ξ;⊿;)ξ「・・・なら、それで良いじゃない。 私は好きで、貴方が嫌いじゃないなら。
一緒に居ても、良いじゃない」



ギュッと、僕に抱きついたツンに、僕はしばらく何もする事が出来なかった。



けど、しばらくしてから。
僕はツンの行動に対する返事として。



ツンの身体に手を回し、思い切り抱き寄せた。





※※※※※※※※※※※※※※※

89名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:54:48 ID:DFzM7G5EO


──2012年12月22日、午後2時37分──



ξ゚⊿゚)ξ「で、要件は?」



ボクの前にすわったツンは、ちゅうもんもせずにききました。



ξ-⊿-)ξ「早くしてくれない? 私、これでも忙しいの。
早く喋って解放してよ」



いそがしいのもわかります。
ツンは今、ようちえんにかよう子どももいるお母さんなんですから。
今はおひるすぎだからだいじょうぶですが、
もう少ししたら、子どもをむかえに行かなければいけません。

90名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:55:42 ID:DFzM7G5EO
──あぁ、でも。



ξ゚⊿゚)ξ



──やっぱりツンはかわいいなぁ。

きぬのいとのようなかみも。
ぷっくりとしたくちびるも。
ぱっちりとひらかれたねこめも。
つつましやかなバストも。
とうきのつぼみたいなこしも。
こじかのようにすらりとしたあしも。




ぜーんぶ、ボクのモノだったのに。

91名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:56:20 ID:DFzM7G5EO



ξ゚⊿゚)ξ「聞いてるの? 久しぶりに連絡されて、こうして会ってあげてるんだから。
早くしてって言ってんの」



ツンは、ボクでもアイツでもなくて、ほかのだれかのモノになってしまった。



ξ#゚⊿゚)ξ「ちゃんと聞いてるの!? 早くしなさいって──」





───あぁ、もう。五月縄いな。

92名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:57:01 ID:DFzM7G5EO



パァン





と、きもちのいい音のあとに、パラパラとてんじょうだったかけらがおちてきます。

さっきまでのうるささが、ウソみたいにしずかになっています。

皮のはってある一人用のソファーで本をよむ人も、
小さくて丸いテーブルで、ともだちとおしゃべりを楽しむ人も
オープンテラスでからだを小さくしながらけしきを楽しむ人も、
てんいんさんも、もちろんツンも。

みんながだまって、ボクを、ボクの右手にあるモノをみています。



ξ;゚⊿゚)ξ「・・・え?」



ツンが一言、ことばにしたのを皮きりに。



辺りいちめんから、ヒメイが上がりました。

93名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:58:20 ID:DFzM7G5EO
※※※※※※※※※※※※※※※



最初は、すぐに別れると思っていた。

ξ*^⊿^)ξ「お待たせ、今日は何処いこっか♪」

僕はたいした趣味も無い退屈な男だし、女の子が好きそうな店も何も知らない。
2、3回デートすれば、僕の無価値さにツンも気が付くだろう、と。
そう考えていた。



ξ*゚⊿゚)ξ「あ、これ可愛いね」

ξ*゚⊿゚)ξ「私、服見たいんだけど。どんなのが似合うかな?」

ξ*>⊿<)ξ「~~~ッ! これ、美味しい! ほら、食べてみて!」



だけど、ツンは一向に僕を嫌いにならなくて。
僕と一緒に居ても、僕はツンになにもしてあげられないのに、
それでもツンは、僕と一緒に居て楽しい、って言ってくれた。

94名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 22:59:13 ID:DFzM7G5EO



( ^ω^)



──それが、純粋に嬉しくて。

初めて、カーチャン以外から愛情という感情を貰って。



ξ*^⊿^)ξ「んーっ! 今日も楽しかったねー」

ξ;゚⊿゚)ξ「ってちょっとぉ!? え、ちょ、な、なんで!?」

ξ;゚⊿゚)ξ「なんで、なんで泣いてるの? 私、何かした? 何か嫌な事させた!?」



──あぁ、ツン。違うよ。違うんだ。



( ;ω;)



──僕はただ、嬉しかっただけなんだ。

95名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:00:00 ID:DFzM7G5EO
初めて他人から愛情を貰えて。
初めて自分と居て幸せだと言ってもらえて。

こんな僕でも、誰かを幸福に出来るんだって、教えてくれた。



──ツン、ありがとう。本当に、ありがとう。



泣きながら感謝し続ける僕を、
ツンはビックリした顔でしばらく眺めていたけれど。
やがて、そっと僕の頭を撫でてくれた。

96名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:00:47 ID:DFzM7G5EO
背伸びをしてギリギリ頭に手が届く位だったから、
撫でるというより擦り付けるに近い撫で方だったけど。
それでも、彼女は頭を撫で続けてくれた。



ξ*-⊿-)ξ「貴方が泣くほど辛い時、こうやって頭を撫でて話を聞いてあげるしか出来ないけど
それでも良ければ、これからは貴方の辛い事を私に分けて?」



ξ*^⊿^)ξ「貴方の辛さ、私が半分持ってあげるから」



──こうして、僕とツンは本当の恋人になれたのだ──





※※※※※※※※※※※※※※※

97名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:01:22 ID:DFzM7G5EO



( ゜ω゜)「うるさいお、ツン
君は黙って、僕が話すのを待ってたら良いんだお」



右手ににぎった、黒く光る物──ハンドガンをツンに向け、
ボクはツンを見つめます。



ξ ;⊿;)ξ



ツンは泣きながらイスにしがみつくだけ・・・。
このテーブルせきから出口に行くには、ボクのとなりをとおらないといけないから、
ツンはボクの言う事を聞かなくちゃいけないのです。

98名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:02:15 ID:DFzM7G5EO



( ゜ω゜)「君が何もせず、ただ僕の話に答えていれば僕も何もしないお。
家に帰りたいなら、僕の話に答えろお」



首ふり人形みたいにあたまをコクコクとふるツンを見て、
ボクはツンにたいしてえがおを向けました。



( ^ω^)「おっ、判ればいいお。驚かせてごめんお」



右手ににぎったハンドガンと、まんめんのえがおをツンに向け、ボクは気分よく話しはじめます。

99名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:03:06 ID:DFzM7G5EO



( ^ω^)「僕がこんな物持ってて驚いたかお?
僕の仕事の都合上、とある自由業の人と知り合いになる事があったんだお。
で、その人に頼み込んで手に入れて貰ったんだお」



ボクの話をきいていないのか、ツンはただハンドガンをじっと見つめて
ふるふるとふるえているだけです。
正直、つまらないです。

100名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:03:53 ID:DFzM7G5EO
( ^ω^)「んー、いざ話をするってなると、あんまり会話が思いつかないおね。
ツンはどんな些細な事でも、ぜーんぶSNSに書いちゃうから、知らない事も特にないお」

( ^ω^)「じゃあ僕の事を話すかお。
あれから、僕は生きてきたお。
働きたくないのに仕事をして、
笑いたくないのに愛想よくして、
生きていたくないのに生き続けたお」

( ^ω^)「君は簡単に世界で一番好きな人を作れるけど、
僕はそんなに器用じゃないから、君以外で恋人も作ってないお。
・・・もっとも、君に振られた時点で愛情なんて物を信じてないけどね」

101名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:04:30 ID:DFzM7G5EO
( ^ω^)「人はみーんな、自分の為に生きて自分の事だけ考えてれば幸せになれるお。
他人は全部踏み台かストレス解消の道具でしかないって気付いてからは、僕も幸せだったお。
だって、どれだけ辛い目にあっても、どれだけ苦しくても、
僕は周りにとっての踏み台かストレス解消の道具だから仕方ないって思えるようになったお」

( ^ω^)「それを教えてくれたツンには、とてもとても感謝してるお。
ツンが居なかったら、僕はもっと苦しんでいたお、ありがとお」

102名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:05:33 ID:DFzM7G5EO
だれもいなくなったきっさてんで、ボクはツンに向かって話します。
ツンはだまっているだけですが、まるでむかしにもどったみたいでした。

けど、楽しい時間はすぐにおわってしまいます。
とおくからきこえるサイレンの音で、ボクは時間がない事を理解しました。



( ^ω^)「全く、ぶしつけにもほどがあるお。
ま、仕方ないお、チャチャっと“ふくしゅう”を終わらせるかお」

103名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:06:27 ID:DFzM7G5EO
ボクの言った“ふくしゅう”ということばに、ツンはビクリとかたをゆらしてはんのうします。



ξ ;⊿;)ξ「いや・・・いやよ! 私は、私はまだ死にたくない!」



なみだでかおをぐちゃぐちゃにして、ツンがようやくボクにことばをかけてくれました。
なみだをながして、いやだいやだとくびをよこにふりつづけています。

そんなツンのすがたに、ボクはむしょうにイライラしました。



( ^ω^)「・・・判ったお、ツンも帰りたいみたいだし、
この質問に答えたら、帰ってもいいお」



ただし、質問の答えによっては・・・
ということばをのみこんで、ツンに向けてわらいかけます。

ツンはなみだでぐちゃぐちゃのかおをボクに向け、早く、早くと目でうったえます。

外にはたくさんのけいさつかんさんが、ボクに動きがあるのを見守っています。

104名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:07:24 ID:DFzM7G5EO



( ^ω^)「ツン、君は・・・」



そんな中、意を決したボクはツンにたいして聞きました。



───ツンと、そしてボクに対して向けられた質問は。





パァン





───乾いた音と一緒に、ボクの“ふくしゅう”を終わらせました。



※※※※※※※※※※※※※※※

105名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:08:07 ID:DFzM7G5EO
高校を卒業した僕達は、別々の大学へと進学した。

もっと早く告白してくれれば、大学をそっちに合わせたのに。
と、僕が意地悪く言ってみると、ツンは

ξ////)ξ「ほ、ホントは告白せずに心に閉まっておくつもりだったのよ
けど、卒業が近づいてきて、もう会えないんだな、って思ったら・・・」

と、照れた風に返してくれた。

106名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:09:13 ID:DFzM7G5EO
大学に入ると、僕は学費と生活費を稼ぐ為のバイトと、
高校よりもずっと専門的になった講義におわれる事になった。

それでも、僕達は土曜日か日曜日は必ずデートもしたし、
ツンが「会いたい」と我が儘を言えば、どれだけ疲れていても可能な限り会いにいった。

講義はずっと難しく、理解するのに必死だったし、
バイトは気苦労が絶えず、涙を流す事もあった、
けど、ツンに会える週末には、今までの疲れが全部吹き飛んでいた。

107名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:10:29 ID:DFzM7G5EO



ξ*゚⊿゚)ξ「あのね!私、大学でバンドをする事にしたの!!
いつかはライブもするから、絶対見に来てね♪」

ξ*-⊿-)ξ「うーん、講義難しいねー。
興味があったから受講したけど、難しすぎてついていけない・・・」

ξ//⊿//)ξ「ウエディングドレスか・・・
・・・か、可愛いけど、まだ私には早いわね!うん!!まだ早い・・・まだ早い・・・」



そんな、他愛ない会話をしてるだけで、一週間の疲れなんて吹き飛んだ。
この子が支えてくれれば、バイト先に来る基地外にも耐えられた。

・・・いつの間にか、僕の世界はこの子を中心に回っていた。

108名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:11:14 ID:DFzM7G5EO
人は、それを依存と言うのかもしれない。
けど、僕は依存出来る相手がいて、初めて幸福を感じられた。
僕のする事を(あの子のする事を)支えてくれる(支えてあげられる)。
それだけで、力が湧いた。幸せを感じていられた。ただただ嬉しかった。



(*^ω^)



僕という存在が、この子を幸せにする為に産まれたんだとすら、錯覚した。
幸福の絶頂だった。 性格が少し明るくなった。




そんな関係が、約二年間続いた。

109名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:11:55 ID:DFzM7G5EO
ある時、ツンのバンドのライブに呼ばれた。
初めてライブスタジオに行って、生でバンド演奏を聞いた。

最初は、ただただうるさかった。
けど、聞いてる内に耳が慣れてきて、最後の方は気にならなくなっていた。
ドラムが心を震わせ、キーボードが身体を包みこみ、ベースとギターが横を駆け抜けて、ボーカルがその感情の意味を教えてくれた。

気付けば、僕も腕を突き出して一緒に騒いでいた。
初めてあった人と、ただただ音楽に合わせて騒いでいた。
楽しかった、これ以上ない位。
色がなかった僕の人生に、ツンがたくさんの色を付けてくれた。

110名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:12:48 ID:DFzM7G5EO



ξ;*゚⊿゚)ξ「ねぇ、私の演奏どうだった?」



演奏を終え、汗だくになったツンに対して、僕は思った事をそのまま伝えた。
興奮して、呂律も回らず、息も絶え絶えに、身振り手振りで
あらゆる方法で、ただ“凄い”という事を伝え続けた。
そんな僕の感想を、ツンは嬉しそうに聞いていてくれた。



ξ*^⊿^)ξ「楽しかったみたいで、良かった♪」



この時のツンが喜ぶ顔ほど、美しい顔は見たことがなかった。

111名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:13:41 ID:DFzM7G5EO



ライブの後、1ヶ月が経過して。
僕とツンのデートの日だ。

いつもみたいに、行き付けの喫茶店に集合して、
お昼を食べながら何気ない会話をしていた時だ。



ξ*゚⊿゚)ξ「それでね、聞いて聞いて!ジョルジュったら可笑しいのよ!!



・・・また、だ。
ライブの後から、ツンの言葉の中にアイツの名前がまじるようになった。
ジョルジュという人には心当たりがあった。
ツンのバンドのメンバーで、誰に対しても分け隔てのない気のいい人だった。

112名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:14:14 ID:DFzM7G5EO



ξ*>⊿<)ξ「もう馬鹿な事ばっかりして、いっつもこっちをひやひやさせてばっかり!
子供っぽすぎるにも程があるわよ! ね?そう思わない?」



ツンに対して、曖昧な笑顔と一緒に返事を返す。
・・・正直、僕の心にはジョルジュに対するどす黒い感情が湧き出ていた。
だけど、頭を振ってそれを振り払う。
大丈夫、ただ友達の事を話しているだけだ。
僕とツンは愛し合っているんだから、大丈夫だ。

ツンの言葉に淋しさを覚えながらも、僕はそれを指摘しなかった。
わざわざ口出しして、小さな男だと思われたくなかった。

113名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:15:25 ID:DFzM7G5EO
・・・だけど、それから2ヶ月、3ヶ月と経っても、
ツンの口からアイツの話題が出ない日はなかった。



・・・やがて、僕とツンの関係に変化が生じてきた。



ξ ゚⊿゚)ξ「・・・ねぇ、人の話聞いてる?」

( ^ω^)「ちゃんと聞いてるお、ジョルジュがまた馬鹿な事したんだお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「・・・あのさ、やきもちとか妬かないの?
これだけ別の男の話してるのにやきもちも妬かないって、私はその程度って事?」

(;^ω^)「ち、違うお!だって、今更ジョルジュにやきもちなんて・・・」

ξ ゚⊿゚)ξ「やきもちに今更も無いでしょうに。 ・・・ま、別にいいけどね」



ツンが、僕に対してあまり興味を示さなくなった。

114名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:16:04 ID:DFzM7G5EO
僕が大学の話をしても、すぐに話を切りたがった。
バイト先の事を話すと、曖昧な返事しかしなくなった。
どうしても会えない用事が出来ると、ツンはグチグチと文句をいうようになった。



だけど、僕はツンが好きだった。



ツンが我が儘を言う回数が多くなった。
どうしても我が儘が聞けなくて断ると、すぐ泣きだした。
無理矢理にツンに会いにいくと、さっきは断った癖に、と小言を言われた。



それでも、僕はツンが好きだった。

115名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:16:52 ID:DFzM7G5EO
僕がバイト先で辛い事があり、泣きながらツンに電話をした。
前は話を聞いて慰めてくれたのに、
今は「すぐに泣いて、女々しいと思わないの?」と怒られた。



何かと僕とジョルジュを比べはじめた。
僕がジョルジュより劣っていると凄く怒られた。
ジョルジュならこうする、ジョルジュなら泣かない、ジョルジュなら、ジョルジュなら───





──それでも、僕はツンが好きだった。

未だに、手を繋ぐとドキドキした。
キスをする時、心臓が口から飛び出さないか心配だった。
抱きしめてツンの体温を感じれたら、涙が溢れそうになった。

116名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:17:41 ID:DFzM7G5EO
僕の世界は、ツンが居て初めて回るのだから。
ツンが居なくなるなんて思わなかった。

ツンが注意した所は全部直したし、バイト先の愚痴も言わなくなった。
ツンが望めばバイトも大学も捨てて会いに行ったし、
ツンが欲しい物は学費を削ってでも買ってあげた。







──────だけど──────



ξ ゚⊿゚)ξ「別れましょう」



(  ω )「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



──────ツンは、僕のもとから離れていった──────

117名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:18:39 ID:DFzM7G5EO



ξ ゚⊿゚)ξ「貴方は私の気持ちを全く考えてないわ。
今までは初めての恋人らしい、で許してたけど、それも我慢の限界よ」

ξ ゚⊿)「私はあれだけ尽くしてあげたのに、貴方は変わってしまった。
好きだった貴方は、居なくなってしまったわ」

ξ¥ξ ゚)「貴方がもし、もっと恋愛をして女心が判ったら
その時はまた、付き合ってあげる。頑張りなさい」



そう言って、ツンは僕の下から去っていった。

118名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:20:10 ID:DFzM7G5EO
ツンという、支えを失った僕は、大学もバイトもしなくなった。
高校時代に普通に出来ていた事が、出来なくなってしまった。

何で、ツンが僕の下から去ったのかを考えたけれど。判らなかった。
いや、判りたくなかった。

だって、信じていたから。
ツンは違うと、僕が好きになった人は違うと。



────────────( ^Д^)────────────




─────────────('、`*川─────────────



僕の人生を狂わせたり、傷つけたりした、こいつらと一緒のはずがないと。

119名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:20:51 ID:DFzM7G5EO

ようやく、ツンが僕を捨てた理由に気が付けたのは、
ツンが僕を捨ててすぐ、ジョルジュと付き合っていると知った時だった。



(  ω )



・・・どうして。

僕が世界で一番好きだったんじゃなかったのか。
僕と結婚したいと言ってくれたのは嘘だったのか。
僕が居ないと辛いって、言ってくれたじゃないか。

勝手に好きになって、勝手に告白してきて、
こっちがその気になって、幸せにしようと思わせておいて、
邪魔になったら捨てるのか。

なら、なんで好きになった。
なんで僕に愛情を教えた。
幸せの喜びを、どうして教えやがった!

120名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:21:38 ID:DFzM7G5EO
愛をしらなければ、君が居なくてもこんなに苦しくなかったのに。
幸福をしらなければ、いつもの不幸でこんなに胸が辛くならなかったのに。
君さえ僕の前に現われなければ、僕はもっとまともな人生を歩めたはずなのに。





( ;ω;)





・・・死にたい。
そう考えて、死のうとした。
だけど、死のうとした瞬間に浮かぶのは、母の顔だった。

───僕が死ねば、カーチャンは壊れてしまう。
───僕が受けた苦しみと、同じ苦しみを与えてしまう。

───それだけは、嫌だ。



死のうと思っても死ねず。
自分の不幸を呪い続け。
僕はそれでも、幸せを願い続けて生きなきゃいけなかった。



ずっと、ずっと。
ずっと、ずっと。
ずっと──ずっと───



※※※※※※※※※※※※※※※

121名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:22:22 ID:DFzM7G5EO





───結局、僕はずっと、不幸のまま生かされ続けいたんだ。





───自分の事だけを考えれば、皆のように幸福になれただろう。

───他人を気遣い、優しくして、見返りを期待せずに心を配るより。

───他人を笑い、迷惑を省みず、ただ毎日を面白可笑しく生きていれば、良かったのだ。

───僕は、幸せに生きる悪い人間に、憧れていたんだ。

───けれど、僕はそうやって生きる事が出来なかった。
───いや、そうやって生きる事を『許されなかった』。

122名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:23:09 ID:DFzM7G5EO



『予習と復習をちゃんとして、しっかりと勉強しないといい大人になれないよ』



───だって、そうしたらカーチャンのようないい大人になれないんだもの。

───僕はカーチャンによって『生かされた』んだから、そうならないと親不幸になっちゃうもの。
───だけどごめんよ、カーチャン。
───カーチャンが死ぬその時まで、僕はどっちで生きればいいのか判らなかった。

───カーチャンを幸せにするいい大人になればいいのか。
───自分を幸せにするわるい大人になればいいのか。

───僕にはどうしても、決められなかった。

123名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:23:45 ID:DFzM7G5EO
───カーチャンが居なくなって、『生かされる』必要がなくなって。

───どうやって生きていけば良いか判らなくなって。

───その時、カーチャンの言葉を思い出したんだ。

───予習と、“復習”。

───僕がこれからどうするかを決める為に。
───僕が進むのはどちらの道かを決める為に。

───僕は、『悪い大人の素晴らしさを学ばせてくれた人達』に、
   もう一度“復習”させて貰う事を思いついた。

124名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:24:36 ID:DFzM7G5EO



( ^Д^)

───プギャー君には『正しい事なんて数の前では無力なのだという事を』



('、`*川

───ババァには、『人間を人間として扱わない事の素晴らしさを』



( ^^ω)

───親父には、『悪い大人の血が僕に流れている事の証明を』



ξ ゚⊿゚)ξ

───ツンには、『この世界においての愛情という物の無価値差を』



.

125名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:25:23 ID:DFzM7G5EO
───それ以外にも、僕が“復習”の対象にした人は、
   全て僕のこれからの生き方にとって、参考になると判断した人達ばかりだ。

───僕に失敗を全て押しつけた元上司も。
───カーチャンを騙して金を奪った宗教団体も。
───援助を求めた僕達を突っぱねたあの役人も。



───自分の幸せの為に僕を踏み台にした皆に、僕は“復習”させて貰った。

126名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:25:54 ID:DFzM7G5EO
───だけど、僕はいい大人にもなりたかったから。
───いい大人として、こいつらの悪を見逃したくはなかったから。

───僕は、“復習”のついでに“復讐”も行う事にしたのだ。

───だけど、自分勝手な“復讐”を行う毎に、
   僕は悪い大人の素晴らしさの片鱗を、
   理解していくはめになったのは、何とも可笑しな話だったが。

127名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:28:13 ID:DFzM7G5EO



───さぁ、これが最後の“復習”だ。

───ツンは、何と答えるだろうか、その返事によって、僕の生き方か決まるのだ。

───いい大人になるなら、この経験も無駄になるかもしれない。
───わるい大人になるなら、この経験に無駄な物は何一つとしてない。

───あぁ、楽しみだ。 これでようやく、僕は─────



※※※※※※※※※※※※※※※

128名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:29:11 ID:DFzM7G5EO





そんな中、意を決したボクはツンにたいして聞きました。







( ^ω^)「君は今、幸せかい? 今までよりずっと、僕と居た時よりも、ずっとずっと、幸せかい?」

129名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:29:56 ID:DFzM7G5EO






そのしつもんに、ツンは少しだけ考えて。
やがて、ゆっくりと答えてくれました。







ξ ;ー;)ξ「──えぇ、とっても幸せよ」

130名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:30:43 ID:DFzM7G5EO










にっこりと、わらって言ったその一言で。










( ^ω^)「・・・ありがとう」










ボクの答えは、決まりました。

131名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:31:54 ID:DFzM7G5EO





パァン





かわいた音といっしょにとびでただんがんは、
あごのうらから体内に入ると、口とハナと目をつきぬけて、
ノウミソとずがいこつをつきやぶり、お店のてんじょうをけずって、止まりました。

132名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:32:52 ID:DFzM7G5EO



少しの間、まわりの空気がしんとしずかになりますが、
どぷり、とキズ口からこぼれた血がじめんをよごした時、ふたたびうるさくなりはじめました。





ξ ;⊿;)ξ



( ^ω^)





.

133名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:33:46 ID:DFzM7G5EO



ツンは、ボクを見ています。
ずっと、ボクを見ています。




だけど、ボクはもう何も出来ません。



───だって、もう死んじゃったのですから。





※※※※※※※※※※※※※※※

134名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:35:15 ID:DFzM7G5EO



───僕は、またツンに復習さて貰いました。






『わるい大人でも、自分が世界で一番、幸せだと思える』





───ただ、幸せになりたい僕にとって、この一つは何よりも重要でしたから。





これで、僕はいい大人ではなく、わるい大人になる事に決めました。

136名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:37:08 ID:DFzM7G5EO



さて、わるい大人は自由です。
まわりの迷惑なんて考えない、何もかもが、自由です。





だからまず、わるい大人になったら、やろうと思っていた事がありました。







───そうだ。










───いい大人の僕に対して、“復讐”しよう、と。

137名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:37:37 ID:DFzM7G5EO
もしも、僕が最初からわるい大人なら。



プギャー君のやる事に耐えて、先生に言うなんて事はしませんでした。

ババァに言われるがままになる事もありませんでした。

親父には尊敬の念すら抱いていたと思いますし。

ツンはボコボコにして、アイツの前でツンの全てを壊してやったと思いますし。



何より、僕をいい大人にしようとしたカーチャンを、捨てる事も出来たはずです。

138名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:38:18 ID:DFzM7G5EO
それをしなかったのは、僕がいい大人であろうとしたから。

悪い大人の僕が得られる幸せを、いい大人の僕が全て壊したのです。



これは、許される事じゃありません。
一生かけても償わせる事は出来ません。



だから、殺しました。

139名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:39:46 ID:DFzM7G5EO



手にもった銃で、ズガン。
それだけで簡単に死にました。






もっとも、わるい大人の僕も死んでしまいましたが。
けどまぁわるい大人だから、生きてるも死ぬも自由なので問題はないでしょう。
生きてるか、死んでるかの差なんて、僕にとっては些細な違いなんですから。

140名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:41:57 ID:DFzM7G5EO



それに、ただ死んだ訳ではありません。





─────────────ξ ;⊿;)ξ────────────





だって、僕は一番好きな人に見送られて死ねたのですから。
この世界で、一番好きな人に見送られて死ねたであろう人の数を考えれば、
僕はずっと幸せです。

ツンはきっと、これから一生僕を忘れないでしょう。
僕の死に様を、僕が流した血を、弾丸と共にはじけ飛び辺りに飛び散った脳ミソの欠片を。

最愛の人に覚えていて貰える、それだけ幸せなら、充分です。

141名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:42:52 ID:DFzM7G5EO











────────────幸せだから、───────────









( ^ω^)











───僕は、死んだ後も、こうして笑っていられるのです───









.

142名も無きAAのようです :2012/12/25(火) 23:43:41 ID:DFzM7G5EO

































めでたし、めでたし。


( ^ω^)は“ふくしゅう”するようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1356273016/1-



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