まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 ( ・∀・)最期はひまわり畑だったようです


544名無しっていいもんですね :2013/09/14(土) 17:45:15.04 発信元:122.210.56.180
ζ(゚ー゚*ζ「花を植えようか」

 唐突に言い出した彼女に、僕は「何を」と聞いた。彼女の言うことは急で僕はいつも困ってしまう。

( ・∀・)「アパートの二階でも大丈夫なものにしてくれよ。君ならすぐ変なものを植えようって言いそうだから」

ζ(゚ー゚*ζ「私そんなに変なこと言ってないよ」

 どうだか、と言って見せると機嫌を損ねてしまったらしい。彼女は僕の言葉を聞くや否や、滑らかで白い頬を子供のように膨らませてそっぽを向いてしまった。
そっぽを向いた彼女が弄るのは僕の愛用の緑色の四角いクッションだ。彼女の不機嫌に弄ばれて四角の原型を留めていない。きっと中の綿が偏ってしまっているだろうなと思った。
 僕のベッドの上で、裸足の彼女はその素足をばたばたと布団に叩き付ける。どうやら相当ご立腹らしい。

 彼女は変な人だった。と、思う。




547名無しっていいもんですね :2013/09/14(土) 17:47:55.11 発信元:122.210.56.180
それは彼女が元美大生で、独特のセンスを持っていたのも原因の一つかもしれない。
真っ白のシャツを買ってきて絵の具を纏った筆でぐちゃぐちゃにしてしまったり、
やけに真剣な表情で何かを描いているかと思えばそれはデフォルメされた猫が「やあ」と吹き出しで喋りながらこちらに手を振っている絵だったりする。
普段描いてる風景画は普通に人に見せるのに、その猫の絵はやけに見せるのを嫌がっていた。
彼女の中の基準がよくわからない。

普段の生活でも、だ。
道を歩いてきて手を差し出してきたからてっきり手を繋ぐのかと思ったら、僕の手を取ってその場で回転するのに巻き込まれたり、重い荷物を持っていたから「持とうか」と聞くと絶対に譲らない。
そのくせ軽い荷物の時に僕に荷物を持たせようとするのだ。
付き合ったばかりの頃によく混乱した覚えがある。

思考が読めず、突発的だったり奇抜な行動をよくする人。
だけれど、僕はそんな彼女と一緒に居たくて付き合っていたわけだが。

ζ(゚ー゚*ζ「花かあ」


548名無しっていいもんですね :2013/09/14(土) 17:50:12.36 発信元:122.210.56.180
彼女はぽつりと呟いた。
声音に棘が無く無邪気さで占められていて、勝手に機嫌が直ったようだと僕は心の中で安心する。
ふと視線を横に遣れば、先ほどまでの不機嫌はどこへやら、クッションを胸に抱いて楽しそうに目を輝かせる彼女の姿があった。

そろそろクッションを返してほしいのだが、言ってしまえばまた不機嫌になることが目に見えているので僕は口を閉ざす。
賢い判断だと誰かに褒めてもらいたかった。

ζ(゚ー゚*ζ「コスモス、チューリップ、朝顔、たんぽぽ」

( ・∀・)「小学校みたいだし、最後なんか雑草だよね」

ζ(゚ー゚*ζ「雑草なんて失礼だなあ、たんぽぽだって立派な花だよ」

確かにたんぽぽは可愛らしいとは思うけど、地面に埋まっているものを家で育てるためにわざわざ取って来ようという気にはなれない。
朝顔は蔓が伸びすぎてしまうし、コスモスやチューリップは勝手なイメージだけれど少しサイズが大きいような気がする。
せめて植えるなら、窓際にちょこんと置いておけるくらいの鉢植えのサイズがいい。


551名無しっていいもんですね :2013/09/14(土) 17:52:26.98 発信元:122.210.56.180
彼女は考えるように「うーん」と唸ると、ごろんとベッドに寝転がってクッションを空中に投げては受け止め、投げては受け止めを繰り返す。
投げられているのが高い高いを要求した子供だったら、と想像すると背筋が寒くなった。

「あ」彼女は声を漏らすと投げたクッションを受け止めた勢いで胸に抱え込み、起き上がって僕の方へ顔を突き出してきた。

ζ(゚ー゚*ζ「ねえ、ひまわり植えようよ」

( ・∀・)「ひまわり?」

聞き返す声が思いの外大きく出た。
声の大きさから分かる通りの怪訝さが顔に滲み出ていたのだろう、彼女は「ひまわり」ともう一度強調するように言った。

ζ(゚ー゚*ζ「ひまわりだよ。夏におっきく花咲かせるやつ」

( ・∀・)「それ、君の好みじゃないか」


553名無しっていいもんですね :2013/09/14(土) 17:54:48.22 発信元:122.210.56.180
彼女はひまわりが好きだった。

画家であるゴッホのひまわりの絵が好きだった。
実際絵を描き始めたのはゴッホの影響らしい。
冬だろうが構わずひまわりのモチーフの小物を持ち歩いて、その度に彼女は僕に「ひまわりは夏だけだって誰が決めたの」と主張してきたものだった。
補足しておくと、僕が何故冬にもひまわりを付けるのかと聞いたのは付き合った最初の頃だけなのだが、僕が納得していないと思っているらしく年中訂正という名の主張をしてくる。

( ・∀・)「で、君が言うひまわりっていうのは絶対に僕と同じ背丈くらいのやつだよね」

う、と彼女が言葉を詰まらせた。
どうやら図星だったらしい。
彼女の思考を読めるようになってきたあたり、僕は彼女にもう慣れてきたのだろうか。

( ・∀・)「そんなに大きいの置いておけないよ。却下」


556名無しっていいもんですね :2013/09/14(土) 17:58:47.02 発信元:122.210.56.180
ζ(゚ー゚*ζ「えー、ケチ」

けれど結局、彼女の花を植えようという意見を撥ね退けることはできなかった。
 
 
 
アパートの二階の角部屋。
その窓際には、小さなサボテンが花を咲かせている。

( ・∀・)「お前も変わんないな」

僕はそのサボテンを見つめながら、ミニテーブルの上に置かれた彼女の骨壺にひまわりを供えた。
 
 
 
( ・∀・)最期はひまわり畑だったようです・0話 終わり


560名無しっていいもんですね :2013/09/14(土) 18:01:54.78 発信元:122.210.56.180
彼女を失った「僕」のその後の話が本編なんだけど、そっち入れると30レス超えるからやめた
過去に文学賞に応募した話の供養でした お粗末様でした
支援ありがとうございました!



( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★49
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1377435720/



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