まぜこぜブーン

ブーン系まとめ

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 マト ー)メ M・Mのようです


473マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:22:39.65 発信元:211.11.79.101
  僕が彼女に出逢ったのは、あの暑い夏が終わり、秋の足音が聞こえ始めた頃だった。

  僕は今でも夏が過ぎ秋が訪れる度に彼女と出逢ってからのあの数週間の出来事を思い出す。
  もう記憶は所々曖昧になってしまっていて、細部は日記という記録に頼るしかないのだけれど、それでも目を閉じれば彼女の笑顔は浮かんでくるのだ。
  あの最後の時と同じように。


  誰かに友人を紹介しようとする時、何から話し始めるのだろうか。
  彼女について語ろうと思った際に僕は何から話せば良いだろうか。
 
  自分との関係性?――彼女と僕は赤の他人だった。
  その人の職業?――誤解を恐れずに言えば彼女は無職だった。 
  年齡や経歴?――それすら彼女にはなかった。
  なら名前?――そんなものでさえ、僕と出逢った時の彼女にはなかったのだ。  

  あの日、僕が出逢った少女は掛け値なく何者でもない誰かだった。
  誰でもない、彼女だった。
  何の記録も残っていないとしても彼女は確かにそこにいたのだ。




476マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:25:23.75 発信元:211.11.79.101
  今から僕が語るのは、そんな彼女の物語。
  記録と記憶を巡る少女の物語だ。

  その時、あの全ての過去を失くした少女に残っていたのは――未来が見える瞳だけだった。




       マト ー)メ M・Mのようです





. 


477マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:28:08.32 発信元:211.11.79.101
  都会に空けられた緑の穴ののような自然公園のベンチに腰掛けていた僕の隣に座ったのはショートカットの少女だった。
  とりあえず辺りを見回してみる。
  池を囲う柵と平行するように設置された椅子はほとんどが空いている。
  平日のお昼過ぎということもあってか、使われているのは僕(と少女)の座るここと、カップルらしき男女が座る斜め前のベンチくらいだ。

  今がお昼時ならまだ分かる。
  お昼休みのサラリーマン達やちょっとしたハイキングにやって来た学生で賑わい、ベンチもほとんど埋まってしまう。
  そういう状況ならば三人掛けくらいの椅子に一人で座っている人がいれば隣にお邪魔することもあるだろう。

  だが、今はそうではない。



マト゚ー゚)メ



  この僕の隣に座る少女が何故わざわざ僕の隣に腰掛けたのかがさっぱり分からない。
  理由を訊いてみようか、いや何も言わずに立ち去った方が良いだろう。
  何か高価な壺でも売られてしまってはたまったものではない。

  数百万の程度の品を一つ二つ買ったところで困らないような金を今の僕は持っているが、だからと言ってなんだかよく分からないものを買うのは嫌だ。
  金額云々以前に僕は無駄なものを所有することを好んでいない。


479マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:31:12.75 発信元:211.11.79.101
  そんなことを考えながら、それとなく高校生くらいの少女を伺った。

  一言で言えば中々に整った容姿の少女だった。
  何処の服屋でも売っているような流行りのブランドのパーカーにジーンズ。
  癖のある赤みがかった茶髪を隠すようにニット帽を被っている。
  こちらも昨日だったか一昨日だったかのテレビ番組でやっていた有名メーカーの製品だった。
  もしかしてと思って目をやれば、スニーカーにはドイツに本拠地を置く多国籍企業のロゴが入っている。

  なんと言うか、「デパートに入って店頭に並んでいた商品を順番に買っていった」ような、そんな自然過ぎて不自然な見てくれの少女だった。
  どれも新品同然で、ニット帽に至っては外し忘れているのか小さな値札が付いている。
  そのことを指摘しようか悩んでいる内に僕は彼女に話しかけられてしまった。


マト^ー^)メ「あの……突然申し訳ないんですけど、お金くれませんか?」


  少女の口から発せられたのは驚くほどストレートな物乞い。
  「恵んでください」という遠回しなものではなく、「お金をくれ」という直球なものは初めて聞いた。

  思わず僕も訊き返してしまう。


( ^ω^)「どうして、僕に?」


480マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:34:07.35 発信元:211.11.79.101
  確かに僕は今諸事情で一億近い金を持っているので僕に対して物乞いをするのは正解だと言える。
  だが僕はごく普通の格好をしており、とても金持ちには見えないはずだ。
  小太りではあるが、飽食の現代で僕くらいの体型の奴なんて腐るほどにいるだろう。

  だから「どうして僕にそんなことを言うのか」と訊いたのだが、どうやら彼女にはニュアンスが上手く伝わらなかったらしい。
  彼女は平然と、


マト゚ー゚)メ「今、持ち合わせがないんです。だから少し、お金くれないかなーと」


  そう答えたのだった。


( ^ω^)「お金、ないの?」

マト゚ー゚)メ「ありません。これで最後でした」


  そう言って彼女は足元に置いていた飲み切ったジュースの缶を持ち上げてみせる。
  多分、あの池の反対側に設置してある自販機で買ったものだろう。

  しかし無一文の状態なんて、一体どういうことだ?


484マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:37:06.69 発信元:211.11.79.101
  と。
  唐突に彼女は言った。


マト-ー-)メ「では、私……アタシ? いや、僕かな? うん、僕がこの缶を投げてあの自販機の隣のゴミ箱に入れることができたら、お金ください」

(;^ω^)「いや意味が分からない」


  なんだそれは。
  賭けのつもりなのだろうか。
  たとえその缶が投げて入ったところで僕に対するリターンが少しもない。

  それに、そもそも池を挟んだ向こう側、あの自販機までは十メートル以上離れている。
  投げて届かせることはできるかもしれないが、ゴミ箱にピンポイントで入れるなどできるわけがない。


( ^ω^)「それに、ここから投げて入れるなんてできるわけないお」

マト゚ー゚)メ「できます。僕……うん、僕は断言できます。目に見えていますから」


  僕、僕と何度か一人称を呟いて、彼女は頷いた。


485マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:39:09.05 発信元:211.11.79.101
  意味不明という言葉が人間の形を取ればこうなるのではないか。
  そんな印象を抱かせる少女だ。
  とても同じ場所に立って話しているとは思えない。
  地に足が着いていない、言葉の端々から浮いた感じが伺える少女。

  今も僕とか私とか、色んな一人称をぶつぶつと呟いている。
  見ず知らずの相手に失礼だが言葉が不自由かそうでなければ頭が不自由かのどちらかにしか思えない。


マト-ー-)メ「僕……いややっぱり私? 私、私、私は……行きます」


  そう言って。
  彼女は飲み切ったジュースの缶を振り被り、思い切り投げた。

  入るわけがない。
  そう思いながらも視線は自然と缶を追ってしまう。
  最後まで僕は見ていた。
  その缶が吸い込まれるようにゴミ箱に入っていったその時まで。


(;^ω^)「………………は?」

マト゚ー゚)メ「ほら入った」


486マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:42:06.83 発信元:211.11.79.101
  ほら入った、ともう一度彼女は言う。
  嬉しさを出すわけでもなく、出会った時と変わらぬ微笑みを崩さないまま。


マト゚ー゚)メ「では、お金を貰えますか?」

(;^ω^)「意味が分からん。そんなに言うなら、今の曲芸の代金として帰りの電車賃くらいは貸してやっても良いけどお……」

マト゚ー゚)メ「それじゃ全然足りないんです。暫く生活できるお金がないと」

( ^ω^)「お前は初対面の他人にいくらたかる気だ」

マト゚ー゚)メ「それに、私は家がありません」


  は?
  家がない?


(;^ω^)「家がないって……どういうこと?」

マト゚ー゚)メ「あるかもしれませんが、何処にあるのかも分かりませんし、帰り方も分かりません」


488マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 16:45:07.68 発信元:211.11.79.101
  何処にあるのか分からない。
  だから帰り方も分からない。
  そもそも家があるのかどうかすら分からない。

  それはつまり、一般的な言葉で言えばこうなるのではないか。



マト゚ー゚)メ「どうしてでしょうね。私、どうしてか自分がなんでここにいるのか、それどころか自分の名前すら思い出せないんです」



  記憶喪失――と。

  出生以来の自分の記憶が思い出せない状態。
  「全生活史健忘」と呼ばれる記憶障害だ。
  言葉などの知識は覚えているが、自分に関しての記憶を忘れている為に自分が何処の誰なのかが分からなくなるという。

  ただ健忘は自然に完治する障害なので、周囲に家族や友人がいれば特に大事に至ることはない。
  病院に連れて行かれ、適切な診断と治療を受け、暫く安静にしていれば治ることがほとんどである。
  万が一外出先のような自分を知っている人間が誰もいない場所で記憶喪失になったとしても免許証やパスポートから身元が割り出される。
  通常ならばそうだ。


493マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:00:15.88 発信元:211.11.79.101
  だが今回の場合、彼女の口振りから察するに、彼女は自分の身元が分かるようなものを何一つ持っていない。
  だからこそ自分の名前が分からず、何処に帰るべきなのかも分からない。


(;^ω^)「記憶喪失、なのかお?」

マト-ー-)メ「私はどうやらそうらしいです」

(;^ω^)「身元が分かるものは?」

マト゚ー゚)メ「持っていないです。気付いた時に持っていたのは高そうな細工の銀の指輪だけ。そしてそれはもうありません」


  多分その指輪を質屋に放り込んで貰った金で服を買ったのだろう。
  そして缶ジュースを買ったところで金がなくなり、僕に声を掛けてきた。
  頭のおかしな奴だと思っていたが、そうではなかったらしい。
  単に困っていただけだ。 


( ^ω^)「……いや」  


  ちょっと待てよ。


495マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:03:06.22 発信元:211.11.79.101
  自分が記憶喪失になったとして。
  無一文で身元が分かりそうなものを何も持っていないとして。
  「他人に金をせびる」という選択をする前にすることがあるのではないか?

  僕は訊ねた。


( ^ω^)「……よし、分かったお」

マト゚ー゚)メ「お金をくれる気になりましたか? なら、そろそろ移動しましょう」

( ^ω^)「いや、金はあげない。だけど警察署まで連れて行ってやるお」


  記憶喪失になって、無一文で、身元が分かりそうなものが何もない場合。
  まず行なうべきなのは警察に保護を求めることだ。
  見知らぬ他人に金銭を要求する前にそういうことをすべきだ。

  だが、彼女は首を振った。


マト゚ー゚)メ「警察へは行きたくないです」

( ^ω^)「行きたくない?」


497マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:06:07.10 発信元:211.11.79.101
マト゚ー゚)メ「悪い方向に向かうことが目に見えています」

(;^ω^)「目に見えてるって……。犯罪者か何かなのかお?」

マト゚ー゚)メ「記憶がないので断言できませんが、追われている身であるということは分かります」


  相変わらずのふわふわとした物言い。
  煙か何かのように掴み所がなく、支離滅裂で滅茶苦茶だ。
  やはり「頭がおかしい」までとは言わないが今までの会話から見ても普通ではない。


(;^ω^)「ちょっと待てお。『記憶がないから犯罪者かどうかは分からない』でも『追われている身であることは分かる』って矛盾してないかお?」

マト゚ー゚)メ「していますか?」

( ^ω^)「どう考えてもしてる。なんで過去のことが分からないのに追われてるなんて分かるんだお」

マト゚ー゚)メ「ああ、その説明をしてなかったですか。目に見えているからです」

(;^ω^)「いやだから……」

マト゚ー゚)メ「そろそろ時間切れです。ここから移動しましょう」


498マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:09:07.44 発信元:211.11.79.101
  そう言って彼女は僕の手を取り走り出す。
  事態が全く飲み込めないまま僕も引き摺られるように走る。
  公園から遠ざかっていく。
  ふと後ろを見ると、僕達がいた池のほとりに入れ違いのようにやってきた警察官達がベンチのカップルに声を掛けるところだった。

  緑の中から出て、変わる寸前の横断歩道を渡り、どんどんと街の中心部へと走って行く。
  まるで人の多い場所に行くことで誰かに見つからないようにしているかのように。


「――そう言えば変な語尾のお兄さん」  

「――はぁ、はぁ……なんだお?」

「――お兄さんはどうしてお金持ちに?」

「――はぁ? はぁ、はぁ……。ち、父親が……死んで……その遺産!」

「――そうですか」


  息も絶え絶えな僕と対照的に彼女は余裕綽々といった感じ。
  滅茶苦茶に走り続た末、街の中心部の巨大なデパートの中に入りやっと彼女は走る速度を緩め、歩き始めた。
  そこでやっと、汗だくの僕の手を放した。


501マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:12:06.68 発信元:211.11.79.101
  その時点で僕が彼女に付いて行く理由はなくなったわけだが、乗りかかった船というか、「じゃサヨナラ」と立ち去るには気になることが多過ぎた。
  どうして僕が金持ちだと分かったのか、彼女は誰に追われているのか……。

  エレベーターに乗り込むと彼女は最上階のボタンを押す。
  確か、このデパートの最上階は駐車場しかなかったはずなのだが何を考えているのだろう。
  続いて乗り込んだ僕は景色を楽しむ彼女に問い掛けた。


(;^ω^)「……はぁ、ふぅ。幾つか、訊きたいことがあるお」

マト゚ー゚)メ「なんですか。大抵のことは答えられないと目に見えていますけど」

( ^ω^)「まず、なんで僕に声を掛けたんだお? どうして僕が金持ちだと分かった?」

マト-ー-)メ「目に見えてたからです」

(;^ω^)「ならなんで自分が追われてると?」

マト゚ー゚)メ「それも、目に見えていたからです」


  要領を得ない説明だった。
  何が「目に見えている」のかさっぱり分からない。


502マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:15:19.97 発信元:211.11.79.101
  チーンという音と共にエレベーターが止まる。
  扉が開く。

  屋上の駐車場へと足を踏み出しながら彼女は言った。


マト゚ー゚)メ「今から少し、驚くようなことがあるかもしれませんが、驚かないでください」

(;^ω^)「は?」

マト ー)メ「まあお兄さんが驚くことも私は目に見えているのですが―――」



  瞬間だった。

  空から、刀が降ってきた。



「ひゃひゃひゃひゃひゃ――ひゃっ!!」


514マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:25:53.33 発信元:211.11.79.101
  いや違う。
  降ってきたのは白いセーターの女だった。
  そして彼女は、その少女が振り下ろした日本刀を白刃取りの要領で受け止めていた。
  いや、それも違った。

  セーターの女は刀を振り下ろしたのではなかった。
  彼女は自分の腕を振り下ろしただけ――肘の辺りから真剣に変化した右腕を。


(* ∀)「ひゃ――あひゃひゃひゃ!!」

マト^ー^)メ「こんにちは」

(#*゚∀゚)「ひゃひゃひゃ――お久しぶり、ってなぁぁ!!!」


  女は続けて左手を槍状に変え、敵を貫こうとする。
  だがそれを読んでいたかのように少女は軽く躱してみせた。


(#*゚∀゚)「ひゃ――ひゃひゃっ!」

マト゚ー゚)メ「あなたは、私を知っていますか?」


518マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:28:10.20 発信元:211.11.79.101
(#*゚∀゚)「なんだぁ、アタシのこと忘れちったの? 悲しいねぇ……っ!」


  女が右腕を振るう。
  当たらない。
  左腕を突き出す。
  当たらない。
  まるで最初から決まっているかのように、攻撃は当たらない。

  苛立ちを募らせる女に対し、少女は屋上の端に追い詰められながらもあくまでマイペースに微笑んだまま。
  淡々と言葉を告げる。


マト^ー^)メ「ああ、あなたは私のことを知らないんですね。本当に知っていたのなら、こんな風に戦いを挑むはずがない」

(#* ∀)「ひゃ――あぁぁぁああ!!」


  身を翻して腕を鉤爪に変えた女の攻撃を避ける。
  少女が躱すほどにの鉄柵がバラバラに切り裂かれていく。
  そうして攻防の合間で柵の残骸を二つ拾い上げると、一つを真上に空高く放り投げ、もう一つを女に向けて投げ付けた。
  だがその程度のことでは女は止まらない。


523マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:31:10.15 発信元:211.11.79.101
マト ー)メ「そう、」


  佇む少女に向かって両腕を巨大な鎌に変えた女が突っ込んでいく。
  とても人間とは思えない速度の突進にも、彼女はふわふわと浮世離れした態度を崩さないままだった。



マト ー)メ「あなたでは私には勝てないし、あなたが私にとって価値のないことは、目に見えている―――」



  そして、次の瞬間だった。
  今にも少女を八つ裂きにせんとしていた女の身体を棒状のものが真上から貫いた。
  それは先ほど放り投げられた柵の残骸。

  女は膝を折り、傷口と口から鮮血を溢れ出し、崩れ落ちた。  
  それで終わりだった。


(;^ω^)「は……あ……」

マト^ー^)メ「ほら驚いた。言った通りです」


527マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:34:25.20 発信元:211.11.79.101
  茫然とする僕にそう言って彼女は微笑みかける。
  そうして思い出したかのように続けた。


マト゚ー゚)メ「そう言えば一つ、言い忘れていたことがありました。私、限定的ですが、未来が見えるんです」

(;^ω^)「未来が……見える?」

マト゚ー゚)メ「そうです。おかしなことに過去のことが全く思い出せない私は、誰も分からないはずの未来だけは『目に見えている』」


  そして彼女は言った。



マト^ー^)メ「変な語尾のお兄さん。もし良ければ、私の【記憶(じぶん)】探しに協力してくれませんか? まずは、私にご飯を奢るところから」



  後から考えれば、最初から彼女には分かっていたのだろう。
  僕を見つけて声を掛けたその時から、僕が断りはしないということを見抜いていた。
  彼女には文字通り『目に見えていた』のだ。

  その妖しく光る紫色の左目に。


532マト ー)メ M・Mのようです :2013/09/14(土) 17:37:07.49 発信元:211.11.79.101
  人間にとって、『記憶』とは何なのだろうか。
  僕達はそれがあることで自分の存在を確認することができる。
  だとしたら『記憶』とは『自分』の同義語なのかもしれない。

  ならば『過去』はなんだ?
  『未来』はどんな意味を持つ?

  今から僕が語るのは、全ての過去を失くした少女が未来が見える瞳と共に現在を駆け抜けた物語―――。




        マト ー)メ M・Mのようです


        「第一話:Missing Memory」





.


537名無しっていいもんですね :2013/09/14(土) 17:39:55.89 発信元:211.11.79.101
以上で終わりです。
本当は用意した選択肢の中から安価で一つを選んでもらって、生存ルートならば先に進み、バッドエンドなら『彼女が見た失敗する未来』ということで選択肢に戻る、
みたいなことをやりたかったのですが、軽く30レスを超えたのでボツにしました。

第二話「Madding Monday」の投下の予定はありません。


長い間、すみません。
ご支援ありがとうございました。



( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★49
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1377435720/



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