まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです


198川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 11:51:21.13 発信元:153.186.79.252
1.
 西暦2099年。

激化する一方のサイボーグによる犯罪を抑止するため、国連人権委員会によって新たな法が成立。

世に悪名高い、通称〝サイボーグ狩り法〟である。

それは人体の50%以上を機械化した人間には人権が適用されないというものであった。


***


 西ヨーロッパのどこかにある国。

amazonのダンボール箱や菓子の袋が散乱する薄汚いワンルームで、一人の女がパソコンと向かい合っていた。


川 ゚ -゚)「……」




川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです

#1 アウトカースト




199川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 11:53:03.74 発信元:153.186.79.252
2.
 パンツ一枚で上はタンクトップだけというだらしない格好で、テーブルに方足をかけて座っている。

寝起きの髪はバサバサで、洗ってない犬みたいだ。

実際、彼女はそれに近い臭いを漂わせていた。

 三次元ウィンドウ上に再生されているのは動画投稿サイトの日本産アニメだ。


::川 ゚ w゚)::「ブフッ……ブフフッ、ブッ……」


 気色の悪い笑い声を漏らす。


::川 ゚ w゚)::「ご先祖様の墓の前で全裸になった主人公が〝申し訳ない申し訳ない〟と言いながら

     墓石に局部をすりつけるシーン……ここのことか!」


 ウィンドウをタッチし、いったん動画を停止させる。

ちょんちょんと指で操作して日本の某巨大掲示板を開いた。

ウィンドウの下の部分に触れ、引っ張り出すようにしてキーボードを表示させる。


川 ゚ー゚)「〝今そのシーン見たわ クソワラタwwwww〟と……」


202川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 11:55:23.93 発信元:153.186.79.252
3.
 書き込み、投稿……というところで、いきなり部屋のドアが開いた。

何の遠慮もなしに二人の少年が飛び込んで来る。


( ´_ゝ`)「クーさん、事件です!」

(´<_` )「店で客が無体をなさっておいでです!」

川;゚ -゚)「ぶひいいいい!!」


 泡を食ったクーは放り出してあるジーパンを拾い上げようとした。

バランスを崩してそのまま椅子から転げ落ち、後頭部をダンボール箱に強打する。


川#゚ -゚)「あぶし! バ、バカ、いきなり入ってくるなっていつも言ってるだろ!!」


 それでも何とかそのへんのダンボール箱で股間を隠しつつ、乳首が見えないようにシャツの胸元を押さえた。

女のプライドの最後のひとかけらを守るために。

 二人はそっくりな顔を呆れさせ、クーを見下ろした。


( ´_ゝ`)「携帯を鳴らしてもお出になられないので」


204川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 11:58:38.67 発信元:153.186.79.252
4.
川 ゚ -゚)「休日は切ってんだよ」

(´<_` )「どうかお急ぎください、ショボンくんが殺されてしまいます」

川 ゚ -゚)「ショボンが? わかった」


 彼らが引っ込むと、いそいそと準備を始めた。

 放置してあったジーンズを拾い上げ、臭いを嗅ぐ。


川;゚ -゚)「あー、そういえばコーラこぼしてこれで拭いたな。

     なんかまともな服なかったっけ」


 ばたばたとあちこちを探るが、ろくな服がない。


川 ゚ -゚)「ここんとこ洗濯してなかったなあ。ん?」


 捨てる予定の服を詰め込んでおいたダンボールを開くと、超ミニのナース服が出てきた。

前に人にもらうんだか何だかしたやつだ。

体にぴっちりしたコスプレ仕様で、腹回りと二の腕が通るかどうかちょっと不安だった。


207川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:01:58.46 発信元:153.186.79.252
5.
川;゚ -゚)「……こ、これでいっか」


 無理すると何とか着れたが、背中のジッパーがはじけ飛ぶ寸前だ。

洗面所で髪に水をぶっかけて寝かしつけ、部屋を出る。

が、忘れ物に気付いてすぐに戻ってきた。


川 ゚ -゚)「おっとっと。えーと、どこ置いたっけな」


 またあちこちの山を掘り起こし、ひっくり返す。

階下で兄弟のいらだたしげな声がした。


( ´_ゝ`)「非常に時間をかけておいでの模様!」

(´<_` )「改めて勧告いたします、お急ぎを!」

川;゚ -゚)「待ってろって! ああくそ、どこやったっけ」


 結局見つからなかった。

 キッチンに行き、山積みになっている洗い物の中からフライパンを取り出すと、それを手に部屋を出た。


211川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:05:29.50 発信元:153.186.79.252
6.
21世紀初頭に作られたオンボロのワンルームマンションの二階から一階に駆け下りる。

途中、洗濯物を満載した籠を抱えた青年とすれ違った。


/ ゚、。 /「こらクー、今日こそ君の部屋も掃除するよ! いいね?」

川 ゚ -゚)「あっ、うん! その話は帰ってから!」


 地階に下りた。

 電動アシスト付き自転車にまたがった流石兄弟が、クーのナース姿を見て呆気に取られた。


( ´_ゝ`)「その格好は?」

川 ゚ -゚)「イメチェン」

(´<_` )「……そのフライパンのように見えるものは?」

川 ゚ -゚)「フライパン」

(;´_ゝ`)「商売道具はどちらに?」

川 ゚ -゚)「どっか行っちゃったんだよ。

     ああそうだ、すまないけど探しといてくんない、部屋のどっかにあるからさ」


213川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:07:10.21 発信元:153.186.79.252
7.
( ´_ゝ`)「え?」

川 ゚ -゚)「見つかったら持ってきて、頼むよ。ふたりならすぐに見つかると思うし」

(´<_` )「わたしはあなたのだらしなさに呆れます」

川 ゚ -゚)「すまんこ、すまんこ」

( ´_ゝ`)(´<_` )「どうかお急ぎを!」


 自分の電動一輪バイクに飛び乗ると、アクセルを踏み込んだ。

このあたりの町並みは何世紀も前からあまり変わっていない。

レンガで舗装された道路を挟んで向かいが川、反対側に石作りの集合住宅が並んでいる。

あまりタチのいい界隈ではなく、雑然とした雰囲気だ。

彼女はその中を駆け抜けて行った。

 すぐにショーウィンドウが並ぶ通りに入った。

通りに面した壁に、窓辺がいくつも並んでいる。


( ^ω^)「あ、クーちゃん! やっと来てくれたお、こっちだお!」


217川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:10:13.61 発信元:153.186.79.252
8.
川 ゚ -゚)「内藤さん」


 建物の前にいた太めの男が手を振った。

〝ハニービー・コンボ(蜜蜂の巣)〟という看板が下りている。

クーはバイクから飛び降りた。


川 ゚ -゚)「どこだ?」

( ^ω^)「奥ですお、男が二人、ショボンくんを連れて裏口から出て行ったお。

      モララーくんがあとを追ったけど……」

川;゚ -゚)「あいつ口先ほど喧嘩強くないからな。よっしゃ、任せとけ」



 彼をそこで待たせ、奥に走った。

ショーウィンドウは後ろの小部屋と一枚のドアで繋がっている。

ベッドと小さな棚があるだけの部屋で、いやらしいピンク色の照明が落ちている。

 その前を駆け抜け、裏口のドアをくぐった。


219川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:13:31.75 発信元:153.186.79.252
9.
路地に出ると、行き止まりのほうからから怒鳴り声がしている。


(;・∀・)「やめろ、ショボンに触るんじゃねえ!」

( `ハ´)「うっさい奴アル、大人しくしてろアル」


 肩まで伸ばした金髪の少年が、大柄の男に羽交い絞めにされている。

顔に殴られた跡があり、口元から血を流していた。


<ヽ`∀´>「しゃぶるニダ、この淫売! それがお前の唯一の能だニダー!」

(´;ω;`)「むぐー! むぐー!」


 その向こうでは別の男が褐色の肌をした少年を押さえつけていた。

一人が腕を後ろにねじ上げてひざまずかせ、もう一人が少年の頭を掴んで顔を股間に押し付けている。

服を引きちぎられた少年は、いきり立った肉棒から必死に顔をそらしていた。


( ;∀;)「ぶっ殺すぞてめー! 離せちっくしょう!」

( `ハ´)「早くしろアル、順番待ちなんかしてらんないアル」


220川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:15:45.34 発信元:153.186.79.252
10.
<ヽ`∀´>「そいつにでも突っ込んでろニダー」


 クーはフライパンを構え、男たちの背後に声をかけた。


川 ゚ -゚)「おい、お前ら。そいつらを放せ」

( ・∀・)「クー! 遅いぞ」

<ヽ`∀´>「ニダッ?! 女?」

川 ゚ -゚)「悪いか」

( `ハ´)「自分の脳ミソでも治してろアル、看護婦さん」

川 ゚ -゚)「放せって言ってるんだ」


 クーは慎重に相手に近付いた。

金髪の少年を抑えていた男が素早くベルトから警棒を抜き、振りかぶった。

クーはそれをフライパンの面で防ぎ、返す刀で素早く顔面に一撃を入れた。

カン!


223川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:17:53.46 発信元:153.186.79.252
11.
( ゚パ)「ブフォ!?」


 鼻血が噴き出す。

男は顔を押さえながら、めくらめっぽう警棒を振り回した。

身を振り、あるいはのけぞってかわすと、今度は往復で両方のこめかみに一発ずつ入れた。

カン! カン!


( ゚パ)「あっ! だっ!」

 よろめいたところで、すかさず相手の膝に渾身の一撃を入れる。

ひざまずいたところで、野球のバットのようにフライパンを振るった。

丸い鉄板が相手の顔の形に凹むくらいの力を込めて。


川 ゚ -゚)「そぉおい!」

( ゚パ)「はっぶし!!」 


 スカン!


225川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:21:06.51 発信元:153.186.79.252
12.
ぶっ倒れたところでもう一人が少年を放り出し、ズボンを引き上げながらこっちに向かってきた。


川 ゚ -゚)「モララー、動けるか?」

( ・∀・)「遅せえんだバカ! ショボン!」


 モララーと呼ばれた少年が、ショボンを抱き上げようとした。


( ・∀・)「ほら、こっちだ」

(´・ω・`)「待って! ペンダントが……」

( ・∀・)「後にしろって!」

<ヽ`∀´>「ドクトォオ!!」


 男の右の手首から先がジッポライターの蓋みたいに百八十度曲がり、腕に収納されていたナイフが飛び出した。

たちまち超高温になった刀身が白熱する。


川 ゚ -゚)「!!」


226川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:23:34.24 発信元:153.186.79.252
13.
 男が腕を振るった瞬間、フライパンが真っ二つになった

上半分がずれ、一筋の白煙を上げて地面に落ちる。


川 ゚ -゚)「ヒートナイフか。カタギじゃないな、お前」

<ヽ`∀´>「うっさい、死ねニダ!」


 ナイフを振り回しながら男が迫ってくる。

クーはフットワークを利かせながら後退していった。

切っ先がかすめた建物の壁が溶融し、真っ黒に焦げた傷跡を作る。


川;゚ -゚)「おっと、と、と」

( ´_ゝ`)「クーさん!」

(´<_` )「これを!」


 路地の入り口で声がした。

 二人が持ってきた二振りの小太刀をクーに投げ渡す、が……


229川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:26:51.51 発信元:153.186.79.252
14.
( ´_ゝ`)(´<_` )「あ」

川 ゚ -゚)「あ、バカ、力入れすぎ……」


 男の頭上を通り越す軌道だ。


<ヽ`∀´>「ホルホル、マヌケ! 死……」


男が突進をかけようとナイフを振り上げる。

すかさず後ろに回り込んだモララーが、半分になったフライパンを男の尻の割れ目に突っ込んだ。


( ・∀・)「オラア!」


ズン!


<ヽ゚A゚>「日韓スワップッ?!」


 クーは地を蹴って宙に跳ね、更に壁を蹴って二段ジャンプで男を飛び越えながら、空中で刀を受け取った。

 グリップを握ると同時にコンピューターが指紋から持ち主を認識し、刀身を白熱させる。


231川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:30:13.51 発信元:153.186.79.252
15.
 目もくらむような速度で銀の筋が駆け巡った。


川 ゚ -゚)


 クーの着地と同時に、男の目の前に何かがどさりと地面に落ちた。

機械化された男の腕だった。ナイフの刀身、腕の部分と、三等分されている。


<ヽ;`∀´>(バカな、着地するまでの一瞬でニカ……?)


呆然と振り返った男の顎を、クーは後ろ蹴りで蹴り上げた。


<ヽ`∀´>「ごふっ?!」


 地面にしりもちをつく。正確には、地面に落ちてまだ熱を持っているナイフの上に。

ジュッ!

むき出しにしていたケツが燃え上がり、男は転げ回った。


<ヽ;∀;>「ほぎゃあああ!」


232川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:33:35.07 発信元:153.186.79.252
16.
( ´_ゝ`)「ざまを見ろでございます!」

(´<_` )「アハハ、あのお顔をご覧ください」


 路地の前に集まっていた少年たちが歓声を上げる。

 ふと、自転車に乗った警官が通りかかった。騒ぎに足を止め、こちらを見ている。


(,,゚Д゚)

<ヽ;∀;>「あ、お巡りさん! 助けてニダー!」


 男は焼けたケツを抱えて助けを求めた。

しかし警官はそ知らぬ顔で行ってしまった。


(,,゚Д゚)「異常なし、と」

<ヽ゚∀゚>「えええええ!? ちょ、ちょっとおおおお!!」


 クーは刀を肩に担ぎ、男を見下ろした。


234川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:36:35.83 発信元:153.186.79.252
17.
川 ゚ -゚)「ウチには金輪際出入り禁止だ。わかったな」

<ヽ`∀´>「ニ、ニダ……」


 遅れてやってきた別の男たちが、その男たちを引きずり出した。

組合の用心棒だ。


( ´∀`)「どれどれ、と」


 一人が男らにハンドスキャナをかざす。

スキャンが済むと、彼らの肉体の機械化率が表示された。


( ´∀`)「54%と66%。オーバーフィフティ。バラしてパーツ屋に売るモナ」

('A`)「まあ、今夜の飲み代くらいにはなるな」

(;`ハ´)「あわわアル」

<ヽ;∀;>「ひいい、許してニダー!」

( ´∀`)「安心するモナ、殺しはしないモナ。脳ミソだけは残してやるモナ」


239川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:55:16.62 発信元:153.186.79.252
18.
***


 この地区はフォーセイクン・ヘヴン(〝見捨てられた天国〟)と呼ばれる風俗地帯である。

その端っこのほうにクーたちのいる男娼専門の通りがある。

普段はショーウィンドウの中に商品である彼らが並び、客を引いている。

気に入った娼婦または男娼がいれば客は建物に入り、受付に言って奥の部屋に通されるというシステムだ。

 ショボンがさっきから地面を這い回っている。


(;´・ω・)「ペンダントが……」

川 ゚ -゚)「ん、これのこと?」


 満月を模した銀のペンダントがクーの足元に落ちている。

拾って渡してやると、彼は大事そうに手の中に握りこんでため息をついた。


(´・ω・`)「ありがとう、クーさん」

川 ゚ -゚)「いいってことよ」


241川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 12:58:37.66 発信元:153.186.79.252
19.
( ・∀・)「ああ、ひどいな。大丈夫か」

(´・ω・`)「うん」


 モララーが地面にへたり込んでいるショボンの鼻血を手で拭ってやった。


(´・ω・`)「僕よりモララーくんが」

( ・∀・)「俺は平気だよ。ごめんな、何にもできなくて」

川 ゚ -゚)「ツイてなかったな」


クーは彼の上着を拾って差し出した。


川 ゚ -゚)「ほら、隠せ。丸出しはまずい」


 彼は眼を真っ赤に腫らしながらも微笑み、股間を隠した。


(´・ω・`)「あ、ごめんなさい」

川 ゚ー゚)「そんな顔されると両刀に目覚めちゃうぞ」


243川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:01:21.68 発信元:153.186.79.252
20.
 双子の兄弟と内藤がやってきた。


川 ゚ -゚)「刀、どこにあった?」

( ´_ゝ`)「パンツの山の中ですが」

川;゚ -゚)「人のパンツの山に手を突っ込むんじゃない!」

( ^ω^)「やれやれ、とんだ災難だったお」

川 ゚ -゚)「さっきの野郎は? 客?」

(´・ω・`)「そうです。店の外で会えって前からしつこくて」

( ・∀・)「二度と来ねえさ。ほら」


 モララーがショボンを抱き上げた。


(´・ω・`)「自分で歩けるよ」

( ・∀・)「いいって」

( ´_ゝ`)「モララーくん格好良い!!」

(´<_` )「抱いて差し上げてもようございますよ?」


245川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:05:25.90 発信元:153.186.79.252
21.
(;・∀・)「うっせえよ! お前ら真っ先に逃げ出しやがって!」

川 ゚ -゚)「はいはい、元気な人はお仕事に戻ってね。ショボンは休ませてあげないと」

( ^ω^)「うん、そうだお。僕が送っていくお」

(´・ω・`)「平気です」

( ・∀・)「意地張るなよ。そんな顔で客を取れないだろ?」


 モララーに乱暴に頭を撫でられると、ショボンは内藤に連れられてしぶしぶ建物を出た。

振り返り、二人にぺこりと頭を下げる。アジア系の流儀に乗っ取ったつもりらしい。

クーは笑って手を振り、見送った。


川 ゚ -゚)「お前もだろ」


 クーはモララーのほうを見た。

鼻血を手で拭っている。


( ・∀・)「屁でもねーよ」


247川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:08:50.18 発信元:153.186.79.252
22.
( ^ω^)「……ところでクーちゃん、その格好は?」

川 ゚ -゚)「まともな服が他になくってさ……あっ」


 背のジッパーのあたりでビリ、という嫌な音がした。

後ろに目をやると、案の定縫い目が避けている。


川;゚ -゚)「あーっ! やだ、もう!」


 一同から笑い声が漏れた。


***


 一同が仕事に戻ると、遅れてハニービー・コンボのオーナー、荒巻スカルチノフがやってきた。


/ ,' 3「ひと悶着あったようだな」

川 ゚ -゚)「あ、オーナー。もう片付けたよ」

/ ,' 3「話は内藤に聞いた。ご苦労。ショボンは?」


249川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:13:27.38 発信元:153.186.79.252
23.
川 ゚ -゚)「大したことなかったみたい。一応帰らせたけど」


キザっぽいスーツに帽子、毛皮つきコート、手には高そうな指輪がじゃらじゃら。

成金ルック、としか言いようがないセンスだ。

 さっきの警官と、トレンチコート姿の刑事をともなっている。


(,,゚Д゚)

ミ,,゚Д゚彡「ふむ、何も問題なしですな」

/ ,' 3「その通りですとも、刑事さん」

ミ,,゚Д゚彡「はっはっは、平和が一番」

/ ,' 3「はっはっは」


 わざとらしい作り笑いを交わし、二人は握手した。

荒巻の手の中にあった札束が一巻き、刑事の手の中に移った。

刑事はそれをポケットに入れ、何事もなかったように去っていった。


253川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:19:04.79 発信元:153.186.79.252
24.
***


 夕食時に来てくれと連絡があったので、クーはショボンの家に向かった。

フォーセイクン・ヘヴン外周部にある、クーが住んでいるのと同じボロアパートだ。

ハニービーズ・コンボに勤める従業員は、ほぼ全員がここで部屋をシェアして暮らしている。

 チャイムを押すと、ドアが開いた。


( ´_ゝ`)「いらっしゃいませ」

(´<_` )「お待ちしておりましたよ」


 アジアンビューティーのコンビ、流石兄弟。中国系。双子の16歳。

客と彼ら二人の3Pが好評につき、ハニービー・コンボで一番の高給取り。

手足の長いすらりとした細身に糸目がチャームポイント。

 二人はお互いが残像のようにぴったり揃ってうやうやしく頭を下げ、両側からクーの手を取った。


川 ゚ー゚)「え、なになに? 高級レストランごっこ?」


255川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:24:19.87 発信元:153.186.79.252
25.
 二人に伴われてリビングへ向かう。

テーブルでは顔に絆創膏を貼ったショボンが待っていた。

この茶番でドジを踏むまいと強張った笑みを浮かべ、一生懸命背筋を伸ばしている。


(´・ω・`)「いらっしゃいませ」


 カフェオレ色の肌をした中東出身。13歳。

いつも困ったような顔をしており、どこか子犬を思わせる雰囲気だ。

この業界に入って日が浅く、コミュニティの末っ子のような扱いを受けている。

 彼が椅子を引き、クーを座らせた。


( ´_ゝ`)「どうぞお座りを」

(´<_` )「お足元にお気をつけて」


 流石兄弟が同時にかしづいてクーの手の甲にキスし、離れる。

一糸乱れぬ、ぴったりそろった動きだ。


258川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:27:55.09 発信元:153.186.79.252
26.
川*゚ー゚)「アハハ、すっごい! お姫様みたい!」


 モララーが微笑みかけ、グラスにワインを注いだ。


( ・∀・)「そこのコンビニで買った最高級品ですよ」


 金髪碧眼の北欧系美少年がモララー。15歳。

シルクのようにつややかなキメの細かい肌をしていて、背まで伸ばしたサラサラ&キラキラの髪をなびかせている。

この中では唯一の純粋な異性愛者で、女の客しか取らない。

 危なっかしい手つきで、グラスの口からワインがあふれている。


( ・∀・)「おっ……と、と。セーフ!」

川;゚ -゚)「いやこぼれてる、こぼれてるって!」

(#・∀・)「うるせーな、気にするな!」


 奥のキッチンから、エプロンをつけた青年が大皿を手にやってきた。

テーブルに置くと眼鏡を外して曇りをふき取り、うれしそうに顔をほころばせる。


260川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:32:09.40 発信元:153.186.79.252
27.
/ ゚、。 /「んー、すっごいご馳走! こんなの久しぶり」


 通称〝ママ〟、ダイオード。地元出身の白人、26歳、既婚者(この国では同姓婚が認められている)。

寿退社した男娼で、とある男の〝奥さん〟の傍ら、パートタイマーで少年たちの世話をしている。

家事万能、世話焼き、キレイ好きの良妻賢母。


川 ゚ -゚)「誰かの誕生日とか?」


 全員が食卓についたとき、クーは聞いてみた。


/ ゚、。 /「いや、いつもクーにはお世話になってるから」

(´・ω・`)「今日は本当にありがとう」

川*゚ -゚)「気にすんなよ、お互いに仕事だしさー」

( ・∀・)「照れるなって」

( ´_ゝ`)「早く食べましょう」

(´<_` )「非常に空腹です」


264川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:43:46.30 発信元:153.186.79.252
28.
 ダイオードが大皿のチキンを切り分けた。

腹にライスや野菜を詰め込んで丸焼きにした料理で、普段ジャンクフードばかり食っているクーには舌が溶けるようだった。

下品な仕草でガツガツと口に詰め込む。


川*゚ -゚)「うんまい! うんまい!」

/ ゚、。 /「もうちょっと品良く食べてくれよ」


 クー、日本人、女。19歳。

ハニービー・コンボの雇われ用心棒。

腕がめっぽう立つこと、そして生粋の同性愛者であることがオーナーに気に入られて去年採用された。

前任者が男娼の一人と駆け落ちして失踪したためである。


***


 ハニービー・コンボに在籍する十人ばかりの少年は全員が50%以上機械化したサイボーグである。

たいていは貧困や麻薬欲しさに臓器を売り、ずるずるとデッドラインを越えてしまうというパターンだ。


266川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:46:04.93 発信元:153.186.79.252
29.
 それでもきちんとした手続きをすれば人権は守られるのだが、彼らは最低限の教育を受けていない、正規の医者にかかる金がない、

保険に入っていないなどの理由でそれが出来ない。


 彼らのような存在はオーバーフィフティ(〝50%以上〟)と呼ばれている。


 フォーセイクン・ヘヴンは組合が政治家や警察機関に金あるいは娼婦・男娼を惜しみなく提供するかわりに、不可侵条約を結んでいる。
   アウトカースト
これが不可触民である彼らを守る、独自にして唯一の法だ。


***


 腹も膨れ、そろそろ眠くなってきたころ。

テレビを見ながらうたた寝をしていたクーは、ふとショボンの姿がないことに気付いた。


川 ゚ -゚)「ん?」

(´・ω・`)


 ベランダに出て、川の向こう、フォーセイクン・ヘヴンの外を見ている。


268川 ゚ -゚)見捨てられた天国のようです :2013/09/15(日) 13:48:52.64 発信元:153.186.79.252
30.
路肩にパトカーが停まっていた。

二人の警官が後ろ手に手錠をかけられた誰かを引きずり下ろした。

 遠目にもまだ少年だとわかる。片方の警官が手錠を外し、彼を川のふちに立たせた。

もう一人が頭に拳銃を突きつける。

 
川 ゚ -゚)


 甲高い銃声。重いものが川に落ちる音。

ベランダの手すりに手をかけていたショボンが顔を伏せた。


(´・ω・`)


 オーバーフィフティは逮捕されればどんな些細な理由でも(理由がなくても)その場で処刑される。

裁判を受ける権利がないからだ。

 ショボンが手すりに背を預け、ベランダに座り込んだ。

クーはその隣に行き、一緒に座った。



( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★50
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1379170546/



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